ロシア人とはいかなる人びとであろうか。ロシア文学を通じて知ることができる。
INDEX
ロシア文学
ロシア文学の概要
- 「ロシア文学」とは、ロシアの作家によって書かれた、あるいはロシア語で書かれた文学を指し、それらの作品や作家を研究する学問である。
- 17世紀には詩や戯曲から始まり、19世紀にはプーシキン、ドストエフスキー、ゴーゴリ、トルストイ、チェーホフらが現れた。
- 20世紀には新しい文学の飛躍をもたらしたが、ソ連の迫害に直面し、グロスマン、シャラーモフ、ソルジェニーツィンらが全体主義体制を告発した。
- 1990年代には、新しいロシア文学が生まれている。
- ロシア文学は、19世紀の黄金期にドストエフスキー、トルストイ、ツルゲーネフらの才能が登場し、全世界の文学に多大な影響を与えた。
ロシア人の名前の規則について
名前+親(〇〇の子の意味)+姓が基本形となり、姓については男性と女性で異なり、「○○u」が男性、「○○a」が女性というように、性別によって姓の末尾が変化する。他には○○ンと○○iナ(トルストイのアンナ・カレーニナなど)、○○スキーと○○スカヤ(女子アイススケート選手は○○スカヤですね!)などがある。ドミートリイ・フョードロウィチ・カラマーゾフであれば、ドミートリィ・フョードルの子・カラマーゾフ(男性)となります。また、ドミートリィ・フョードロウィチという呼び方は「ドミートリィさん」という敬称の雰囲気になります。
フョードル | パーヴロウィチ | カラマーゾフ |
ドミートリィ | フョードロウィチ | カラマーゾフ |
※女性の場合は「フ→ワ」となるため、カラマーゾワとなる
プーシキン(1799-1837)
プーシキンについて
- アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキンは、ロシアの詩人・作家であり、近代文学の嚆矢とされる大詩人である。
- 彼は、口語を取り入れて独自の文体を作り上げ、新しい国民文学を確立し、ロシア文学に大きな影響を与えた。
プーシキンの代表作
ゴーゴリ(1809-1852)
ゴーゴリについて
- ニコライ・ヴァシーリエヴィチ・ゴーゴは、ロシア帝国の小説家・劇作家で、リアリズム文学を創始し、社会や人間を鋭く風刺しながら描写した。
- 彼の作品は多くの作家に影響を与え、明るいユーモアとロマン主義的な幻想性が特徴。
- 中期以降は俗悪さや空虚さへの作者の絶望と恐れから来る詠歎が特徴的な独特の文体を持つ。
ゴーゴリの代表作
ツルゲーネフ(1818-1883)
ツルゲーネフについて
- イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフは19世紀ロシア文学を代表する文豪で、『猟人日記』で農奴制を批判し、『ムムー』では農奴たちの悲劇を描いた。
- 『余計者の日記』や『ルージン』では理想と現実の対比を描き、『父と子』は最高傑作とされる。
- パリで幅広い交友関係を築き、西欧へのロシア文学の紹介に大きな役割を果たし、日本でも翻訳されて自然主義に影響を与えた。
- また、彼はドストエフスキーの小説に登場するモデルの一人であった。
ツルゲーネフの代表作
ドストエフスキー(1821-1881)
ドストエフスキーについて
- フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーは、ロシア帝国の小説家・思想家であり、『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』などが代表作である。
- 彼の著書は、世界中で読まれ、多くの作家に影響を与え、170以上の言語に翻訳されている。
- また、その著作は「現代の預言書」とも言われ、後に国家社会主義の基礎となった。
ドストエフスキーの代表作
- 貧しき人びと
- 死の家の記録 [Amazon]
- 虐げられた人びと [Amazon]
- 地下室の手記 [Amazon]
- 罪と罰
- 賭博者 [Amazon]
- 白痴
- 永遠の夫 [Amazon]
- 悪霊
- 未成年
- カラマーゾフの兄弟
トルストイ(1828-1910)
トルストイについて
- レフ・ニコラエヴィチ・トルストイは、19世紀ロシア文学を代表する文豪であり、代表作に『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』がある。
- 彼は文学のみならず政治・社会にも影響を与え、非暴力主義者としても知られている。
- 彼の作品は日本でも広く読まれ、森鷗外、幸田露伴などの作家たちも重訳をしている。
- また、トルストイの思想は白樺派の文学者や宮沢賢治などに大きな影響を与えた。
トルストイの代表作
チェーホフ(1860-1904)
チェーホフについて
- アントン・チェーホフは、ロシアを代表する劇作家であり、多くの優れた短編小説を遺した作家である。
- 彼は短編小説で第一線で活躍し、内面的な描写や会話、ト書きに注目した物語を得意とし、その作品は外的な筋を持たない。
- また、戯曲でも革新的な手法を用い、主人公や主題を追放し、筋立てを変えた。
チェーホフの代表作
ゴーリキー(1868-1936)
ゴーリキーについて
- ゴーリキーは、社会主義リアリズムの手法を創始し、社会活動家でもあった。
- 彼は幼少期に孤児となり、貧困の中で革命運動に接近し、社会主義リアリズム文学の創始者として活躍した。
- 代表作には、社会の底辺の人々の生活苦を描いた戯曲『どん底』、散文詩『海燕の歌』、小説『母』がある。
ゴーリキーの代表作
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ソローキン(1955-)
ソローキンについて
- ウラジーミル・ソローキンは、ロシアの小説家・劇作家で、ポストモダン作家の代表的存在。
- モスクワ州出身で、ドイツ・ベルリン在住。
- 機械系エンジニアの教育を受けた後、グラフィックデザインや絵画に興味を持ち、多くの展覧会に参加。
- 1970年代から文学活動を始め、1980年代を通じてモスクワのアンダーグラウンドシーンを形成。
- 彼の作品はソビエト時代には発禁となっていたが、1989年にラトビアの新聞に掲載されたことで日の目を見ることができた。
- 『Очередь (行列)』などの作品で知られ、ロシア・ブッカー賞などを受賞している。
ソローキンの代表作
ロシア関連
ジョージ・オーウェル
ジョージ・オーウェル(英: George Orwell、1903年6月25日 – 1950年1月21日)こと本名エリック・アーサー・ブレア(英: Eric Arthur Blair)は、イギリス植民地時代のインド生まれのイギリスの作家、ジャーナリスト、民主社会主義者。ミドルネームを排してエリック・ブレアとも表記される。 – Wikipedia
代表作
ジッド
アンドレ・ポール・ギヨーム・ジッド(André Paul Guillaume Gide, 1869年11月22日 – 1951年2月19日)は、フランスの小説家。アンドレ・ジイド(昭和時代はこの表記が多かった)、アンドレ・ジードとも表記される。 – Wikipedia
代表作
- ソヴィエト旅行記 [Amazon]