小野小町 百人一首の意味と解説「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」

スポンサーリンク

八代古今後撰拾遺後拾遺金葉詞花千載新古今百人一首六歌仙三十六歌仙枕詞動詞光る君へ

小倉百人一首、9番札についての説明ページです。読み札(絵札)は「フリガナ付き」、取り札は「ひらがな書き」の共に縦書き。縦横比率も実物そっくりの札で百人一首を紹介します。品詞分解も大きな字と縦書きで読みやすく。

スポンサーリンク

百人一首 9番 「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」

美貌も時の流れには逆らえず…。

作者 小野小町について

  • 「おののこまち」、六歌仙、三十六歌仙、女房三十六歌仙。
  • 生没不明。
  • 百人一首に撰ばれた歌からもわかるとおり、美人であったと伝わる。

小野小町の他の作品をみる

歌の解説

古今集春下113

小野小町おののこまち
はないろ
うつりにけりな
いたづらに
身世みよにふる
ながめせしまに
わかみよにふるなかめせしまに
  • ひらがな:はなのいろは うつりにけりな いたつらに わかみよにふる なかめせしまに
  • 現代仮名遣い(読み方)はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
  • 漢字書き:花の色は うつりにけりな 徒に わが身世にふる ながめせし間に
  • 現代語訳:春の花も長雨の間に色あせてしまった、私も物思いにふけっているうちに色あせてしまったのです。。
  • 意味と解説:花の色が褪せてしまった姿に、自分自身を重ねている。花とは桜に限らない。古今集で春の花といえば、梅、桜などを指すが、この歌ではそれ以外も含めた春の花々全般であろう。
  • 色は単純な色という意味にとどまらず、顔色や表情といった意味も持つ。
  • 花が桜に限定されない根拠について:古今集における四季の歌は時系列で並んでいる。春歌において桜の歌は49~89である。89は紀貫之の「さくら花ちりぬる風のなごりには水なきそらに波ぞたちける」であり、89で桜は散っているのである。90以後は単に花が描かれていることからも、113番であるこの歌が、桜に限定されないことを古今撰者の貫之が意識していたと分かる。119から藤などが詠われる。
  • この歌はおそらく、特定の、具体的な花ではなく、春の花々を全体として観念的に捉えた歌ではなかろうか。
  • 平安、奈良の人々が桜と梅の花しか詠わないとは到底考えられません。古今の花を桜と断定する解説(特に学生向け参考書)には苦言を呈したい。
  • 101番「咲く花は ちぐさながらに あだなれど 誰かは春を うらみはてたる」の意は大まかに「美しく咲く花は種類も多く、はかない。しかし、はかないといって誰が恨むであろう。」であるが、この歌からも古今集における「花」が梅と桜に限らないことが分かる。
  • 「身世」ではなく、「身」と「世」で別の名詞です。読む際には注意してください。

品詞分解

二句切れ、掛詞(古る降る眺め長雨)、倒置法(ながめせし間に、わが身世にふる)

格助係助うつりラ四(連用)完了助動(連用)けり過去助動(終止)終助いたづらにナリ形動(連用)
格助格助ふるハ下二(連体)ながめせサ変(未然)過去助動(連体)格助

競技カルタ攻略

  • 百人一首としては、「は」始まりが4札、「はな」が2枚の二枚札となり、三字決まりである。
      はなの→わかみよ
      はなのいろは うつりにけりな → わかみよにふる なかめせしまに

      百人一首 言の葉データベース

      札番下の句(取り札)よみ人
      1
      解説
      あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
      秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
      #後撰集秋 #天皇
      わかころもてはつゆにぬれつつ
      天智天皇
      2
      解説
      はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
      春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
      #奈良県橿原市 #新古今集夏 #二句切れ #枕詞 #体言止め #天皇 #女流歌人
      ころもほすてふあまのかくやま
      持統天皇
      3
      解説
      あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
      あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ
      #拾遺集恋 #枕詞 #序詞 #係り結び
      なかなかしよをひとりかもねむ
      柿本人麿
      4
      解説
      たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
      田子の浦に 打出でてみれば 白妙の ふじの高嶺に 雪は降りつつ
      #静岡県静岡市清水区由比 #新古今集冬 #枕詞
      ふしのたかねにゆきはふりつつ
      山部赤人
      5
      解説
      おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
      奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
      #古今集秋 #係り結び
      こゑきくときそあきはかなしき
      猿丸太夫
      6
      解説
      かさゝぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
      かさゝぎの 渡せる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞふけにける
      #新古今集冬 #見立て #係り結び
      しろきをみれはよそふけにける
      中納言家持
      大伴家持
      7
      解説
      あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
      天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも
      #古今集羇旅
      みかさのやまにいてしつきかも
      阿倍仲麿
      8
      解説
      わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
      わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
      #古今集雑 #三句切れ #掛詞 #係り結び #京都府宇治市
      よをうちやまとひとはいふなり
      喜撰法師
      9
      解説
      はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
      花の色は 移りにけりな 徒に 我が身世にふる ながめせしまに
      #古今集春 #二句切れ #掛詞 #倒置法 #女流歌人
      わかみよにふるなかめせしまに
      小野小町
      10
      解説
      これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
      これや此の 行くも帰るも 別かれては 知るも知らぬも 逢坂の関
      #滋賀県大津市 #後撰集雑 #掛詞 #体言止め
      しるもしらぬもあふさかのせき
      蝉丸
      11
      解説
      わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
      わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人にはつげよ 海人の釣舟
      #古今集羇旅 #四句切 #擬人法 #体言止め
      ひとにはつけよあまのつりふね
      参議篁
      小野篁
      12
      解説
      あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
      天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ をとめの姿 しばし留めむ
      #古今集雑 #三句切れ #見立て
      をとめのすかたしはしととめむ
      僧正遍昭
      13
      解説
      つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
      筑波嶺の 峯より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
      #茨城県つくば市 #後撰集恋 #序詞 #係り結び #天皇
      こひそつもりてふちとなりぬる
      陽成院
      14
      解説
      みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
      陸奥の しのぶもぢずり 誰故に みだれ初めにし 我ならなくに
      #福島県福島市 #古今集恋 #四句切れ #序詞 #縁語 #倒置法 #掛詞
      みたれそめにしわれならなくに
      河原左大臣
      源融
      15
      解説
      きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
      君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ
      #古今集春上 #天皇
      わかころもてにゆきはふりつつ
      光孝天皇
      16
      解説
      たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
      立ち別れ いなばの山の 嶺におふる まつとし聞かば 今帰り来む
      #鳥取県鳥取市 #古今集離別 #掛詞 #序詞
      まつとしきかはいまかへりこむ
      中納言行平
      在原行平
      17
      解説
      ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
      ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 唐紅に 水くくるとは
      #古今集秋 #二句切れ #枕詞 #擬人法 #見立て #倒置法 #奈良県生駒郡斑鳩町
      からくれなゐにみつくくるとは
      在原業平朝臣
      18
      解説
      すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
      住の江の 岸に寄る浪 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
      #大阪府大阪市住吉区 #古今集恋 #序詞 #係り結び
      ゆめのかよひちひとめよくらむ
      藤原敏行朝臣
      19
      解説
      なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
      難波潟 短き葦の ふしのまも あはで此の世を すぐしてよとや
      #大阪府大阪市 #新古今集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人
      あはてこのよをすくしてよとや
      伊勢
      20
      解説
      わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
      侘びぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
      #大阪府大阪市 #後撰集恋 #二句切れ #掛詞 #係り結び
      みをつくしてもあはむとそおもふ
      元良親王
      21
      解説
      いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
      今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
      #古今集恋
      ありあけのつきをまちいてつるかな
      素性法師
      22
      解説
      ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
      吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
      #古今集秋 #掛詞
      むへやまかせをあらしといふらむ
      文屋康秀
      23
      解説
      つきみれば ちゞにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
      月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
      #古今集秋 #三句切れ #倒置法 #係り結び
      わかみひとつのあきにはあらねと
      大江千里
      24
      解説
      このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
      このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
      #古今集羇旅 #二句切れ #見立て
      もみちのにしきかみのまにまに
      菅家
      藤原道真
      25
      解説
      なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
      名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな
      #後撰集恋 #掛詞 #縁語 #滋賀県大津市
      ひとにしられてくるよしもかな
      三条右大臣
      藤原定方
      26
      解説
      をぐらやま みねのもみぢば こゝろあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
      小倉山 峯の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
      #京都府京都市右京区 #擬人法 #拾遺集秋
      いまひとたひのみゆきまたなむ
      貞信公
      藤原忠平
      27
      解説
      みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
      みかの原 わきて流るる 泉川 いつみきとてか 恋しかるらむ
      #新古今集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #京都府木津川市
      いつみきとてかこひしかるらむ
      中納言兼輔
      藤原兼輔
      28
      解説
      やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
      山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
      #古今集冬 #三句切れ #掛詞 #倒置法 #係り結び
      ひとめもくさもかれぬとおもへは
      源宗于朝臣
      29
      解説
      こゝろあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
      心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
      #古今集秋 #二句切れ #倒置法 #体言止め #係り結び
      おきまとはせるしらきくのはな
      凡河内躬恒
      30
      解説
      ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
      有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
      #古今集恋
      あかつきはかりうきものはなし
      壬生忠岑
      31
      解説
      あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
      朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
      #古今集冬 #奈良県吉野郡吉野町 #体言止め
      よしののさとにふれるしらゆき
      坂上是則
      32
      解説
      やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
      山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
      #古今集秋 #擬人法 #見立て
      なかれもあへぬもみちなりけり
      春道列樹
      33
      解説
      ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづごころなく はなのちるらむ
      ひさかたの 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ
      #古今集春 #枕詞 #擬人法
      しつこころなくはなのちるらむ
      紀友則
      34
      解説
      たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
      誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
      #古今集雑上 #兵庫県高砂市 #二句切れ #倒置法 #係り結び
      まつもむかしのともならなくに
      藤原興風
      35
      解説
      ひとはいさ こゝろもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
      人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
      #古今集春 #二句切れ #係り結び
      はなそむかしのかににほひける
      紀貫之
      36
      解説
      なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
      夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
      #古今集夏 #擬人法
      くものいつこにつきやとるらむ
      清原深養父
      37
      解説
      しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
      白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
      #後撰集秋 #見立て #係り結び
      つらぬきとめぬたまそちりける
      文屋朝康
      38
      解説
      わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
      忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
      #拾遺集恋 #二句切れ #女流歌人
      ひとのいのちのをしくもあるかな
      右近
      39
      解説
      あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
      浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
      #後撰集恋 #序詞 #係り結び
      あまりてなとかひとのこひしき
      参議等
      源等
      40
      解説
      しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
      しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
      #拾遺集恋 #二句切れ #倒置法 #係り結び
      ものやおもふとひとのとふまて
      平兼盛
      41
      解説
      こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか
      恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
      #拾遺集恋一 #三句切れ #倒置法 #係り結び
      ひとしれすこそおもひそめしか
      壬生忠見
      42
      解説
      ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは
      契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪こさじとは
      #後拾遺集恋四 #初句切れ #倒置法 #歌枕 #本歌取り #宮城県多賀城市
      すゑのまつやまなみこさしとは
      清原元輔
      43
      解説
      あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり
      逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
      #拾遺集恋二
      むかしはものをおもはさりけり
      権中納言敦忠
      藤原淳忠
      44
      解説
      あふことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
      逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
      #拾遺集恋一
      ひとをもみをもうらみさらまし
      中納言朝忠
      藤原朝忠
      45
      解説
      あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな
      哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
      #拾遺集恋五
      みのいたつらになりぬへきかな
      謙徳公
      藤原伊尹
      46
      解説
      ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
      由良の門を わたる舟人 梶をたえ 行方もしらぬ 恋の道かな
      #京都府宮津市 #新古今集恋一 #序詞 #縁語
      ゆくへもしらぬこひのみちかな
      曽根好忠
      47
      解説
      やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
      八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
      #拾遺集 #係り結び
      ひとこそみえねあきはきにけり
      恵慶法師
      48
      解説
      かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
      風をいたみ 岩うつ浪の おのれのみ 砕けてものを 思ふ頃かな
      #詞花集恋上 #序詞
      くたけてものをおもふころかな
      源重之
      49
      解説
      みかきもり ゑじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ
      御垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ ものをこそ思へ
      #詞花集恋上 #序詞 #係り結び
      ひるはきえつつものをこそおもへ
      大中臣能宣朝臣
      50
      解説
      きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
      君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
      #後拾遺集恋
      なかくもかなとおもひけるかな
      藤原義孝
      51
      解説
      かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを
      かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
      #滋賀県米原市 #後拾遺集恋一 #四句切れ #序詞 #掛詞 #縁語 #倒置法
      さしもしらしなもゆるおもひを
      藤原実方朝臣
      52
      解説
      あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな
      明けぬれば くるるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
      #後拾遺集恋
      なほうらめしきあさほらけかな
      藤原道信朝臣
      53
      解説
      なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
      嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る
      #拾遺集恋四 #係り結び #女流歌人
      いかにひさしきものとかはしる
      右大将道綱母
      54
      解説
      わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな
      忘れじの 行末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな
      #新古今集恋三 #女流歌人
      けふをかきりのいのちともかな
      儀同三司母
      55
      解説
      たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
      瀧の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ
      # 京都府京都市右京区 #千載集雑上 #縁語 #掛詞 #係り結び
      なこそなかれてなほきこえけれ
      大納言公任
      藤原公任
      56
      解説
      あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな
      あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
      #後拾遺集恋三 #女流歌人
      いまひとたひのあふこともかな
      和泉式部
      57
      解説
      めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな
      めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
      #新古今集雑 #縁語 #係り結び #女流歌人
      くもかくれにしよはのつきかな
      紫式部
      58
      解説
      ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
      有馬山 猪名のささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
      #兵庫県神戸市北区 #後拾遺集恋二 #序詞 #掛詞 #係り結び #女流歌人
      いてそよひとをわすれやはする
      大弐三位
      59
      解説
      やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
      やすらはで 寝なましものを 小夜更けて 傾くまでの 月を見しかな
      #後拾遺集恋二 #女流歌人
      かたふくまてのつきをみしかな
      赤染衛門
      60
      解説
      おほえやま いくののみちの とほければ まだふみもみず あまのはしだて
      大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
      #京都府宮津市 #京都府福知山市 #金葉集雑 #掛詞 #縁語 #倒置法 #体言止め #女流歌人
      またふみもみすあまのはしたて
      小式部内侍
      61
      解説
      いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな
      古への 奈良の都の 八重ざくら 今日九重に 匂ひぬるかな
      #詞花集春 #女流歌人
      けふここのへににほひぬるかな
      伊勢大輔
      62
      解説
      よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ
      夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも 世に逢坂の 関はゆるさじ
      #後拾遺集雑 #掛詞 #滋賀県大津市 #女流歌人
      よにあふさかのせきはゆるさし
      清少納言
      63
      解説
      いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな
      今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
      #後拾遺集恋三
      ひとつてならていふよしもかな
      左京大夫道雅
      藤原道雅
      64
      解説
      あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
      朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木
      #京都府宇治市 #千載集冬 #体言止め
      あらはれわたるせせのあしろき
      権中納言定頼
      藤原定頼
      65
      解説
      うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ
      恨み侘び ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
      #後拾遺集恋四 #係り結び #女流歌人
      こひにくちなむなこそをしけれ
      相模
      66
      解説
      もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし
      諸共に あはれと思へ 山ざくら 花よりほかに 知る人もなし
      #金葉集雑上 #三句切れ #擬人法 #奈良県吉野郡天川村
      はなよりほかにしるひともなし
      前大僧正行尊
      67
      解説
      はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ
      春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
      #千載集雑上 #掛詞 #係り結び #女流歌人
      かひなくたたむなこそをしけれ
      周防内侍
      68
      解説
      こゝろにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
      心にも あらで憂世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
      #後拾遺集雑一 #天皇
      こひしかるへきよはのつきかな
      三条院
      69
      解説
      あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり
      嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
      #後拾遺集秋 #見立て #歌枕 #本歌取り #奈良県生駒郡斑鳩町
      たつたのかはのにしきなりけり
      能因法師
      70
      解説
      さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ
      寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづくも同じ 秋の夕暮れ
      #後拾遺集秋上 #体言止め
      いつくもおなしあきのゆふくれ
      良暹法師
      71
      解説
      ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく
      夕されば 門田の稲葉 おとづれて あしのまろやに 秋風ぞ吹く
      #金葉集秋 #係り結び #京都府京都市右京区
      あしのまろやにあきかせそふく
      大納言経信
      源経信
      72
      解説
      おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
      音に聞く 高師の浜の あだ浪は かけじや袖の ぬれもこそすれ
      #金葉集恋下 #四句切れ #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人 #大阪府堺市
      かけしやそてのぬれもこそすれ
      祐子内親王家紀伊
      73
      解説
      たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ
      高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
      #後拾遺集春上 #三句切れ
      とやまのかすみたたすもあらなむ
      権中納言匡房
      大江匡房
      74
      解説
      うかりける ひとをはつせの やまおろし はげしかれとは いのらぬものを
      うかりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを
      #千載集恋二 #擬人法
      はけしかれとはいのらぬものを
      源俊頼朝臣
      75
      解説
      ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり
      契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋も去ぬめり
      #千載集雑上 #縁語
      あはれことしのあきもいぬめり
      藤原基俊
      76
      解説
      わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
      わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白浪
      #詞花集雑 #枕詞 #体言止め
      くもゐにまかふおきつしらなみ
      法性寺入道前関白太政大臣
      藤原忠通
      77
      解説
      せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
      瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
      #詞花集恋 #序詞 #係り結び #天皇
      われてもすゑにあはむとそおもふ
      崇徳院
      78
      解説
      あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり
      淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
      #兵庫県神戸市 #金葉集冬 #四句切れ #倒置法 #体言止め
      いくよねさめぬすまのせきもり
      源兼昌
      79
      解説
      あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
      秋風に たなびく雲の 絶間より もれ出づる月の 影のさやけさ
      #新古今集秋上 #体言止め
      もれいつるつきのかけのさやけさ
      左京大夫顕輔
      藤原顕輔
      80
      解説
      ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ
      ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
      #千載集恋三 #縁語 #係り結び #女流歌人
      みたれてけさはものをこそおもへ
      待賢門院堀河
      81
      解説
      ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
      ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる
      #千載集夏 #係り結び
      たたありあけのつきそのこれる
      後徳大寺左大臣
      藤原実定
      82
      解説
      おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
      思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
      #千載集恋三
      うきにたへぬはなみたなりけり
      道因法師
      83
      解説
      よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる
      世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
      #千載集雑中 #二句切れ #係り結び
      やまのおくにもしかそなくなる
      皇太后宮大夫俊成
      84
      解説
      ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき
      ながらへば また此の頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
      #新古今集雑下 #三句切れ #係り結び
      うしとみしよそいまはこひしき
      藤原清輔朝臣
      85
      解説
      よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
      夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
      #千載集恋二
      ねやのひまさへつれなかりけり
      俊恵法師
      86
      解説
      なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな
      嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
      #千載集恋五 #三句切れ #擬人法 #係り結び
      かこちかほなるわかなみたかな
      西行法師
      87
      解説
      むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ
      村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
      #新古今集秋下 #体言止め
      きりたちのほるあきのゆふくれ
      寂蓮法師
      88
      解説
      なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき
      難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
      #千載集恋三 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人 #大阪府大阪市
      みをつくしてやこひわたるへき
      皇嘉門院別当
      89
      解説
      たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よはりもぞする
      玉の緒よ たえなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
      #新古今集恋一 #二句切れ #縁語 #係り結び #女流歌人
      しのふることのよはりもそする
      式子内親王
      90
      解説
      みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
      見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず
      #宮城県松島町 #千載集恋四 #初句切れ #四句切れ #本歌取り #係り結び #女流歌人
      ぬれにそぬれしいろはかはらす
      殷富門院大輔
      91
      解説
      きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
      きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
      #新古今集秋 #掛詞 #本歌取り #係り結び
      ころもかたしきひとりかもねむ
      後京極摂政前太政大臣
      藤原(九条)良経
      92
      解説
      わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
      わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし
      #千載集恋二 #序詞 #本歌取り #係り結び #女流歌人
      ひとこそしらねかわくまもなし
      二条院讃岐
      93
      解説
      よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
      世の中は 常にもがもな 渚こぐ 海人の小舟の 綱手かなしも
      #新勅撰集羇旅 #二句切れ #本歌取り
      あまのをふねのつなてかなしも
      鎌倉右大臣
      源実朝
      94
      解説
      みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
      み吉野の 山の秋風 小夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり
      #新古今集秋 #奈良県吉野町 #本歌取り
      ふるさとさむくころもうつなり
      参議雅経
      藤原雅経
      95
      解説
      おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
      おほけなく うき世の民に おほふかな 我が立つ杣に 墨染の袖
      #千載集雑中 #三句切れ #掛詞 #縁語 #本歌取り #倒置法 #体言止め #滋賀県大津市
      わかたつそまにすみそめのそて
      前大僧正慈圓
      96
      解説
      はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
      花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり
      #新勅撰集雑一 #掛詞 #擬人法 #見立て
      ふりゆくものはわかみなりけり
      入道前太政大臣
      藤原公経
      97
      解説
      こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
      来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
      #新勅撰集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #本歌取り #兵庫県淡路市
      やくやもしほのみもこかれつつ
      権中納言定家
      藤原定家
      98
      解説
      かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
      風そよぐ 楢の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
      #新勅撰集夏 #掛詞 #本歌取り #係り結び #京都府京都市北区
      みそきそなつのしるしなりける
      従二位家隆
      藤原家隆
      99
      解説
      ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
      人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は
      #続後撰集雑中 #二句切れ #倒置法 #天皇
      よをおもふゆゑにものおもふみは
      後鳥羽院
      100
      解説
      ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
      百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
      #続後撰集雑下 #掛詞 #天皇
      なほあまりあるむかしなりけり
      順徳院