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古今和歌集 拾遺和歌集 新古今和歌集 百人一首

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 から紅に 水くくるとは / 在原業平朝臣
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百人一首のデータベース

百人一首とは

  • 歌人、藤原定家による京都は御座山にて鎌倉初期に記した小倉山荘色紙和歌に基づくものが元となり、小倉百人一首となった。
  • 天智天皇(626~)から順徳院(1197~)までの百の歌人について、一人一首選ばれている。

百人一首 言の葉データベース

五十音順に並び替えできるよう、かなを上にのせています。一字決まり、二字決まり、大山札などの確認ができます。

歌番号作者出典
1あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
秋の田の かりほの庵の とまをあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
天智天皇
後撰集秋中302
2はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
持統天皇
新古今集夏175
3あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
足引きの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ
柿本人麿
拾遺集恋三778
4たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
田子の浦に 打出でてみれば 白妙の ふじの高嶺に 雪は降りつつ
山部赤人
新古今集冬675
5おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 聲きく時ぞ 秋は悲しき
猿丸太夫
古今集秋上215
6かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
かさゝぎの 渡せる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞふけにける
中納言家持
新古今集冬620
7あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも
阿倍仲麻呂
古今集羇旅406
8わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
喜撰法師
古今集雑下983
9はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
花の色は 移りにけりな 徒に 我が身世にふる ながめせしまに
小野小町
古今集春下113
10これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
これや此の 行くも帰るも 別かれては 知るも知らぬも 逢坂の関
蝉丸
後撰集雑一1089
11わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人にはつげよ あまの釣舟
参議篁
古今集羇旅407
12あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ をとめの姿 しばし留めむ
僧正遍昭
古今集雑上872
13つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
筑波嶺の 峯より落つる みなの川 戀ぞつもりて 淵となりぬる
陽成院
後撰集恋三776
14みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
陸奥の しのぶもぢずり 誰故に みだれ初めにし 我ならなくに
河原左大臣
古今集恋四724
15きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ
光孝天皇
古今集春上21
16たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
立別れ いなばの山の 嶺におふる まつとし聞かば 今帰り来む
中納言行平
古今集離別365
17ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 から紅に 水くくるとは
在原業平朝臣
古今集秋下294
18すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
住の江の 岸に寄る浪 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
藤原敏行朝臣
古今集恋二559
19なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
難波潟 短き葦の ふしのまも あはで此の世を すぐしてよとや
伊勢
新古今集恋一1049
20わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
侘びぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
元良親王
後撰集恋五961
21いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
素性法師
古今集恋四691
22ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
文屋康秀
古今集秋下249
23つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
大江千里
古今集秋上193
24このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
此の度は 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
菅家
古今集羇旅420
25なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
名にしおはば 逢坂山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな
三条右大臣
後撰集恋三701
26をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
小倉山 峯のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
貞信公
拾遺集雑秋1128
27みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
みかの原 わきて流るる 泉川 いつみきとてか 戀しかるらむ
中納言兼輔
新古今集恋一996
28やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
源宗行朝臣
古今集冬315
29こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
凡河内躬恒
古今集秋下277
30ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
壬生忠岑
古今集恋三625
31あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
坂上是則
古今集冬332
32やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
山がはに 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
春道列樹
古今集秋下303
33ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづごころなく はなのちるらむ
久方の 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ
紀友則
古今集春下84
34たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
藤原興風
古今集雑上909
35ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
紀貫之
古今集春上42
36なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
清原深養父
古今集夏166
37しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
文屋朝康
後撰集秋中308
38わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
右近
拾遺集恋四870
39あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の戀しき
参議等
後撰集恋一578
40しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
忍ぶれど 色に出にけり 我が戀は ものや思ふと 人の問ふまで
平兼盛
拾遺集恋一622
41こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか
戀すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
壬生忠見
拾遺集恋一621
42ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪こさじとは
清原元輔
後拾遺集恋四770
43あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり
逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
権中納言敦忠
拾遺集恋二710
44あふことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
中納言朝忠
拾遺集恋一678
45あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな
哀れとも いふべき人は おもほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
謙徳公
拾遺集恋五950
46ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
由良の戸を わたる舟人 楫をたえ 行方もしらぬ 戀の道かな
曽根好忠
新古今集恋一1071
47やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
恵慶法師
拾遺集秋140
48かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
風をいたみ 岩うつ浪の おのれのみ 砕けてものを 思ふ頃かな
源重之
詞花集恋上210
49みかきもり ゑじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ
御垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 晝は消えつつ ものをこそ思へ
大中臣能宣朝臣
詞花集恋上224
50きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
藤原義孝
後拾遺集恋二669
51かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
藤原実方朝臣
後拾遺集恋一612
52あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな
明けぬれば くるるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
藤原道信朝臣
後拾遺集恋二672
53なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
嘆きつつ 獨りぬる夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る
右大将道綱母
拾遺集恋四912
54わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな
忘れじの 行末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな
儀同三司母
新古今集恋三1149
55たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
瀧の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ
大納言公任
千載集雑上1035
56あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな
あらざらむ 此の世のほかの 思ひ出に 今一たびの 逢ふこともがな
和泉式部
後拾遺集恋三763
57めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな
廻り逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
紫式部
新古今集雑上1497
58ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
有馬山 ゐなのささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
大貮三位
後拾遺集恋二709
59やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて 傾くまでの 月を見しかな
赤染衛門
後拾遺集恋二680
60おほえやま いくののみちの とほければ まだふみもみず あまのはしだて
大江山 いくのの道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
小式部内侍
金葉集雑上586
61いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな
古への 奈良の都の 八重ざくら 今日九重に 匂ひぬるかな
伊勢大輔
詞花集春27
62よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも 世に逢坂の 関はゆるさじ
清少納言
後拾遺集雑二940
63いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
左京大夫道雅
後拾遺集恋三750
64あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木
権中納言定頼
千載集冬419
65うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ
恨み侘び ほさぬ袖だに あるものを 戀に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
相模
後拾遺集恋四815
66もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし
諸共に あはれと思へ 山ざくら 花よりほかに 知る人もなし
大僧正行尊
金葉集雑上556
67はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
周防内侍
千載集雑上961
68こころにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
心にも あらで憂世に ながらへば 戀しかるべき 夜半の月かな
三条院
後拾遺集雑一861
69あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり
嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり
能因法師
後拾遺集秋下366
70さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづくも同じ 秋の夕暮
良暹法師
後拾遺集秋上333
71ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく
夕されば 門田の稲葉 おとづれて あしのまろやに 秋風ぞ吹く
大納言経信
金葉集秋183
72おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
音に聞く 高師の濱の あだ浪は かけじや袖の ぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
金葉集恋下501
73たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
権中納言匡房
後拾遺集春上120
74うかりける ひとをはつせの やまおろし はげしかれとは いのらぬものを
うかりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを
源俊頼朝臣
千載集恋二707
75ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり
契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋も去ぬめり
藤原基俊
千載集雑上1023
76わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白浪
法性寺入道前関白太政大臣
詞花集雑下380
77せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
瀬を早み 岩にせかるる 瀧川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
崇徳院
詞花集恋上228
78あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いくよ寝覚めぬ 須磨の関守
源兼昌
金葉集冬288
79あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
秋風に たなびく雲の 絶間より もれ出づる月の 影のさやけさ
左京大夫顕輔
新古今集秋上413
80ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ
ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
待賢門院堀河
千載集恋三801
81ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる
後徳大寺左大臣
千載集夏161
82おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
道因法師
千載集恋三817
83よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる
皇太后宮大夫俊成
千載集雑中1148
84ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき
ながらへば また此の頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は戀しき
藤原清輔朝臣
新古今集雑下1843
85よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
俊恵法師
千載集恋二765
86なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな
嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
西行法師
千載集恋五926
87むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ
村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮
寂蓮法師
新古今集秋下491
88なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき
難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 戀ひわたるべき
皇嘉門院別当
千載集恋三806
89たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よはりもぞする
玉の緒よ たえなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
式子内親王
新古今集恋一1034
90みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず
殷富門院大輔
千載集恋四884
91きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき 獨りかも寝む
後京極摂政前太政大臣
新古今集秋下518
92わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし
二条院讃岐
千載集恋二759
93よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
世の中は 常にもがもな 渚こぐ 海士の小舟の 綱手かなしも
鎌倉右大臣
新勅撰集羇旅525
94みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
みよし野の 山の秋風 小夜更けて 故郷寒く 衣うつなり
参議雅経
新古今集秋下483
95おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
おほけなく うき世の民に おほふかな 我が立つ杣に 墨染の袖
前大僧正慈圓
千載集雑中1134
96はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり
入道前太政大臣
新勅撰集雑一1052
97こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
権中納言定家
新勅撰集恋三849
98かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
風そよぐ 楢の小川の 夕ぐれは みそぎぞ夏の しるしなりける
従二位家隆
新勅撰集夏192
99ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は
後鳥羽院
続後撰集雑中1199
100ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
順徳院
続後撰集雑下1202
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