枕詞 「たまづさの/玉梓の」の和歌集 万葉集と新古今和歌集から18首!

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「たまづさの」の歌

「たまづさの」は使ひ、妹にかかる枕詞

「玉梓の」と書く。玉梓とは手紙のこと。また、手紙を運ぶ使者のこと。

使者は梓の杖を持ったことから、「玉梓の」で使ひ、妹にかかる。妹は姉妹の妹に限らず、妻や恋人も含まれる。

「たまづさの」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
17 0 0 0 0 0 0 0 1
0.4 0 0 0 0 0 0 0 0.1
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

2巻-207 柿本人麻呂天飛ぶや 軽の道は 我妹子が 里にしあれば ねもころに 見まく欲しけど やまず行かば 人目を多み 数多く行かば 人知りぬべみ さね葛 後も逢はむと 大船の 思ひ頼みて 玉かぎる 岩垣淵の 隠りのみ 恋ひつつあるに 渡る日の 暮れぬるがごと 照る月の 雲隠るごと 沖つ藻の 靡きし妹は 黄葉の 過ぎて去にきと 玉梓の 使の言へば 梓弓 音に聞きて (音のみ聞きて) 言はむすべ 為むすべ知らに 音のみを 聞きてありえねば 我が恋ふる 千重の一重も 慰もる 心もありやと 我妹子が やまず出で見し 軽の市に 我が立ち聞けば 玉たすき 畝傍の山に 鳴く鳥の 声も聞こえず 玉桙の 道行く人も ひとりだに 似てし行かねば すべをなみ 妹が名呼びて 袖ぞ振りつる (名のみを聞きてありえねば)

2巻-209 柿本人麻呂黄葉の散りゆくなへに玉梓の使を見れば逢ひし日思ほゆ

3巻-420 丹生王なゆ竹の とをよる御子 さ丹つらふ 我が大君は こもりくの 初瀬の山に 神さびに 斎きいますと 玉梓の 人ぞ言ひつる およづれか 我が聞きつる たはことか 我が聞きつるも 天地に 悔しきことの 世間の 悔しきことは 天雲の そくへの極み 天地の 至れるまでに 杖つきも つかずも行きて 夕占問ひ 石占もちて 我が宿に みもろを立てて 枕辺に 斎瓮を据ゑ 竹玉を 間なく貫き垂れ 木綿たすき かひなに懸けて 天なる ささらの小野の 七節菅 手に取り持ちて ひさかたの 天の川原に 出で立ちて みそぎてましを 高山の 巌の上に いませつるかも

3巻-445 大伴三中いつしかと待つらむ妹に玉梓の言だに告げず去にし君かも

4巻-619 坂上郎女おしてる 難波の菅の ねもころに 君が聞こして 年深く 長くし言へば まそ鏡 磨ぎし心を ゆるしてし その日の極み 波の共 靡く玉藻の かにかくに 心は持たず 大船の 頼める時に ちはやぶる 神か離くらむ うつせみの 人か障ふらむ 通はしし 君も来まさず 玉梓の 使も見えず なりぬれば いたもすべなみ ぬばたまの 夜はすがらに 赤らひく 日も暮るるまで 嘆けども 験をなみ 思へども たづきを知らに たわや女と 言はくもしるく たわらはの 音のみ泣きつつ た廻り 君が使を 待ちやかねてむ

7巻-1415 玉梓の妹は玉かもあしひきの清き山辺に撒けば散りぬる

7巻-1416 玉梓の妹は花かもあしひきのこの山蔭に撒けば失せぬる

10巻-2111 玉梓の君が使の手折り来るこの秋萩は見れど飽かぬかも

11巻-2548 かくだにも我れは恋ひなむ玉梓の君が使を待ちやかねてむ

11巻-2586 人言を繁みと君に玉梓の使も遣らず忘ると思ふな

12巻-2945 玉梓の君が使を待ちし夜のなごりぞ今も寐ねぬ夜の多き

12巻-3103 逢はなくはしかもありなむ玉梓の使をだにも待ちやかねてむ

13巻-3258 あらたまの 年は来ゆきて 玉梓の 使の来ねば 霞立つ 長き春日を 天地に 思ひ足らはし たらちねの 母が飼ふ蚕の 繭隠り 息づきわたり 我が恋ふる 心のうちを 人に言ふ ものにしあらねば 松が根の 待つこと遠み 天伝ふ 日の暮れぬれば 白栲の 我が衣手も 通りて濡れぬ

13巻-3344 この月は 君来まさむと 大船の 思ひ頼みて いつしかと 我が待ち居れば 黄葉の 過ぎてい行くと 玉梓の 使の言へば 蛍なす ほのかに聞きて 大地を ほのほと踏みて 立ちて居て ゆくへも知らず 朝霧の 思ひ迷ひて 杖足らず 八尺の嘆き 嘆けども 験をなみと いづくにか 君がまさむと 天雲の 行きのまにまに 射ゆ鹿猪の 行きも死なむと 思へども 道の知らねば ひとり居て 君に恋ふるに 哭のみし泣かゆ

16巻-3811 車持娘子さ丹つらふ 君がみ言と 玉梓の 使も来ねば 思ひ病む 我が身ひとつぞ ちはやぶる 神にもな負ほせ 占部据ゑ 亀もな焼きそ 恋ひしくに 痛き我が身ぞ いちしろく 身にしみ通り むらきもの 心砕けて 死なむ命 にはかになりぬ 今さらに 君か我を呼ぶ たらちねの 母のみ言か 百足らず 八十の衢に 夕占にも 占にもぞ問ふ 死ぬべき我がゆゑ

17巻-3957 大伴家持天離る 鄙治めにと 大君の 任けのまにまに 出でて来し 我れを送ると あをによし 奈良山過ぎて 泉川 清き河原に 馬留め 別れし時に ま幸くて 我れ帰り来む 平らけく 斎ひて待てと 語らひて 来し日の極み 玉桙の 道をた遠み 山川の 隔りてあれば 恋しけく 日長きものを 見まく欲り 思ふ間に 玉梓の 使の来れば 嬉しみと 我が待ち問ふに およづれの たはこととかも はしきよし 汝弟の命 なにしかも 時しはあらむを はだすすき 穂に出づる秋の 萩の花 にほへる宿を (言斯人為性好愛花草花樹而多<植>於寝院之庭 故謂之花薫庭也) 朝庭に 出で立ち平し 夕庭に 踏み平げず 佐保の内の 里を行き過ぎ あしひきの 山の木末に 白雲に 立ちたなびくと 我れに告げつる (佐保山火葬 故謂之佐保の内の里を行き過ぎ)

17巻-3973 大伴池主大君の 命畏み あしひきの 山野さはらず 天離る 鄙も治むる 大夫や なにか物思ふ あをによし 奈良道来通ふ 玉梓の 使絶えめや 隠り恋ひ 息づきわたり 下思に 嘆かふ我が背 いにしへゆ 言ひ継ぎくらし 世間は 数なきものぞ 慰むる こともあらむと 里人の 我れに告ぐらく 山びには 桜花散り 貌鳥の 間なくしば鳴く 春の野に すみれを摘むと 白栲の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き 娘子らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋すなり 心ぐし いざ見に行かな ことはたなゆひ

古今和歌集

なし

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

なし

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

なし

詞花和歌集

なし

千載和歌集

なし

新古今和歌集

1103-恋二 読人知らず たまつさのかよふはかりになくさめて後のよまてのうらみのこすな