枕詞 「にほどりの/鳰鳥の」の和歌集 万葉集、古今和歌集、後撰、拾遺和歌集から13首!

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「にほどりの」の歌

「にほどりの(にほとりの)」は葛飾、なづさふ、並ぶ、息長(おきなが)などにかかる枕詞

「鳰鳥の」と書く。鳰鳥はカイツブリという名の鳥。滋賀県の県鳥。鳰でもよい。「鳰の海」とは琵琶湖のこと。

水上に巣をつくる鳥で、水中を潜って魚を捕る姿から、潜く(かづく)と同音の葛飾(かづしか)、水に浮いている様から「なづさふ」にかかる。

潜る時間の長さから、息長などにもかかる。

「にほどりの」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
9 1 2 1 0 0 0 0 0
0.2 0.1 0.1 0.1 0 0 0 0 0
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

3巻-443 大伴三中天雲の 向伏す国の ますらをと 言はれし人は 天皇の 神の御門に 外の重に 立ち侍ひ 内の重に 仕へ奉りて 玉葛 いや遠長く 祖の名も 継ぎ行くものと 母父に 妻に子どもに 語らひて 立ちにし日より たらちねの 母の命は 斎瓮を 前に据ゑ置きて 片手には 木綿取り持ち 片手には 和栲奉り 平けく ま幸くいませと 天地の 神を祈ひ祷み いかにあらむ 年月日にか つつじ花 にほへる君が にほ鳥の なづさひ来むと 立ちて居て 待ちけむ人は 大君の 命畏み おしてる 難波の国に あらたまの 年経るまでに 白栲の 衣も干さず 朝夕に ありつる君は いかさまに 思ひませか うつせみの 惜しきこの世を 露霜の 置きて去にけむ 時にあらずして

4巻-725 坂上郎女にほ鳥の潜く池水心あらば君に我が恋ふる心示さね

5巻-794 山上憶良大君の 遠の朝廷と しらぬひ 筑紫の国に 泣く子なす 慕ひ来まして 息だにも いまだ休めず 年月も いまだあらねば 心ゆも 思はぬ間に うち靡き 臥やしぬれ 言はむすべ 為むすべ知らに 岩木をも 問ひ放け知らず 家ならば 形はあらむを 恨めしき 妹の命の 我れをばも いかにせよとか にほ鳥の ふたり並び居 語らひし 心背きて 家離りいます

11巻-2492 柿本人麻呂歌集思ひにしあまりにしかばにほ鳥のなづさひ来しを人見けむかも

12巻-2947 柿本人麻呂歌集にほ鳥のなづさひ来しを人見けむかも

14巻-3386 にほ鳥の葛飾早稲をにへすともその愛しきを外に立てめやも

15巻-3627 朝されば 妹が手にまく 鏡なす 御津の浜びに 大船に 真楫しじ貫き 韓国に 渡り行かむと 直向ふ 敏馬をさして 潮待ちて 水脈引き行けば 沖辺には 白波高み 浦廻より 漕ぎて渡れば 我妹子に 淡路の島は 夕されば 雲居隠りぬ さ夜更けて ゆくへを知らに 我が心 明石の浦に 船泊めて 浮寝をしつつ わたつみの 沖辺を見れば 漁りする 海人の娘子は 小舟乗り つららに浮けり 暁の 潮満ち来れば 葦辺には 鶴鳴き渡る 朝なぎに 船出をせむと 船人も 水手も声呼び にほ鳥の なづさひ行けば 家島は 雲居に見えぬ 我が思へる 心なぐやと 早く来て 見むと思ひて 大船を 漕ぎ我が行けば 沖つ波 高く立ち来ぬ 外のみに 見つつ過ぎ行き 玉の浦に 船を留めて 浜びより 浦礒を見つつ 泣く子なす 音のみし泣かゆ わたつみの 手巻の玉を 家づとに 妹に遣らむと 拾ひ取り 袖には入れて 帰し遣る 使なければ 持てれども 験をなみと また置きつるかも

18巻-4106 大伴家持大汝 少彦名の 神代より 言ひ継ぎけらく 父母を 見れば貴く 妻子見れば かなしくめぐし うつせみの 世のことわりと かくさまに 言ひけるものを 世の人の 立つる言立て ちさの花 咲ける盛りに はしきよし その妻の子と 朝夕に 笑みみ笑まずも うち嘆き 語りけまくは とこしへに かくしもあらめや 天地の 神言寄せて 春花の 盛りもあらむと 待たしけむ 時の盛りぞ 離れ居て 嘆かす妹が いつしかも 使の来むと 待たすらむ 心寂しく 南風吹き 雪消溢りて 射水川 流る水沫の 寄る辺なみ 左夫流その子に 紐の緒の いつがり合ひて にほ鳥の ふたり並び居 奈呉の海の 奥を深めて さどはせる 君が心の すべもすべなさ (言佐夫流者遊行女婦之字也)

20巻-4458 馬国人にほ鳥の息長川は絶えぬとも君に語らむ言尽きめやも (古新未詳)

古今和歌集

662-恋三 凡河内躬恒 冬の池に すむにほ鳥の つれもなく そこにかよふと 人に知らすな

後撰和歌集

72-春中 宮道高風 春の池の玉もに遊ふにほとりのあしのいとなきこひもするかな

502-冬 読人知らず 冬の池にすむにほ鳥のつれもなくしたにかよはん人にしらすな

拾遺和歌集

1145-雑秋 曾禰好忠 にほとりの氷の関にとちられて玉ものやとをかれやしぬらん

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

なし

詞花和歌集

なし

千載和歌集

なし

新古今和歌集

なし