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詞花和歌集(国立国会図書館臓)
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詞花和歌集のデータベース

詞花和歌集とは

  • 六番目の勅撰和歌集であり、崇徳院(崇徳天皇)によって下命され、撰者は藤原顕輔ふじわらのあきすけ
  • 1151年頃に完成となった。

詞花和歌集の構成

恋上 恋下 雑上 雑下
50 31 59 20 11 15 46 39 76 68
% 12 7.4 14.2 4.8 2.6 3.6 11 9.3 18.3 16.3
  • 巻十から成り、全415首

詞花和歌集 言の葉データベース

「かな」は原文と同様に濁点を付けておりませんので、例えば「郭公(ほととぎす)」を検索したいときは、「ほとときす」と入力してください。

歌番号よみ人
1こほりゐし志賀の唐崎うちとけてさざ波よする春風ぞふく
こほりゐししかのからさきうちとけてささなみよするはるかせそふく
大江匡房
2きのふかも霰ふりしは信楽の外山のかすみ春めきにけり
きのふかもあられふりしはしからきのとやまのかすみはるめきにけり
藤原惟成
3ふるさとは春めきにけりみ吉野の御垣が原をかすみこめたり
ふるさとははるめきにけりみよしののみかきかはらをかすみこめたり
平兼盛
4たまさかにわが待ちえたるうぐひすの初音をあやな人やきくらむ
たまさかにわかまちえたるうくひすのはつねをあやなひとやきくらむ
道命法師
5雪きえばゑぐの若菜もつむべきに春さへはれぬ深山辺の里
ゆききえはゑくのわかなもつむへきにはるさへはれぬみやまへのさと
曾禰好忠
6春日野に朝なく雉のはねおとは雪のきえまに若菜つめとや
かすかのにあさなくきしのはねおとはゆきのきえまにわかなつめとや
源重之
7よろづよのためしに君が引かるれば子の日の松もうらやみやせむ
よろつよのためしにきみかひかるれはねのひのまつもうらやみやせむ
赤染衛門
8子の日すと春の野ごとにたづぬれば松にひかるるここちこそすれ
ねのひすとはるののことにたつぬれはまつにひかるるここちこそすれ
崇徳院
9吹きくれば香をなつかしみ梅の花ちらさぬほどの春風もがな
ふきくれはかをなつかしみうめのはなちらさぬほとのはるかせもかな
源時綱
10梅の花にほひを道のしるべにてあるじもしらぬ宿にきにけり
うめのはなにほひをみちのしるへにてあるしもしらぬやとにきにけり
三条公行
11とりつなぐ人もなき野の春駒はかすみにのみやたなびかるらむ
とりつなくひともなきののはるこまはかすみにのみやたなひかるらむ
藤原盛経
12真菰草つのぐみわたる澤邊にはつながぬ駒もはなれざりけり
まこもくさつのくみわたるさはへにはつなかぬこまもはなれさりけり
俊恵法師
13萌えいづる草葉のみかは小笠原駒のけしきも春めきにけり
もえいつるくさはのみかはをかさはらこまのけしきもはるめきにけり
僧都覚雅
14佐保姫の糸そめかくる青柳をふきなみだりそ春のやまかぜ
さほひめのいとそめかくるあをやきをふきなみたりそはるのやまかせ
平兼盛
15いかなればこほりはとくる春風に結ぼほるらむ青柳の糸
いかなれはこほりはとくるはるかせにむすほほるらむあをやきのいと
源季遠
16ふるさとの御垣の柳はるばるとたが染めかけし浅緑ぞも
ふるさとのみかきのやなきはるはるとたかそめかけしあさみとりそも
源道済
17深山木のそのこずゑとも見えざりし櫻は花にあらはれにけり
みやまきのそのこすゑともみえさりしさくらははなにあらはれにけり
源頼政
18くれなゐの薄花櫻にほはずはみな白雲とみてや過ぎまし
くれなゐのうすはなさくらにほはすはみなしらくもとみてやすきまし
康資王母
19白雲はたちへだつれどくれなゐの薄花櫻こころにぞ染む
しらくもはたちへたつれとくれなゐのうすはなさくらこころにそそむ
藤原師実
20白雲はさも立たばたてくれなゐのいまひとしほを君し染むれば
しらくもはさもたたはたてくれなゐのいまひとしほをきみしそむれは
康資王母
21朝まだき霞なこめそ山櫻たづねゆくまのよそめにもみむ
あさまたきかすみなこめそやまさくらたつねゆくまのよそめにもみむ
祐子内親王家紀伊
22白雲とみゆるにしるしみ吉野の吉野の山の花ざかりかも
しらくもとみゆるにしるしみよしののよしののやまのはなさかりかも
大江匡房
23山櫻をしむにとまるものならは花は春ともかぎらざらまし
やまさくらをしむにとまるものならははなははるともかきらさらまし
藤原公実
24九重に立つ白雲と見えつるは大内山の櫻なりけり
ここのへにたつしらくもとみえつるはおほうちやまのさくらなりけり
前斎院出雲
25春ごとに心をそらになすものは雲ゐにみゆるさくらなりけり
はることにこころをそらになすものはくもゐにみゆるさくらなりけり
戒秀法師
26白河の春のこずゑをみわたせば松こそ花の絶え間なりけれ
しらかはのはるのこすゑをみわたせはまつこそはなのたえまなりけれ
源俊頼
27春くれば花のこずゑに誘はれていたらぬ里のなかりつるかな
はるくれははなのこすゑにさそはれていたらぬさとのなかりつるかな
白河院
28池水のみぎはならずはさくらばな影をも波にをられましやは
いけみつのみきはならすはさくらはなかけをもなみにをられましやは
源師賢
29いにしへの奈良のみやこの八重ざくらけふ九重ににほひぬるかな
いにしへのならのみやこのやへさくらけふここのへににほひぬるかな
伊勢大輔
30ふるさとにとふ人あらば山ざくら散りなむのちを待てとこたへよ
ふるさとにとふひとあらはやまさくらちりなむのちをまてとこたへよ
藤原教長
31さくら花てごとにをりて帰るをば春のゆくとや人はみるらむ
さくらはなてことにをりてかへるをははるのゆくとやひとはみるらむ
源登平
32春ごとに見る花なれど今年より咲きはじめたる心地こそすれ
はることにみるはななれとことしよりさきはしめたるここちこそすれ
道命法師
33ふるさとの花のにほひやまさるらむしづ心なく帰る雁かな
ふるさとのはなのにほひやまさるらむしつこころなくかへるかりかな
藤原長実
34なかなかに散るをみじとや思ふらむ花のさかりに帰る雁がね
なかなかにちるをみしとやおもふらむはなのさかりにかへるかりかね
源忠季
35さくら花ちらさでちよも見てしがなあかぬこころはさてもありやと
さくらはなちらさてちよもみてしかなあかぬこころはさてもありやと
藤原元真
36さくら花かぜにし散らぬものならば思ふことなき春にぞあらまし
さくらはなかせにしちらぬものならはおもふことなきはるにそあらまし
大中臣能宣
37さくら花ちりしく庭をはらはねば消えせぬ雪となりにけるかな
さくらはなちりしくにはをはらはねはきえせぬゆきとなりにけるかな
摂津
38掃く人もなきふるさとの庭の面は花ちりてこそみるべかりけれ
はくひともなきふるさとのにはのおもははなちりてこそみるへかりけれ
源俊頼
39さくらさく木の下水は浅けれど散りしく花の淵とこそなれ
さくらさくこのしたみつはあさけれとちりしくはなのふちとこそなれ
源師賢
40散る花もあはれとみずや石の上ふりはつるまで惜しむこころを
ちるはなもあはれとみすやいそのかみふりはつるまてをしむこころを
藤原範永
41我が宿の櫻なれども散るときは心にえこそまかせざりけれ
わかやとのさくらなれともちるときはこころにえこそまかせさりけれ
花山院
42身にかへて惜しむにとまる花ならば今日や我が世の限りならまし
みにかへてをしむにとまるはなならはけふやわかよのかきりならまし
源俊頼
43庭もせに積もれる雪と見えながら香るぞ花のしるしなりける
にはもせにつもれるゆきとみえなからかをるそはなのしるしなりける
源有仁
44散る花にせきとめらるる山川の深くも春のなりにけるかな
ちるはなにせきとめらるるやまかはのふかくもはるのなりにけるかな
大中臣能宣
45一重だにあかぬ匂ひをいとどしく八重かさなれる山吹のはな
ひとへたにあかぬにほひをいととしくやへかさなれるやまふきのはな
藤原長能
46八重さけるかひこそなけれ山吹の散らば一重もあらじとおもへは
やへさけるかひこそなけれやまふきのちらはひとへもあらしとおもへは
読人知らず
47こぬ人をまちかね山の呼子鳥おなじこころにあはれとぞきく
こぬひとをまちかねやまのよふことりおなしこころにあはれとそきく
太皇太后宮家肥後
48咲きしより散りはつるまで見しほどに花のもとにて二十日へにけり
さきしよりちりはつるまてみしほとにはなのもとにてはつかへにけり
藤原忠通
49老いてこそ春の惜しさはまさりけれ今いくたびも逢はじと思へば
おいてこそはるのをしさはまさりけれいまいくたひもあはしとおもへは
橘俊成
50惜しむとてこよひかきおく言の葉やあやなく春のかたみなるべき
をしむとてこよひかきおくことのはやあやなくはるのかたみなるへき
崇徳院
51けふよりはたつ夏衣うすくともあつしとのみやおもひわたらむ
けふよりはたつなつころもうすくともあつしとのみやおもひわたらむ
増基法師
52雪の色をぬすみて咲ける卯の花はさえでや人にうたがはるらむ
ゆきのいろをぬすみてさけるうのはなはさえてやひとにうたかはるらむ
源俊頼
53年をへてかけし葵はかはらねど今日のかざしはめづらしきかな
としをへてかけしあふひはかはらねとけふのかさしはめつらしきかな
藤原長房
54榊とる夏の山路やとほからむゆふかけてのみまつる神かな
さかきとるなつのやまちやとほからむゆふかけてのみまつるかみかな
源兼昌
55むかしにもあらぬわが身にほととぎす待つこころこそ変らざりけれ
むかしにもあらぬわかみにほとときすまつこころこそかはらさりけれ
周防内侍
56ほととぎす鳴く音ならでは世の中に待つこともなきわが身なりけり
ほとときすなくねならてはよのなかにまつこともなきわかみなりけり
藤原忠兼
57今年だにまつ初こゑをほととぎす世にはふるさで我にきかせよ
ことしたにまつはつこゑをほとときすよにはふるさてわれにきかせよ
花山院
58山里のかひこそなけれほととぎす都の人もかくや待つらむ
やまさとのかひこそなけれほとときすみやこのひともかくやまつらむ
道命法師
59山彦のこたふる山のほととぎす一こゑなけは二こゑぞきく
やまひこのこたふるやまのほとときすひとこゑなけはふたこゑそきく
能因法師
60ほととぎすあかつきかけて鳴くこゑを待たぬ寝覚の人やきくらむ
ほとときすあかつきかけてなくこゑをまたぬねさめのひとやきくらむ
藤原伊家
61待つ人は寝る夜もなきをほととぎす鳴く音は夢のここちこそすれ
まつひとはぬるよもなきをほとときすなくねはゆめのここちこそすれ
藤原実綱
62鳴きつとも誰にかいはむほととぎす影よりほかに人しなければ
なきつともたれにかいはむほとときすかけよりほかにひとしなけれは
源俊頼
63昆陽の池におふるあやめのながき根はひく白糸の心地こそすれ
こやのいけにおふるあやめのなかきねはひくしらいとのここちこそすれ
待賢門院堀河
64よもすがらたたく水鶏は天の戸をあけてのちこそ音せざりけれ
よもすからたたくくひなはあまのとをあけてのちこそおとせさりけれ
源頼家
65さみだれの日をふるままに鈴鹿川八十瀬の波ぞこゑまさるなる
さみたれのひをふるままにすすかかはやそせのなみそこゑまさるなる
皇嘉門院治部卿源盛子
66わぎもこが昆陽の篠屋のさみだれにいかでほすらむ夏引の糸
わきもこかこやのしのやのさみたれにいかてほすらむなつひきのいと
大江匡房
67さみだれに難波堀江のみをつくしみえぬや水のまさるなるらむ
さみたれになにはほりえのみをつくしみえぬやみつのまさるなるらむ
源忠季
68藻鹽やく須磨の浦人うちたえていとひやすらむさみだれの空
もしほやくすまのうらひとうちたえていとひやすらむさみたれのそら
藤原通俊
69さつきやみ花たちばなに吹く風はたが里までかにほひゆくらむ
さつきやみはなたちはなにふくかせはたかさとまてかにほひゆくらむ
良暹法師
70宿ちかく花たちばなはほりうゑじむかしをしのぶつまとなりけり
やとちかくはなたちはなはほりうゑしむかしをしのふつまとなりけり
花山院
71うすくこく垣ほににほふ撫子の花のいろにぞ露も置きける
うすくこくかきほににほふなてしこのはなのいろにそつゆもおきける
藤原経衡
72種まきし我が撫子の花ざかりいく朝露の置きてみつらむ
たねまきしわかなてしこのはなさかりいくあさつゆのおきてみつらむ
藤原顕季
73なくこゑもきこえぬもののかなしきは忍びに燃ゆる蛍なりけり
なくこゑもきこえぬもののかなしきはしのひにもゆるほたるなりけり
大弐高遠
74さつきやみ鵜川にともす篝火の數ますものは蛍なりけり
さつきやみうかはにともすかかりひのかすますものはほたるなりけり
読人知らず
75風ふけば川邊すずしく寄る波のたちかへるべき心地こそせね
かせふけはかはへすすしくよるなみのたちかへるへきここちこそせね
藤原家経
76杣川の筏の床のうきまくら夏は涼しきふしどなりけり
そまかはのいかたのとこのうきまくらなつはすすしきふしとなりけり
曾禰好忠
77待つほどに夏の夜いたく更けぬれば惜しみもあへぬ山の端の月
まつほとになつのよいたくふけぬれはをしみもあへぬやまのはのつき
源道済
78川上に夕立すらし水屑せく梁瀬のさ波たちさはぐなり
かはかみにゆふたちすらしみくつせくやなせのさなみたちさわくなり
曾禰好忠
79つねよりも嘆きやすらむたなばたは逢はまし暮をよそにながめて
つねよりもなけきやすらむたなはたはあはましくれをよそになかめて
太皇大后宮大弐
80したもみぢひと葉づつ散る木のしたに秋とおぼゆる蝉のこゑかな
したもみちひとはつつちるこのしたにあきとおほゆるせみのこゑかな
相模
81蟲の音もまだうちとけぬ草むらに秋をかねても結ぶ露かな
むしのねもまたうちとけぬくさむらにあきをかねてもむすふつゆかな
曾禰好忠
82山城の鳥羽田の面をみわたせばほのかに今朝ぞ秋風はふく
やましろのとはたのおもをみわたせはほのかにけさそあきかせはふく
曾禰好忠
83君すまばとはましものを津の國の生田の森の秋のはつかぜ
きみすまはとはましものをつのくにのいくたのもりのあきのはつかせ
僧都清胤
84おぎの葉にすがく糸をもささがにはたなばたにとやけさは引くらむ
はきのはにすかくいとをもささかにはたなはたにとやけさはひくらむ
橘元任
85たなばたに衣もぬぎてかすべきにゆゆしとやみむ墨染の袖
たなはたにころももぬきてかすへきにゆゆしとやみむすみそめのそて
花山院
86たなはたに心は貸すと思はねど暮れゆく空はうれしかりけり
たなはたにこころはかすとおもはねとくれゆくそらはうれしかりけり
藤原顕綱
87いかなればとだえめけむ天の川あふ瀬にわたすかささぎの橋
いかなれはとたえそめけむあまのかはあふせにわたすかささきのはし
加賀左衛門
88天の川よこぎる雲やたなはたのそらだきもののけぶりなるらむ
あまのかはよこきるくもやたなはたのそらたきもののけふりなるらむ
藤原顕輔
89おぼつかなかはりやしにし天の川年にひとたびわたる瀬なれば
おほつかなかはりやしにしあまのかはとしにひとたひわたるせなれは
大中臣能宣
90天の川玉橋いそぎわたさなむ浅瀬たどるも夜のふけゆくに
あまのかはたまはしいそきわたさなむあさせたとるもよのふけゆくに
藤原顕季
91逢ふ夜とは誰かはしらぬたなばたのあくる空をもつつまざらなむ
あふよとはたれかはしらぬたなはたのあくるそらをもつつまさらなむ
良暹法師
92たなばたの待ちつるほどの苦しさもあかぬ別れといづれまされり
たなはたのまちつるほとのくるしさもあかぬわかれといつれまされり
藤原顕綱
93天の川かへらぬ水をたなばたはうらやましとや今朝は見るらむ
あまのかはかへらぬみつをたなはたはうらやましとやけさはみるらむ
祝部成仲
94水きよみやどれる秋の月さへや千代まで君とすまむとすらむ
みつきよみやとれるあきのつきさへやちよまてきみとすまむとすらむ
源順
95いかなればおなじ空なる月影の秋しもことに照りまさるらむ
いかなれはおなしそらなるつきかけのあきしもことにてりまさるらむ
源雅定
96春夏は空やはかはる秋の夜の月しもいかで照りまさるらむ
はるなつはそらやはかはるあきのよのつきしもいかててりまさるらむ
藤原家成
97秋にまたあはむあはじも知らぬ身はこよひばかりの月をだにみむ
あきにまたあはむあはしもしらぬみはこよひはかりのつきをたにみむ
三条院
98ありしにもあらずなりゆく世の中にかはらぬものは秋の夜の月
ありしにもあらすなりゆくよのなかにかはらぬものはあきのよのつき
天台座主明快
99秋の夜の月のひかりのもる山は木の下かげもさやけかりけり
あきのよのつきのひかりのもるやまはこのしたかけもさやけかりけり
藤原重基
100天つ風雲ふきはらふ高嶺にて入るまでみつる秋の夜の月
あまつかせくもふきはらふたかねにているまてみつるあきのよのつき
良暹法師
101秋の夜は月に心のひまぞなき出づるを待つと入るを惜しむと
あきのよはつきにこころのひまそなきいつるをまつといるををしむと
源頼綱
102引く駒にかげをならべて逢坂の関路よりこそ月はいでけれ
ひくこまにかけをならへてあふさかのせきちよりこそつきはいてけれ
藤原朝隆
103秋の夜の露もくもらぬ月をみて置きどころなきわがこころかな
あきのよのつゆもくもらぬつきをみておきところなきわかこころかな
隆縁法師
104秋の夜の月まちかねておもひやる心いくたび山をこゆらむ
あきのよのつきまちかねておもひやるこころいくたひやまをこゆらむ
大江嘉言
105秋山の清水はくまじにごりなばやどれる月のくもりもぞする
あきやまのしみつはくましにこりなはやとれるつきのくもりもそする
藤原忠兼
106秋の夜の月にこころのあくがれて雲ゐにものを思ふころかな
あきのよのつきにこころのあくかれてくもゐにものをおもふころかな
花山院
107ひとりゐてながむるやどの荻の葉に風こそわたれ秋のゆふぐれ
ひとりゐてなかむるやとのをきのはにかせこそわたれあきのゆふくれ
源道済
108荻の葉にそそや秋風ふきぬなりこぼれやしぬる露のしらたま
をきのはにそそやあきかせふきぬなりこほれやしぬるつゆのしらたま
大江嘉言
109秋ふくはいかなる色の風なれば身にしむばかりあはれなるらむ
あきふくはいかなるいろのかせなれはみにしむはかりあはれなるらむ
和泉式部
110み吉野の象山かげにたてる松いく秋風にそなれきぬらむ
みよしののきさやまかけにたてるまついくあきかせにそなれきぬらむ
曾禰好忠
111荻の葉に露ふきむすぶこがらしの音ぞ夜寒になりまさるなる
をきのはにつゆふきむすふこからしのおとそよさむになりまさるなる
藤原顕綱
112夕霧にこずゑもみえずはつせ山いりあひの鐘の音ばかりして
ゆふきりにこすゑもみえすはつせやまいりあひのかねのおとはかりして
源兼昌
113秋の野の花みるほどの心をばゆくとやいはむとまるとやいはむ
あきのののはなみるほとのこころをはゆくとやいはむとまるとやいはむ
赤染衛門
114神垣にかかるとならば朝顔もゆふかくるまでにほはざらめや
かみかきにかかるとならはあさかほもゆふかくるまてにほはさらめや
六條齋院
115ぬしやたれ知る人なしに藤袴みれば野ごとに綻びにけり
ぬしやたれきるひとなしにふちはかまみれはのことにほころひにけり
隆源法師
116朝な朝な露おもげなる萩が枝に心をさへもかけてみるかな
あさなあさなつゆおもけなるはきかえにこころをさへもかけてみるかな
周防内侍
117荻の葉に言とふ人もなきものを来る秋ごとにそよとこたふる
をきのはにこととふひともなきものをくるあきことにそよとこたふる
敦輔王
118秋の野のくさむらごとに置く露は夜なく蟲のなみだなるべし
あきのののくさむらことにおくつゆはよるなくむしのなみたなるへし
曾禰好忠
119八重葎しげれる宿は夜もすがら蟲の音きくぞとりどころなる
やへむくらしけれるやとはよもすからむしのねきくそとりところなる
永源法師
120なく蟲のひとつ聲にも聞こえぬはこころごころにものやかなしき
なくむしのひとつこゑにもきこえぬはこころこころにものやかなしき
和泉式部
121ふるさとにかはらざりけり鈴虫の鳴海の野邊のゆふぐれのこゑ
ふるさとにかはらさりけりすすむしのなるみののへのゆふくれのこゑ
橘為仲
122秋風に露をなみだとなく蟲のおもふこころをたれにとはまし
あきかせにつゆをなみたとなくむしのおもふこころをたれにとはまし
橘正通
123逢坂の杉間の月のなかりせばいくきの駒といかでしらまし
あふさかのすきまのつきのなかりせはいくきのこまといかてしらまし
大江匡房
124きく人のなどやすからぬ鹿の音はわがつまをこそ恋ひてなくらめ
きくひとのなとやすからぬしかのねはわかつまをこそこひてなくらめ
出羽辨
125秋萩を草の枕に結ぶ夜は近くも鹿のこゑをきくかな
あきはきをくさのまくらにむすふよはちかくもしかのこゑをきくかな
藤原伊家
126秋ふかみ花には菊の関なれば下葉に月ももりあかしけり
あきふかみはなにはきくのせきなれはしたはにつきももりあかしけり
崇徳院
127霜枯るるはじめとみずは白菊のうつろふ色をなげかざらまし
しもかるるはしめとみすはしらきくのうつろふいろをなけかさらまし
源雅光
128今年また咲くべき花のあらばこそうつろふ菊にめかれをもせめ
ことしまたさくへきはなのあらはこそうつろふきくにめかれをもせめ
道命法師
129草枯れの冬までみよと露霜の置きて残せる白菊の花
くさかれのふゆまてみよとつゆしものおきてのこせるしらきくのはな
曾禰好忠
130関こゆる人にとはばやみちのくの安達のまゆみもみぢしにきや
せきこゆるひとにとははやみちのくのあたちのまゆみもみちしにきや
藤原頼宗
131いくらとも見えぬ紅葉の錦かな誰ふたむらの山といひけむ
いくらともみえぬもみちのにしきかなたれふたむらのやまといひけむ
橘能元
132夕されば何か急がむもみぢ葉のしたてる山は夜もこえなむ
ゆふされはなにかいそかむもみちはのしたてるやまはよるもこえなむ
大江匡房
133山里はゆききの道の見えぬまで秋の木の葉に埋もれにけり
やまさとはゆききのみちのみえぬまてあきのこのはにうつもれにけり
曾禰好忠
134春雨の綾おりかけし水の面に秋は紅葉の錦をぞ敷く
はるさめのあやおりかけしみつのおもにあきはもみちのにしきをそしく
道命法師
135なごりなく時雨の空ははれぬれどまだ降るものは木の葉なりけり
なこりなくしくれのそらははれぬれとまたふるものはこのはなりけり
源俊頼
136荒れはてて月もとまらぬ我が宿に秋の木の葉を風ぞふきける
あれはててつきもとまらぬわかやとにあきのこのはをかせそふきける
平兼盛
137秋ふかみ紅葉おちしく網代木は氷魚のよるさへあかくみえけり
あきふかみもみちおちしくあしろきはひをのよるさへあかくみえけり
藤原惟成
138初霜も置きにけらしな今朝みれば野邊の浅茅も色づきにけり
はつしももおきにけらしなけさみれはのへのあさちもいろつきにけり
大中臣能宣
139いづかたに秋のゆくらむ我が宿に今宵ばかりは雨宿りせで
いつかたにあきのゆくらむわかやとにこよひはかりはあまやとりせて
藤原公任
140なにごともゆきて祈らむと思ひしに神無月にもなりにけるかな
なにこともゆきていのらむとおもひしにかみなつきにもなりにけるかな
曾禰好忠
141ひさぎおふる澤邊の茅原冬くればひばりの床ぞあらはれにける
ひさきおふるさはへのちはらふゆくれはひはりのとこそあらはれにける
曾禰好忠
142こずゑにてあかざりしかばもみぢ葉のちりしく庭をはらはでぞみる
こすゑにてあかさりしかはもみちはのちりしくにはをはらはてそみる
大弐資通
143いろいろにそむる時雨にもみぢ葉はあらそひかねて散りはてにけり
いろいろにそむるしくれにもみちははあらそひかねてちりはてにけり
藤原家成
144山ふかみ落ちてつもれるもみぢ葉のかはけるうへに時雨ふるなり
やまふかみおちてつもれるもみちはのかわけるうへにしくれふるなり
大江嘉言
145いまさらにをのがすみかを立たじとて木の葉の下にをしぞなくなる
いまさらにおのかすみかをたたしとてこのはのしたにをしそなくなる
惟宗隆頼
146風ふけは楢のうら葉のそよそよといひあはせつついづち散るらむ
かせふけはならのうらはのそよそよといひあはせつついつちちるらむ
惟宗隆頼
147外山なる柴の立枝に吹く風の音きくをりぞ冬はものうき
とやまなるしはのたちえにふくかせのおときくをりそふゆはものうき
曾禰好忠
148秋はなほ木の下かげも暗かりき月は冬こそみるべかりけれ
あきはなほこのしたかけもくらかりきつきはふゆこそみるへかりけれ
読人知らず
149もろともに山めぐりする時雨かなふるにかひなき身とはしらずや
もろともにやまめくりするしくれかなふるにかひなきみとはしらすや
藤原道雅
150いほりさす楢の木かげにもる月のくもるとみれば時雨ふるなり
いほりさすならのこかけにもるつきのくもるとみれはしくれふるなり
瞻西法師
151深山にはあらしやいたく吹きぬらむ網代もたわに紅葉つもれり
みやまにはあらしやいたくふきぬらむあしろもたわにもみちつもれり
平兼盛
152あられふる交野の御野の狩ころも濡れぬ宿かす人しなければ
あられふるかたののみののかりころもぬれぬやとかすひとしなけれは
藤原長能
153山ふかみ焼く炭竃の煙こそやがて雪げの雲となりけれ
やまふかみやくすみかまのけふりこそやかてゆきけのくもとなりけれ
大江匡房
154年をへて吉野の山にみなれたる目にめづらしき今朝の初雪
としをへてよしののやまにみなれたるめにめつらしきけさのはつゆき
藤原義忠
155ひぐらしに山路のきのふしぐれしは富士の高嶺の雪にぞありける
ひくらしにやまちのきのふしくれしはふしのたかねのゆきにそありける
大江嘉言
156奥山の岩垣もみぢ散りはてて朽ち葉がうへに雪ぞつもれる
おくやまのいはかきもみちちりはててくちはかうへにゆきそつもれる
大江匡房
157くれなゐに見えしこずゑも雪ふれば白木綿かくる神無備の森
くれなゐにみえしこすゑもゆきふれはしらゆふかくるかみなひのもり
藤原忠通
158まつ人の今もきたらばいかがせむ踏ままく惜しき庭の雪かな
まつひとのいまもきたらはいかかせむふままくをしきにはのゆきかな
和泉式部
159かずならぬ身にさへ年のつもるかな老は人をもきらはざりけり
かすならぬみにさへとしのつもるかなおいはひとをもきらはさりけり
成尋法師
160魂まつる年のをはりになりにけり今日にやまたもあはむとすらむ
たままつるとしのをはりになりにけりけふにやまたもあはむとすらむ
曾禰好忠
161君が世にあふくま川のそこきよみ千歳をへつつすまむとぞおもふ
きみかよにあふくまかはのそこきよみちとせをへつつすまむとそおもふ
藤原道長
162めづらしくけふたちそむる鶴の子は千代のむつきをかさぬべきかな
めつらしくけふたちそむるつるのこはちよのむつきをかさぬへきかな
伊勢大輔
163すぎきにしほどをばすてつ今年より千代のかずつむ住吉の松
すききにしほとをはすてつことしよりちよのかすつむすみよしのまつ
大中臣能宣
164君が世は白雲かかる筑波嶺のみねのつづきの海となるまで
きみかよはしらくもかかるつくはねのみねのつつきのうみとなるまて
能因法師
165さかき葉を手にとりもちて祈りつる神の代よりも久しからなむ
さかきはをてにとりもちていのりつるかみのよよりもひさしからなむ
赤染衛門
166あかでのみ帰るとおもへば櫻花をるべき春ぞ尽きせざりける
あかてのみかへるとおもへはさくらはなをるへきはるそつきせさりける
中務
167松嶋の磯にむれゐる葦鶴のをのがさまざま見えし千代かな
まつしまのいそにむれゐるあしたつのおのかさまさまみえしちよかな
清原元輔
168ひととせを暮れぬとなにか惜しむべき尽きせぬ千代の春をまつには
ひととせをくれぬとなにかをしむへきつきせぬちよのはるをまつには
藤原公任
169たれにとか池のこころも思ふらむ底にやどれる松の千歳は
たれにとかいけのこころもおもふらむそこにやとれるまつのちとせは
恵慶法師
170君が代の久しかるべきためしにや神もうゑけむ住吉の松
きみかよのひさしかるへきためしにやかみもうゑけむすみよしのまつ
読人知らず
171住吉のあらひと神の久しさに松もいくたび生ひかはるらむ
すみよしのあらひとかみのひさしさにまつもいくたひおひかはるらむ
源経信
172みやこにておぼつかなさをならはずは旅寝をいかにおもひやらまし
みやこにておほつかなさをならはすはたひねをいかにおもひやらまし
民部内侍
173もろともにたたましものをみちのくの衣の関をよそにきくかな
もろともにたたましものをみちのくのころものせきをよそにきくかな
和泉式部
174よろこびをくはへにいそぐ旅なれば思へどえこそとどめざりけれ
よろこひをくはへにいそくたひなれはおもへとえこそととめさりけれ
源俊頼
175とまりゐて待つべき身こそ老いにけれ哀れわかれは人のためかは
とまりゐてまつへきみこそおいにけれあはれわかれはひとのためかは
藤原輔尹
176かへりこむほどをば知らず悲しきはよを長月の別れなりけり
かへりこむほとをもしらすかなしきはよをなかつきのわかれなりけり
藤原道経
177六年にぞ君はきまさむ住吉のまつべき身こそいたく老いぬれ
むとせにそきみはきまさむすみよしのまつへきみこそいたくおいぬれ
津守国基
178あかねさす日に向ひても思ひいでよ都は晴れぬながめすらむと
あかねさすひにむかひてもおもひいてよみやこははれぬなかめすらむと
一條院皇后宮
179別れ路の草葉をわけむ旅衣たつよりかねて濡るる袖かな
わかれちのくさはをわけむたひころもたつよりかねてぬるるそてかな
法橋有禅
180またこむと誰にもえこそ言ひ置かね心にかなふ命ならねば
またこむとたれにもえこそいひおかねこころにかなふいのちならねは
玄範法師
181留まらむ留まらじともおもほえずいづくもつゐのすみかならねば
ととまらむととまらしともおもほえすいつくもつひのすみかならねは
寂昭法師
182ふたつなき心を君にとどめ置きて我さへわれに別れぬるかな
ふたつなきこころをきみにととめおきてわれさへわれにわかれぬるかな
僧都清因
183暮れはまづそなたをのみぞ眺むべき出でむ日ごとに思ひをこせよ
くれはまつそなたをのみそなかむへきいてむひことにおもひおこせよ
太皇太后宮甲斐
184東路のはるけき道を行きかへりいつかとくべきしたひもの関
あつまちのはるけきみちをゆきめくりいつかとくへきしたひものせき
読人知らず
185たち別れ遙かにいきの松なれば恋しかるべき千代のかげかな
たちわかれはるかにいきのまつなれはこひしかるへきちよのかけかな
權僧正永縁
186はかなくも今朝の別れの惜しきかないつかは人をながらへてみし
はかなくもけさのわかれのをしきかないつかはひとをなからへてみし
名曳
187あやしくもわがみやま木のもゆるかな思ひは人につけてしものを
あやしくもわかみやまきのもゆるかなおもひはひとにつけてしものを
藤原忠通恋上
188いかでかは思ひありとも知らすべき室の八島のけぶりならでは
いかてかはおもひありともしらすへきむろのやしまのけふりならては
藤原実方恋上
189かくとだに言はではかなく恋ひ死なばやがてしられぬ身とやなりなむ
かくとたにいはてはかなくこひしなはやかてしられぬみとやなりなむ
隆惠法師恋上
190思ひかね今日たてそむる錦木の千束もまたで逢ふよしもがな
おもひかねけふたてそむるにしききのちつかもまたてあふよしもかな
大江匡房恋上
191谷川の岩間をわけて行く水の音にのみやは聞かむと思ひし
たにかはのいはまをわけてゆくみつのおとにのみやはきかむとおもひし
平兼盛恋上
192よとともに恋ひつつすぐる年月は変れど変るここちこそせね
よとともにこひつつすくるとしつきはかはれとかはるここちこそせね
一條院恋上
193わか恋は夢路にのみぞ慰むるつれなき人も逢ふとみゆれば
わかこひはゆめちにのみそなくさむるつれなきひともあふとみゆれは
藤原伊家恋上
194慰むる方もなくてややみなまし夢にも人のつれなかりせば
なくさむるかたもなくてややみなましゆめにもひとのつれなかりせは
徳大寺公能恋上
195命あらばあふ世もあらむ世の中になど死ぬばかり思ふこころぞ
いのちあらはあふよもあらむよのなかになとしぬはかりおもふこころそ
藤原惟成恋上
196よそながらあはれと言はむことよりも人づてならでいとへとぞ思ふ
よそなからあはれといはむことよりもひとつてならていとへとそおもふ
藤原成通恋上
197恋ひ死なば君はあはれといはずともなかなかよその人やしのばむ
こひしなはきみはあはれといはすともなかなかよそのひとやしのはむ
覚念法師恋上
198いかばかり人のつらさを恨みまし憂き身の咎と思ひなさずは
いかはかりひとのつらさをうらみましうきみのとかとおもひなさすは
賀茂成助恋上
199いかならむ言の葉にてか靡くべき恋しといふはかひなかりけり
いかならむことのはにてかなひくへきこひしといふはかひなかりけり
藤原頼保恋上
200わがためにつらき人をばをきながら何の罪なき世をやうらみむ
わかためにつらきひとをはおきなからなにのつみなきよをやうらみむ
浄蔵法師恋上
201忘るやとながらへゆけど身にそひて恋しきことは遅れざりけり
わするやとなからへゆけとみにそひてこひしきことはおくれさりけり
平兼盛恋上
202年をへて燃ゆてふ富士の山よりも逢はぬ思ひは我ぞまされる
としをへてもゆてふふしのやまよりもあはぬおもひはわれそまされる
読人知らず恋上
203わびぬればしゐて忘れむと思へども心弱くも落つるなみだか
わひぬれはしひてわすれむとおもへともこころよわくもおつるなみたか
読人知らず恋上
204思はじと思へばいとど恋しきはいづちか我が心なるらむ
おもはしとおもへはいととこひしきはいつちかわれかこころなるらむ
読人知らず恋上
205こころさへむすぶの神やつくりけむ解くるけしきも見えぬ君かな
こころさへむすふのかみやつくりけむとくるけしきもみえぬきみかな
能因法師恋上
206ひとかたに思ひ絶えにし世の中をいかがはすべきしづのをだまき
ひとかたにおもひたえにしよのなかをいかかはすへきしつのをたまき
藤原公任恋上
207かげみえぬ君は雨夜の月なれや出でても人に知られざりけり
かけみえぬきみはあまよのつきなれやいててもひとにしられさりけり
僧都覚雅恋上
208たなばたに今朝引く糸の露をおもみ撓むけしきを見でややみなむ
たなはたにけさひくいとのつゆをおもみたわむけしきをみてややみなむ
藤原成通恋上
209身のほどを思ひ知りぬることのみやつれなき人のなさけなるらむ
みのほとをおもひしりぬることのみやつれなきひとのなさけなるらむ
隆縁法師恋上
210わびつつもおなじ都はなぐさめき旅寝ぞ恋のかぎりなりける
わひつつもおなしみやこはなくさめきたひねそこひのかきりなりける
藤原家成恋上
211風をいたみ岩うつ波のおのれのみ砕けてものを思ふころかな
かせをいたみいはうつなみのおのれのみくたけてものをおもふころかな
源重之恋上
212わが恋は吉野の山の奥なれや思ひいれども逢ふ人もなし
わかこひはよしののやまのおくなれやおもひいれともあふひともなし
藤原顕季恋上
213胸は富士袖は清見が関なれや煙も波も立たぬ日ぞなき
むねはふしそてはきよみかせきなれやけふりもなみもたたぬひそなき
平祐挙恋上
214いたづらに千束朽ちにし錦木を猶こりづまにおもひたつかな
いたつらにちつかくちにしにしききをなほこりつまにおもひたつかな
藤原永実恋上
215山櫻つひに咲くべきものならば人の心をつくさざらなむ
やまさくらつひにさくへきものならはひとのこころをつくささらなむ
道命法師恋上
216霜置かぬ人の心はうつろひて面がはりせぬ白菊の花
しもおかぬひとのこころはうつろひておもかはりせぬしらきくのはな
源家時恋上
217白菊のかはらぬいろも頼まれずうつろはでやむ秋しなければ
しらきくのかはらぬいろもたのまれすうつろはてやむあきしなけれは
藤原公実恋上
218くれなゐの濃染の衣うへにきむ恋の涙の色隠るやと
くれなゐのこそめのころもうへにきむこひのなみたのいろかくるやと
藤原顕綱恋上
219しのぶれど涙ぞしるきくれなゐに物思ふ袖は染むべかりけり
しのふれとなみたそしるきくれなゐにものおもふそてはそむへかりけり
源道済恋上
220くれなゐに涙の色もなりにけり変るは人の心のみかは
くれなゐになみたのいろもなりにけりかはるはひとのこころのみかは
源雅光恋上
221恋ひ死なむ身こそおもへば惜しからね憂きも辛きも人の咎かは
こひしなむみこそおもへはをしからねうきもつらきもひとのとかかは
平実重恋上
222辛さをば君にならひて知りぬるを嬉しきことを誰にとはまし
つらさをはきみにならひてしりぬるをうれしきことをたれにとはまし
道命法師恋上
223嬉しきはいかばかりかは思ふらむ憂きは身にしむものにぞありける
うれしきはいかはかりかはおもふらむうきはみにしむものにそありける
藤原道信恋上
224恋すれば憂き身さへこそ惜しまるれおなじ世にだに住まむとおもへば
こひすれはうきみさへこそをしまるれおなしよにたにすまむとおもへは
心覚法師恋上
225みかきもり衛士の焚く火の夜は燃え昼は消えつつものをこそおもへ
みかきもりゑしのたくひのよるはもえひるはきえつつものをこそおもへ
大中臣能宣恋上
226わが恋やふたみかはれる玉くしげいかにすれども逢ふかたもなき
わかこひやふたみかはれるたまくしけいかにすれともあふかたもなき
読人知らず恋上
227こほりして音はせねども山川の下は流るるものと知らずや
こほりしておとはせねともやまかはのしたになかるるものとしらすや
藤原範永恋上
228風ふけば藻鹽の煙かたよりに靡くを人の心ともがな
かせふけはもしほのけふりかたよりになひくをひとのこころともかな
藤原親隆恋上
229瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれてもすゑにあはむとぞ思ふ
せをはやみいはにせかるるたきかはのわれてもすゑにあはむとそおもふ
崇徳院恋上
230播磨なる飾磨に染むるあながちに人を恋ひしと思ふころかな
はりまなるしかまにそむるあなかちにひとをこひしとおもふころかな
曾禰好忠恋上
231ほどもなく暮るると思ひし冬の日のこころもとなき折もありけり
ほともなくくるるとおもひしふゆのひのこころもとなきをりもありけり
道命法師恋上
232恋ひわびてひとり伏せ屋に夜もすがら落つる涙や音無の瀧
こひわひてひとりふせやによもすからおつるなみたやおとなしのたき
藤原俊忠恋上
233君をわが思ふこころは大原やいつしかとのみすみやかれつつ
きみをわかおもふこころはおほはらやいつしかとのみすみやかれつつ
藤原相如恋下
234わか恋はあひそめてこそまさりけれ飾磨の褐の色ならねども
わかこひはあひそめてこそまさりけれしかまのかちのいろならねとも
藤原道経恋下
235夜をふかみ帰りし空もなかりしをいづくより置く露にぬれけむ
よをふかみかへりしそらもなかりしをいつくよりおくつゆにぬれけむ
清原元輔恋下
236こころをば留めてこそは帰りつれあやしや何の暮をまつらむ
こころをはととめてこそはかへりつれあやしやなにのくれをまつらむ
藤原顕広恋下
237竹の葉に玉ぬく露にあらねどもまだ夜をこめて置きにけるかな
たけのはにたまぬくつゆにあらねともまたよをこめておきにけるかな
藤原実方恋下
238みな人の惜しむ日なれど我はただ遅く暮れゆく嘆きをぞする
みなひとのをしむひなれとわれはたたおそくくれゆくなけきをそする
読人知らず恋下
239住吉の浅澤小野の忘れ水たえだえならであふよしもがな
すみよしのあささはをののわすれみつたえたえならてあふよしもかな
藤原範綱恋下
240我のみや思ひおこせむあぢきなく人はゆくへも知らぬものゆゑ
われのみやおもひおこせむあちきなくひとはゆくへもしらぬものゆゑ
和泉式部恋下
241思ふことなくて過ぎつる世の中につひにこころをとどめつるかな
おもふことなくてすきつるよのなかにつひにこころをととめつるかな
大江為基恋下
242つねよりも露けかりける今宵かなこれや秋立つはじめなるらむ
つねよりもつゆけかりけるこよひかなこれやあきたつはしめなるらむ
祐子内親王家紀伊恋下
243せきとむる岩間の水もおのづから下には通ふものとこそきけ
せきとむるいはまのみつもおのつからしたにはかよふものとこそきけ
坂上明兼恋下
244あふことはまばらにあめる伊予すだれいよいよ我をわびさするかな
あふことはまはらにあめるいよすたれいよいよわれをわひさするかな
恵慶法師恋下
245いづくをも夜がるることのわりなきに二つに分くる我が身ともがな
いつくをもよかるることのわりなきにふたつにわくるわかみともかな
源雅定恋下
246もろともにおきゐる露のなかりせば誰とか秋の夜をあかさまし
もろともにおきゐるつゆのなかりせはたれとかあきのよをあかさまし
赤染衛門恋下
247来たりとも寝るまもあらじ夏の夜の有明月もかたぶきにけり
きたりともぬるまもあらしなつのよのありあけつきもかたふきにけり
曾禰好忠恋下
248こぬ人をうらみもはてじ契り置きしその言の葉もなさけならずや
こぬひとをうらみもはてしちきりおきしそのことのはもなさけならすや
藤原忠通恋下
249夕暮に物思ふことはまさるやと我ならざらむ人にとはばや
ゆふくれにものおもふことはまさるやとわれならさらむひとにとははや
和泉式部恋下
250なみださへいでにしかたをながめつつ心にもあらぬ月をみしかな
なみたさへいてにしかたをなかめつつこころにもあらぬつきをみしかな
和泉式部恋下
251つらしとて我さへ人を忘れなばさりとて仲の絶えやはつべき
つらしとてわれさへひとをわすれなはさりとてなかのたえやはつへき
読人知らず恋下
252あふことや涙の玉の緒なるらむしばし絶ゆれば落ちてみだるる
あふことやなみたのたまのをなるらむしはしたゆれはおちてみたるる
平公誠恋下
253御狩野のしばしのこひはさもあらばあれ背りはてぬるか矢形尾の鷹
みかりののしはしのこひはさもあらはあれそりはてぬるかやかたをのたか
最厳法師恋下
254竹の葉にあられふるなりさらさらにひとりは寝べき心地こそせね
たけのはにあられふるなりさらさらにひとりはぬへきここちこそせね
和泉式部恋下
255ありふるも苦しかりけりながらへぬ人の心を命ともがな
ありふるもくるしかりけりなからへぬひとのこころをいのちともかな
相模恋下
256うきながらさすがにものの悲しきは今は限りと思ふなりけり
うきなからさすかにもののかなしきはいまはかきりとおもふなりけり
清原元輔恋下
257とはぬまをうらむらさきにさく藤の何とてまつにかかりそめけむ
とはぬまをうらむらさきにさくふちのなにとてまつにかかりそめけむ
俊子内親王大進恋下
258思ひやれかけひの水の絶え絶えになりゆくほどの心細さを
おもひやれかけひのみつのたえたえになりゆくほとのこころほそさを
高階章行女恋下
259うぐひすは木つたふ花の枝にても谷の古巣をおもひわするな
うくひすはこつたふはなのえたにてもたにのふるすをおもひわするな
律師仁祐恋下
260うぐひすは花のみやこも旅なれば谷の古巣を忘れやはする
うくひすははなのみやこもたひなれはたにのふるすをわすれやはする
行尊恋下
261夜をかさね霜とともにしおきゐればありしばかりの夢だにもみず
よをかさねしもとともにしおきゐれはありしはかりのゆめたにもみす
皇嘉門院出雲恋下
262逢ふことも我が心よりありしかば恋は死ぬとも人は恨みじ
あふこともわかこころよりありしかはこひはしぬともひとはうらみし
源国信恋下
263汲みみてし心ひとつをしるべにて野中の清水わすれやはする
くみみてしこころひとつをしるへにてのなかのしみつわすれやはする
藤原仲実恋下
264浅茅生にけさ置く露の寒けくにかれにし人のなぞやこひしき
あさちふにけさおくつゆのさむけくにかれにしひとのなそやこひしき
藤原基俊恋下
265忘らるる身はことわりと知りながら思ひあへぬは涙なりけり
わすらるるみはことわりとしりなからおもひあへぬはなみたなりけり
清少納言恋下
266いまよりは訪へともいはじ我ぞただ仁を忘るることをしるべき
いまよりはとへともいはしわれそたたひとをわするることをしるへき
読人知らず恋下
267さりとては誰にかいはむ今はただ人を忘るるこころ教へよ
さりとてはたれにかいはむいまはたたひとをわするるこころをしへよ
読人知らず恋下
268まだ知らぬことをばいかが教ふべき人を忘るる身にしあらねば
またしらぬことをはいかかをしふへきひとをわするるみにしあらねは
藤原通俊恋下
269いくかへりつらしと人をみくまののうらめしながら恋しかるらむ
いくかへりつらしとひとをみくまののうらめしなからこひしかるらむ
和泉式部恋下
270夕暮は待たれしものを今はただ行くらむかたを思ひこそやれ
ゆふくれはまたれしものをいまはたたゆくらむかたをおもひこそやれ
相模恋下
271わすらるる人目ばかりを嘆きにて恋しきことのなからましかば
わすらるるひとめはかりをなけきにてこひしきことのなからましかは
読人知らず恋下
272春霞かすめるかたや津の国のほのみしま江のわたりなるらむ
はるかすみかすめるかたやつのくにのほのみしまえのわたりなるらむ
源頼家雑上
273須磨の浦に焼く塩釜のけぶりこそ春にしられぬ霞なりけれ
すまのうらにやくしほかまのけふりこそはるにしられぬかすみなりけれ
源俊頼雑上
274なみたてる松のしづ枝をくもでにて霞わたれる天の橋立
なみたてるまつのしつえをくもてにてかすみわたれるあまのはしたて
源俊頼雑上
275ながゐすな都の花も咲きぬらむ我もなにゆゑ急ぐ綱手ぞ
なかゐすなみやこのはなもさきぬらむわれもなにゆゑいそくつなてそ
平忠盛雑上
276木のもとをすみかとすればをのづから花見る人となりぬべきかな
このもとをすみかとすれはおのつからはなみるひととなりぬへきかな
花山院雑上
277散らぬまに今ひとたびも見てしがな花にさきだつ身ともこそなれ
ちらぬまにいまひとたひもみてしかなはなにさきたつみともこそなれ
天台座主源心雑上
278春くればあぢか潟のみひとかたに浮くてふ魚の名こそ惜しけれ
はるくれはあちかたたのみひとかたにうくてふうをのなこそをしけれ
大江匡房雑上
279身をしらで人をうらむる心こそ散る花よりもはかなかりけれ
みをしらてひとをうらむるこころこそちるはなよりもはかなかりけれ
藤原頼宗雑上
280春の来ぬところはなきを白河のわたりにのみや花はさくらむ
はるのこぬところはなきをしらかはのわたりにのみやはなはさくらむ
小式部内侍雑上
281たれかこの數はさだめし我はただとへとぞおもふ山吹のはな
たれかこのかすはさためしわれはたたとへとそおもふやまふきのはな
藤原道綱母雑上
282春日山北の藤波咲きしよりさかゆべしとはかねてしりにき
かすかやまきたのふちなみさきしよりさかゆへしとはかねてしりにき
源師頼雑上
283美作や久米のさら山とおもへどもわかの浦とぞいふべかりける
みまさかやくめのさらやまとおもへともわかのうらとそいふへかりける
読人知らず雑上
284和歌の浦といふにてしりぬ風ふかば波のたちことおもふなるべし
わかのうらといふにてしりぬかせふかはなみのたちことおもふなるへし
藤原長実雑上
285くもゐよりつらぬきかくる白玉をたれぬのひきの瀧といひけむ
くもゐよりつらぬきかくるしらたまをたれぬのひきのたきといひけむ
藤原隆季雑上
286難波江のしげき蘆間をこぐ舟はさをのおとにぞ行くかたをしる
なにはえのしけきあしまをこくふねはさをのおとにそゆくかたをしる
源行宗雑上
287思ひいでもなくてやわが身やみなましをばすて山の月みざりせは
おもひいてもなくてやわかみやみなましをはすてやまのつきみさりせは
律師済慶雑上
288名にたかきをばすて山も見しかどもこよひばかりの月はなかりき
なにたかきをはすてやまもみしかともこよひはかりのつきはなかりき
藤原為実雑上
289月は入り人はいでなばとまりゐてひとりや我が空をながめむ
つきはいりひとはいてなはとまりゐてひとりやわれかそらをなかめむ
大中臣能宣雑上
290池水にやどれる月はそれながらながむる人のかげぞ変れる
いけみつにやとれるつきはそれなからなかむるひとのかけそかはれる
小一條院雑上
291世の中をおもひないりそ三笠山さしいづる月のすまむかぎりは
よのなかをおもひないりそみかさやまさしいつるつきのすまむかきりは
読人知らず雑上
292月きよみ田中にたてる仮庵のかげばかりこそくもりなりけれ
つききよみたなかにたてるかりいほのかけはかりこそくもりなりけれ
崇徳院雑上
293澄みのぼる月のひかりにさそはれて雲の上までゆくこころかな
すみのほるつきのひかりにさそはれてくものうへまてゆくこころかな
三条実行雑上
294板間より月のもるをも見つるかな宿は荒して住むべかりけり
いたまよりつきのもるをもみつるかなやとはあらしてすむへかりけり
良暹法師雑上
295くまもなく信太の森の下晴れて千枝のかずさへ見ゆる月かな
くまもなくしのたのもりのしたはれてちえのかすさへみゆるつきかけ
徳大寺実能雑上
296さびしさに家出しぬべき山里を今宵の月におもひとまりぬ
さひしさにいへてしぬへきやまさとをこよひのつきにおもひとまりぬ
源道済雑上
297ゆく人も天のとわたる心地して雲の波路に月を見るかな
ゆくひともあまのとわたるここちしてくものなみちにつきをみるかな
平忠盛雑上
298君まつと山の端いでて山の端に入るまで月を眺めつるかな
きみまつとやまのはいててやまのはにいるまてつきをなかめつるかな
橘為義雑上
299いかなれば待つにはいづる月なれど入るを心にまかせざるらむ
いかなれはまつにはいつるつきなれといるをこころにまかせさるらむ
藤原公実雑上
300こころみにほかの月をも見てしがな我が宿からのあはれなるかと
こころみにほかのつきをもみてしかなわかやとからのあはれなるかと
花山院雑上
301うらめしく帰りけるかな月夜には来ぬ人をだに待つとこそきけ
うらめしくかへりけるかなつきよにはこぬひとをたにまつとこそきけ
具平親王雑上
302かご山の白雲かかる峰にてもおなじたかさぞ月はみえける
かこやまのしらくもかかるみねにてもおなしたかさそつきはみえける
大江嘉言雑上
303よもすがら富士の高嶺に雲きえて清見が関にすめる月かな
よもすからふしのたかねにくもきえてきよみかせきにすめるつきかな
藤原顕輔雑上
304山城の石田の森のいはずともこころのうちを照らせ月影
やましろのいはたのもりのいはすともこころのうちをてらせつきかけ
藤原輔尹雑上
305月にこそむかしのことはおぼえけれ我を忘るる人にみせばや
つきにこそむかしのことはおほえけれわれをわするるひとにみせはや
中原長国雑上
306ながらへば思ひいでにせむ思ひいでよ君とみかさの山の端の月
なからへはおもひいてにせむおもひいてよきみとみかさのやまのはのつき
琳賢法師雑上
307逢坂の関の杉原下晴れて月のもるにぞまかせたりける
あふさかのせきのすきはらしたはれてつきのもるにそまかせたりける
大江匡房雑上
308つれづれと荒れたる宿を眺むれば月ばかりこそ昔なりけれ
つれつれとあれたるやとをなかむれはつきはかりこそむかしなりけれ
藤原伊周雑上
309深くいりて住まばやと思ふ山の端をいかなる月のいづるなるらむ
ふかくいりてすまはやとおもふやまのはをいかなるつきのいつるなるらむ
高松上雑上
310をのが身のをのが心にかなはぬを思はばものは思ひ知りなむ
おのかみのおのかこころにかなはぬをおもははものはおもひしりなむ
和泉式部雑上
311あやめ草かりにも来らむものゆゑに閨の妻とや人のみつらむ
あやめくさかりにもくらむものゆゑにねやのつまとやひとのみるらむ
和泉式部雑上
312人しれずもの思ふことはならひにき花にわかれぬ春しなければ
ひとしれすものおもふことはならひにきはなにわかれぬはるしなけれは
和泉式部雑上
313おもはれぬ空のけしきを見るからに我もしぐるる神無月かな
おもはれぬそらのけしきをみるからにわれもしくるるかみなつきかな
読人知らず雑上
314あだ人はしぐるる夜半の月なれやすむとてえこそ頼むまじけれ
あたひとはしくるるよはのつきなれやすむとてえこそたのむましけれ
待賢門院堀河雑上
315誰が里にかたらひかねてほととぎす帰る山路のたよりなるらむ
たかさとにかたらひかねてほとときすかへるやまちのたよりなるらむ
読人知らず雑上
316よしさらばつらさは我にならひけり頼めてこぬは誰かをしへし
よしさらはつらさはわれにならひけりたのめてこぬはたれかをしへし
清少納言雑上
317かづきけむ袂は雨にいかがせし濡るるはさてもおもひしれかし
かつきけむたもとはあめにいかかせしぬるるはさてもおもひしれかし
江侍従雑上
318深くしも頼まざらなむ君ゆゑに雪ふみわけて夜な夜なぞゆく
ふかくしもたのまさらなむきみゆゑにゆきふみわけてよなよなそゆく
曾禰好忠雑上
319よの人のまだしらぬまの薄ごほり見わかぬほどに消えねとぞ思ふ
よのひとのまたしらぬまのうすこほりみわかぬほとにきえねとそおもふ
赤染衛門雑上
320秋はみな思ふことなき荻の葉も末たわむまで露は置くめり
あきはみなおもふことなきをきのはもすゑたわむまてつゆはおくめり
和泉式部雑上
321いかなればおなじ流れの水にしもさのみは月のうつるなるらむ
いかなれはおなしなかれのみつにしもさのみはつきのうつるなるらむ
藤原忠清雑上
322住吉の細江にさせるみをつくし深きにまけぬ人はあらじな
すみよしのほそえにさせるみをつくしふかきにまけぬひとはあらしな
相模雑上
323ふる雨のあしともおつる涙かなこまかにものを思ひくだけば
ふるあめのあしともおつるなみたかなこまかにものをおもひくたけは
藤原道綱母雑上
324神無月ありあけの空のしぐるるをまた我ならぬ人やみるらむ
かみなつきありあけのそらのしくるるをまたわれならぬひとやみるらむ
赤染衛門雑上
325忍ぶるも苦しかりけり數ならぬ身には涙のなからましかば
しのふるもくるしかりけりかすならぬみにはなみたのなからましかは
出羽辨雑上
326音せぬは苦しきものを身にちかくなるとていとふ人もありけり
おとせぬはくるしきものをみにちかくなるとていとふひともありけり
和泉式部雑上
327ひとの世にふたたび死ぬるものならばしのびけりやと心みてまし
ひとのよにふたたひしぬるものならはしのひけりやとこころみてまし
大弐三位雑上
328夕霧に佐野の舟橋おとすなり手馴れの駒の帰りくるかも
ゆふきりにさののふなはしおとすなりてなれのこまのかへりくるかも
源俊雅母雑上
329住吉の波にひたれる松よりも神のしるしぞあらはれにける
すみよしのなみにひたれるまつよりもかみのしるしそあらはれにける
藤原資業雑上
330いかでかくねををしむらむあやめ草うきには聲もたてつべき世を
いかてかくねををしむらむあやめくさうきにはこゑもたてつへきよを
周防内侍雑上
331世の中にふるかひもなき竹のこはわがつむ年をたてまつるなり
よのなかにふるかひもなきたけのこはわかつむとしをたてまつるなり
花山院雑上
332年へぬる竹のよはひを返しても子のよをながくなさむとぞ思ふ
としへぬるたけのよはひをかへしてもこのよをなかくなさむとそおもふ
冷泉院雑上
333あしかれとおもはぬ山の峰にだに生ふなるものを人のなげきは
あしかれとおもはぬやまのみねにたにおふなるものをひとのなけきは
和泉式部雑上
334ひたぶるに山田もる身となりぬれば我のみ人をおどろかすかな
ひたふるにやまたもるみとなりぬれはわれのみひとをおとろかすかな
能因法師雑上
335三笠山さすがに蔭にかくろへてふるかひもなきあめのしたかな
みかさやまさすかにかけにかくろへてふるかひもなきあめのしたかな
源仲正雑上
336君引かずなりなましかばあやめ草いかなるねをか今日はかけまし
きみひかすなりなましかはあやめくさいかなるねをかけふはかけまし
平致経雑上
337おもひかね別れし野邊を来てみれば浅茅が原に秋風ぞふく
おもひかねわかれしのへをきてみれはあさちかはらにあきかせそふく
源道済雑上
338ふるさとへ我はかへりぬ武隈のまつとは誰につげよとかおもふ
ふるさとへわれはかへりぬたけくまのまつとはたれにつけよとかおもふ
橘為仲雑上
339枯れはつる藤の末葉の悲しきはただ春の日をたのむばかりぞ
かれはつるふちのすゑはのかなしきはたたはるのひをたのむはかりそ
藤原顕輔雑上
340夜の鶴みやこのうちにはなたれて子を恋ひつつもなきあかすかな
よるのつるみやこのうちにはなたれてこをこひつつもなきあかすかな
高内侍雑上
341身のうさは過ぎぬるかたを思ふにもいまゆくすゑのことぞかなしき
みのうさはすきぬるかたをおもふにもいまゆくすゑのことそかなしき
源師頼雑上
342埋れ木の下は朽つれぞいにしへの花の心は忘れざりけり
うもれきのしたはくつれといにしへのはなのこころはわすれさりけり
大江匡房雑上
343今はただ昔ぞつねに恋ひらるる残りありしを思ひ出にして
いまはたたむかしそつねにこひらるるのこりありしをおもひてにして
藤原伊通雑上
344老いてのち昔をしのぶ涙こそここら人目をしのばざりけれ
おいてのちむかしをしのふなみたこそここらひとめをしのはさりけれ
清原元輔雑上
345ゆくすゑのいにしへばかり恋しくは過ぐる月日も歎かざらまし
ゆくすゑのいにしへはかりこひしくはすくるつきひもなけかさらまし
賀茂政平雑上
346厭ひてもなほ惜しまるる我が身かなふたたび来べきこの世ならねば
いとひてもなほをしまるるわかみかなふたたひくへきこのよならねは
藤原季通雑上
347難波江の蘆間にやどる月みれば我が身ひとつはしづまざりけり
なにはえのあしまにやとるつきみれはわかみひとつもしつまさりけり
藤原顕輔雑上
348蘆火たくやまのすみかは世の中をあくがれいづる門出なりけり
あしひたくまやのすみかはよのなかをあくかれいつるかとてなりけり
源俊頼雑下
349賤の女がゑぐつむ澤の薄氷いつまでふべき我が身なるらむ
しつのめかゑくつむさはのうすこほりいつまてふへきわかみなるらむ
源俊頼雑下
350むかしみし雲ゐをこひて蘆鶴の澤邊に鳴くや我が身なるらむ
むかしみしくもゐをこひてあしたつのさはへになくやわかみなるらむ
藤原公重雑下
351三日月のまた有明になりぬるや憂き世をめぐるためしなるらむ
みかつきのまたありあけになりぬるやうきよをめくるためしなるらむ
藤原教長雑下
352ちる花にまたもや逢はむおぼつかなその春までと知らぬ身なれば
ちるはなにまたもやあはむおほつかなそのはるまてとしらぬみなれは
藤原実方雑下
353朝な朝な鹿のしがらむ萩の枝の末葉の露のありがたの世や
あさなあさなしかのしからむはきかえのすゑはのつゆのありかたのよや
増基法師雑下
354花薄まねかばここにとまりなむいづれの野邊もつひのすみかぞ
はなすすきまねかはここにとまりなむいつれののへもつひのすみかそ
源親元雑下
355よそにみし尾花がすゑの白露はあるかなきかの我が身なりけり
よそにみしをはなかすゑのしらつゆはあるかなきかのわかみなりけり
四條中宮雑下
356かくしつつ今はとならむ時にこそ悔しきことのかひもなからめ
かくしつついまはとならむときにこそくやしきことのかひもなからめ
花山院雑下
357夕暮はものぞかなしき鐘の音をあすもきくべき身とし知らねば
ゆふくれはものそかなしきかねのおとをあすもきくへきみとししらねは
和泉式部雑下
358うぐひすの鳴くになみだの落つるかなまたもや春にあはむとすらむ
うくひすのなくになみたのおつるかなまたもやはるにあはむとすらむ
藤原教良母雑下
359みな人のむかしがたりになりゆくをいつまでよそに聞かむとすらむ
みなひとのむかしかたりになりゆくをいつまてよそにきかむとすらむ
法橋清昭雑下
360この世だに月まつほどはくるしきにあはれいかなる闇にまどはむ
このよたにつきまつほとはくるしきにあはれいかなるやみにまとはむ
源顕仲女雑下
361おぼつかなまだみぬ道を死出の山雪ふみわけて越えむとすらむ
おほつかなまたみぬみちをしてのやまゆきふみわけてこえむとすらむ
良暹法師雑下
362代らむと祈るいのちは惜しからでさても別れむことぞ悲しき
かはらむといのるいのちはをしからてさてもわかれむことそかなしき
赤染衛門雑下
363この世にはまたもあふまじ梅の花ちりぢりならむことぞかなしき
このよにはまたもあふましうめのはなちりちりならむことそかなしき
行尊雑下
364この身をばむなしきものと知りぬれば罪えむこともあらじとぞ思ふ
このみをはむなしきものとしりぬれはつみえむこともあらしとそおもふ
読人知らず雑下
365わが思ふことのしげさにくらぶれば信太の森の千枝はかずかは
わかおもふことのしけさにくらふれはしのたのもりのちえはかすかは
増基法師雑下
366網代にはしづむ水屑もなかりけり宇治のわたりに我やすままし
あしろにはしつむみくつもなかりけりうちのわたりにわれやすままし
大江以言雑下
367大原やまだすみがまもならはねばわが宿のみぞけぶりたえたる
おほはらやまたすみかまもならはねはわかやとのみそけふりたえたる
良暹法師雑下
368なみだ河その水上をたづぬれば世のうきめよりいづるなりけり
なみたかはそのみなかみをたつぬれはよのうきめよりいつるなりけり
賢智法師雑下
369思ひやれこころの水のあさければかき流すべき言の葉もなし
おもひやれこころのみつのあさけれはかきなかすへきことのはもなし
三条実行雑下
370かりそめのうきよのやみをかきわけてうらやましくもいづる月かな
かりそめのうきよのやみをかきわけてうらやましくもいつるつきかな
大江匡房雑下
371帰る雁西へゆきせばたまづさにおもふことをばかきつけてまし
かへるかりにしへゆきせはたまつさにおもふことをはかきつけてまし
沙弥蓮寂雑下
372身をすつる人はまことにすつるかはすてぬ人こそすつるなりけれ
みをすつるひとはまことにすつるかはすてぬひとこそすつるなりけれ
読人知らず雑下
373筑波山ふかくうれしと思ふかな濱名の橋にわたす心を
つくはやまふかくうれしとおもふかなはまなのはしにわたすこころを
太皇大后宮肥後雑下
374年を経て星をいただく黒髪のひとよりしもになりにけるかな
としをへてほしをいたたくくろかみのひとよりしもになりにけるかな
大中臣能宣雑下
375雲の上は月こそさやにさえわたれまだとどこほるものや何なり
くものうへはつきこそさやにさえわたれまたととこほるものやなになり
津守国基雑下
376とどこほることはなけれど住吉のまつ心にやひさしかるらむ
ととこほることはなけれとすみよしのまつこころにやひさしかるらむ
藤原顕季雑下
377白河の流れをたのむこころをば誰かはそらにくみてしるべき
しらかはのなかれをたのむこころをはたれかはそらにくみてしるへき
藤原成通雑下
378ももとせは花にやどりてすぐしてきこの世は蝶の夢にざりける
ももとせのはなにやとりてすくしてきこのよはてふのゆめにさりける
大江匡房雑下
379ひさかたの天の香具山いづる日もわが方にこそひかりさすらめ
ひさかたのあまのかくやまいつるひもわかかたにこそひかりさすらめ
崇徳院雑下
380このもとにかきあつめつる言の葉をははその森のかたみとはみよ
このもとにかきあつめつることのはをははそのもりのかたみとはみよ
源義国妻雑下
381思ひかねそなたの空をながむればただ山の端にかかる白雲
おもひかねそなたのそらをなかむれはたたやまのはにかかるしらくも
藤原忠通雑下
382わたのはら漕ぎいでてみればひさかたの雲ゐにまがふ沖つ白波
わたのはらこきいててみれはひさかたのくもゐにまかふおきつしらなみ
藤原忠通雑下
383うちむれて高倉山につむ花はあらたなき代の富草のはな
うちむれてたかくらやまにつむものはあらたなきよのとみくさのはな
藤原家経雑下
384板倉の山田につめる稲をみてをさまれる代のほどをしるかな
いたくらのやまたにつめるいねをみてをさまれるよのほとをしるかな
藤原顕輔雑下
385水上をさだめてければ君が代にふたたびすめる堀河の水
みなかみをさためてけれはきみかよにふたたひすめるほりかはのみつ
曾禰好忠雑下
386いさやまだつづきもしらぬ高嶺にてまづくる人にみやこをぞとふ
いさやまたつつきもしらぬたかねにてまつくるひとにみやこをそとふ
藤原頼通雑下
387みやこにてながめし月のもろともに旅の空にもいでにけるかな
みやこにてなかめしつきのもろともにたひのそらにもいてにけるかな
道命法師雑下
388みやこにてながめし月をみるときは旅の空ともおぼえざりけり
みやこにてなかめしつきをみるときはたひのそらともおほえさりけり
藤原伊周雑下
389風越の峰のうへにてみる時は雲はふもとのものにぞありける
かさこしのみねのうへにてみるときはくもはふもとのものにそありける
藤原家経雑下
390むかしみし垂井の水はかはらねどうつれる影ぞ年をへにける
むかしみしたるゐのみつはかはらねとうつれるかけそとしをへにける
藤原隆経雑下
391思ひいでもなきふるさとの山なれど隠れゆくはたあはれなりけり
おもひいてもなきふるさとのやまなれとかくれゆくはたあはれなりけり
大江正言雑下
392いにしへを恋ふるなみだにくらされておぼろにみゆる秋の夜の月
いにしへをこふるなみたにくらされておほろにみゆるあきのよのつき
藤原公任雑下
393そのことと思はぬだにもあるものをなに心地して月をみるらむ
そのこととおもはぬたにもあるものをなにここちしてつきをみるらむ
藤原頼宗雑下
394夢ならでまたもあふべき君ならばねられぬいをもなげかざらまし
ゆめならてまたもあふへききみならはねられぬいをもなけかさらまし
藤原相如雑下
395思ひかねながめしかども鳥辺山はてはけぶりもみえずなりにき
おもひかねなかめしかともとりへやまはてはけふりもみえすなりにき
円融院雑下
396ゆふまぐれ木繁き庭をながめつつ木の葉とともにおつるなみだか
ゆふまくれこしけきにはをなかめつつこのはとともにおつるなみたか
少将義孝雑下
397人しれずもの思ふこともありしかど子のことばかりかなしきはなし
ひとしれすものおもふこともありしかとこのことはかりかなしきはなし
待賢門院安芸雑下
398生ひたたで枯れぬとききしこのもとのいかでなげきの森となるらむ
おひたたてかれぬとききしこのもとのいかてなけきのもりとなるらむ
清原元輔雑下
399けふよりは天の河霧たちわかれいかなる空にあはむとすらむ
けふよりはあまのかはきりたちわかれいかなるそらにあはむとすらむ
清原元輔雑下
400たなはたは後のけふをも頼むらむこころぼそきは我が身なりけり
たなはたはのちのけふをもたのむらむこころほそきはわかみなりけり
読人知らず雑下
401あさましや君に着すべき墨染のころもの袖をわが濡らすかな
あさましやきみにきすへきすみそめのころものそてをわかぬらすかな
神祇伯源顕仲雑下
402こぞの春ちりにし花もさきにけりあはれ別れのかからましかは
こそのはるちりにしはなもさきにけりあはれわかれのかからましかは
赤染衛門雑下
403いづる息のいるを待つまもかたき世を思ひしるらむ袖はいかにそ
いつるいきのいるをまつまもかたきよをおもひしるらむそてはいかにそ
崇徳院雑下
404涙のみ袂にかかる世の中に身さへ朽ちぬることぞかなしき
なみたのみたもとにかかるよのなかにみさへくちぬることそかなしき
藤原有信雑下
405をりをりのつらさを何になげきけむやがてなき世もあはれありけり
をりをりのつらさをなにになけきけむやかてなきよもあはれありけり
読人知らず雑下
406人をとふ鐘のこゑこそあはれなれいつか我が身にならむとすらむ
ひとをとふかねのこゑこそあはれなれいつかわかみにならむとすらむ
読人知らず雑下
407悔しくも見そめけるかななべて世のあはれとばかり聞かましものを
くやしくもみそめけるかななへてよのあはれとはかりきかましものを
四條中宮雑下
408かくてのみ世にありあけの月ならば雲かくしてよ天くだる神
かくてのみよにありあけのつきならはくもかくしてよあまくたるかみ
読人知らず雑下
409長き夜のくるしきことを思へかしなになげくらむ仮のやどりに
なかきよのくるしきことをおもへかしなになけくらむかりのやとりに
読人知らず雑下
410思へども忌むとていはぬことなればそなたにむきて音をのみぞ泣く
おもへともいむとていはぬことなれはそなたにむきてねをのみそなく
選子内親王雑下
411あくがるる身のはかなさはももとせのなかばすぎてぞ思ひしらるる
あくかるるみのはかなさはももとせのなかはすきてそおもひしらるる
源顕仲雑下
412露の身のきえてほとけになることはつとめてのちぞ知るべかりける
つゆのみのきえてほとけになることはつとめてのちそしるへかりける
読人知らず雑下
413よそになど佛の道をたづぬらむわが心こそしるべなりけれ
よそになとほとけのみちをたつぬらむわかこころこそしるへなりけれ
藤原忠通雑下
414いかで我こころの月をあらはして闇にまどへる人を照らさむ
いかてわれこころのつきをあらはしてやみにまとへるひとをてらさむ
藤原顕輔雑下
415世の中の人のこころのうき雲にそらがくれする有明の月
よのなかのひとのこころのうきくもにそらかくれするありあけのつき
登蓮法師雑下

※読人(作者)についてはできる限り正確に整えておりますが、誤りもある可能性があります。ご了承ください。官位ではなく本名で掲載しています。

※作者検索をしたいときは、藤原、源といったいわゆる氏を除いた名のみで検索することをおすすめいたします。

※濁点につきましては原文通り加えておりません。時間的余裕があれば書き加えてまいります。

※検索機能のために歌の句切れについては間隔を開けずに掲載しております。一部の歌で言葉が2つの句にまたがることがあるためです。(逢坂の関など)