阿倍仲麻呂 百人一首の意味と解説「天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも」

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小倉百人一首、7番札についての説明ページです。読み札(絵札)は「フリガナ付き」、取り札は「ひらがな書き」の共に縦書き。縦横比率も実物そっくりの札で百人一首を紹介します。品詞分解も大きな字と縦書きで読みやすく。

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百人一首 7番 「天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも」

唐に渡った仲麻呂。望郷の思い。

作者 阿倍仲麻呂について

  • 「あべのなかまろ」。唐での名は「晁衡(ちょうこう)」。
  • 698年-770年。
  • 留学生として唐に渡る。玄宗皇帝に仕えた。
  • 帰国できず、唐で没す。

歌の解説

古今集羇旅 406 「もろこしにて月を見てよめける」

阿倍仲麻呂あべのなかまろ
あまはら
ふりさければ
春日かすがなる
みかさのやま
でしつきかも
みかさのやまにいてしつきかも
  • 題訳 : 唐にて月を眺めてよんだ
  • ひらがな:あまのはら ふりさけみれは かすかなる みかさのやまに いてしつきかも
  • 現代仮名遣い(読み方)あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
  • 漢字書き:天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも
  • 注釈 : この歌は、むかしなかまろをもろこしにものならはしにつかはしたりけるに、あまたのとしをへて、えかへりまうでこざりけるを、このくにより又つかひまかりいたりけるにたぐひて、まうできなむとて、いでたちけるに、めいしうといふ所の海辺にて、かのくにの人むまのはなむけしけり。よるになりて月のいとおもしろくさしいでたりけるを見て、よめるとなむかたりつたふる。
  • 現代語訳:広い大空を仰いでみえる月は、奈良、春日の三笠山で出ていた月と同じ月なのだなぁ
  • 注釈訳 : この歌は、昔、仲麻呂を唐に学問のため留学生として派遣したけれど、何年経っても帰国できなかったが、わが国向かった遣唐使と一緒に帰ってこようと出立をしたので、明州という地の海辺で唐の人々と餞別の宴をした。夜になって月が大変美しく見えたので、よんだ歌であると伝わる。
  • 意味と解説:長年、唐で過ごした仲麻呂は、ついに帰国となる。唐の友人たちを前に和歌をうたった。望郷の歌。
  • 奈良の都の月は山の月、明州で見た月は海辺の月と対照的であるが、その違いをこえるほどに望郷の念は強い。
  • 仲麻呂の帰国の舟は難破し、ベトナムにたどり着く。死と伝えられた李白は大いに悲しみ、「晁卿衡を哭す」を詠む。それ以後、仲麻呂が帰国することはなった。
  • 土佐日記にも引用されている。

品詞分解

天の原ふりさけ見れマ上一(已然)接助春日固名なる存在(連体)
みかさの山固名格助出でダ下二(連用)過去(連体)かも終助

競技カルタ攻略

あまの→みか

あまのはら ふりさけみれば → みかさのやまに いてしつきかも

百人一首 言の葉データベース

札番下の句(取り札)よみ人
1
解説
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
#後撰集秋 #天皇
わかころもてはつゆにぬれつつ
天智天皇
2
解説
はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
#奈良県橿原市 #新古今集夏 #二句切れ #枕詞 #体言止め #天皇 #女流歌人
ころもほすてふあまのかくやま
持統天皇
3
解説
あしびきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ
#拾遺集恋 #枕詞 #序詞 #係り結び
なかなかしよをひとりかもねむ
柿本人麿
4
解説
たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
田子の浦に 打出でてみれば 白妙の ふじの高嶺に 雪は降りつつ
#静岡県静岡市清水区由比 #新古今集冬 #枕詞
ふしのたかねにゆきはふりつつ
山部赤人
5
解説
おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
奥山に 紅葉ふみ分け なく鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき
#古今集秋 #係り結び
こゑきくときそあきはかなしき
猿丸太夫
6
解説
かさゝぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
かさゝぎの 渡せる橋に おく霜の しろきを見れば 夜ぞふけにける
#新古今集冬 #見立て #係り結び
しろきをみれはよそふけにける
中納言家持
大伴家持
7
解説
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
天の原 ふりさけ見れば 春日なる みかさの山に 出でし月かも
#古今集羇旅
みかさのやまにいてしつきかも
阿倍仲麿
8
解説
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
#古今集雑 #三句切れ #掛詞 #係り結び #京都府宇治市
よをうちやまとひとはいふなり
喜撰法師
9
解説
はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
花の色は 移りにけりな 徒に 我が身世にふる ながめせしまに
#古今集春 #二句切れ #掛詞 #倒置法 #女流歌人
わかみよにふるなかめせしまに
小野小町
10
解説
これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
これや此の 行くも帰るも 別かれては 知るも知らぬも 逢坂の関
#滋賀県大津市 #後撰集雑 #掛詞 #体言止め
しるもしらぬもあふさかのせき
蝉丸
11
解説
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人にはつげよ 海人の釣舟
#古今集羇旅 #四句切 #擬人法 #体言止め
ひとにはつけよあまのつりふね
参議篁
小野篁
12
解説
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ をとめの姿 しばし留めむ
#古今集雑 #三句切れ #見立て
をとめのすかたしはしととめむ
僧正遍昭
13
解説
つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
筑波嶺の 峯より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
#茨城県つくば市 #後撰集恋 #序詞 #係り結び #天皇
こひそつもりてふちとなりぬる
陽成院
14
解説
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
陸奥の しのぶもぢずり 誰故に みだれ初めにし 我ならなくに
#福島県福島市 #古今集恋 #四句切れ #序詞 #縁語 #倒置法 #掛詞
みたれそめにしわれならなくに
河原左大臣
源融
15
解説
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ
#古今集春上 #天皇
わかころもてにゆきはふりつつ
光孝天皇
16
解説
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
立ち別れ いなばの山の 嶺におふる まつとし聞かば 今帰り来む
#鳥取県鳥取市 #古今集離別 #掛詞 #序詞
まつとしきかはいまかへりこむ
中納言行平
在原行平
17
解説
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川 唐紅に 水くくるとは
#古今集秋 #二句切れ #枕詞 #擬人法 #見立て #倒置法 #奈良県生駒郡斑鳩町
からくれなゐにみつくくるとは
在原業平朝臣
18
解説
すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
住の江の 岸に寄る浪 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
#大阪府大阪市住吉区 #古今集恋 #序詞 #係り結び
ゆめのかよひちひとめよくらむ
藤原敏行朝臣
19
解説
なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
難波潟 短き葦の ふしのまも あはで此の世を すぐしてよとや
#大阪府大阪市 #新古今集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人
あはてこのよをすくしてよとや
伊勢
20
解説
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
侘びぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
#大阪府大阪市 #後撰集恋 #二句切れ #掛詞 #係り結び
みをつくしてもあはむとそおもふ
元良親王
21
解説
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
#古今集恋
ありあけのつきをまちいてつるかな
素性法師
22
解説
ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
#古今集秋 #掛詞
むへやまかせをあらしといふらむ
文屋康秀
23
解説
つきみれば ちゞにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
#古今集秋 #三句切れ #倒置法 #係り結び
わかみひとつのあきにはあらねと
大江千里
24
解説
このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
#古今集羇旅 #二句切れ #見立て
もみちのにしきかみのまにまに
菅家
藤原道真
25
解説
なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人にしられで くるよしもがな
#後撰集恋 #掛詞 #縁語 #滋賀県大津市
ひとにしられてくるよしもかな
三条右大臣
藤原定方
26
解説
をぐらやま みねのもみぢば こゝろあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
小倉山 峯の紅葉ば 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
#京都府京都市右京区 #擬人法 #拾遺集秋
いまひとたひのみゆきまたなむ
貞信公
藤原忠平
27
解説
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
みかの原 わきて流るる 泉川 いつみきとてか 恋しかるらむ
#新古今集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #京都府木津川市
いつみきとてかこひしかるらむ
中納言兼輔
藤原兼輔
28
解説
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
#古今集冬 #三句切れ #掛詞 #倒置法 #係り結び
ひとめもくさもかれぬとおもへは
源宗于朝臣
29
解説
こゝろあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
#古今集秋 #二句切れ #倒置法 #体言止め #係り結び
おきまとはせるしらきくのはな
凡河内躬恒
30
解説
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
#古今集恋
あかつきはかりうきものはなし
壬生忠岑
31
解説
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
#古今集冬 #奈良県吉野郡吉野町 #体言止め
よしののさとにふれるしらゆき
坂上是則
32
解説
やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
#古今集秋 #擬人法 #見立て
なかれもあへぬもみちなりけり
春道列樹
33
解説
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづごころなく はなのちるらむ
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづごころなく 花の散るらむ
#古今集春 #枕詞 #擬人法
しつこころなくはなのちるらむ
紀友則
34
解説
たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
#古今集雑上 #兵庫県高砂市 #二句切れ #倒置法 #係り結び
まつもむかしのともならなくに
藤原興風
35
解説
ひとはいさ こゝろもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
人はいさ 心もしらず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
#古今集春 #二句切れ #係り結び
はなそむかしのかににほひける
紀貫之
36
解説
なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
#古今集夏 #擬人法
くものいつこにつきやとるらむ
清原深養父
37
解説
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
#後撰集秋 #見立て #係り結び
つらぬきとめぬたまそちりける
文屋朝康
38
解説
わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
#拾遺集恋 #二句切れ #女流歌人
ひとのいのちのをしくもあるかな
右近
39
解説
あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
#後撰集恋 #序詞 #係り結び
あまりてなとかひとのこひしき
参議等
源等
40
解説
しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
#拾遺集恋 #二句切れ #倒置法 #係り結び
ものやおもふとひとのとふまて
平兼盛
41
解説
こひすてふ わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもひそめしか
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
#拾遺集恋一 #三句切れ #倒置法 #係り結び
ひとしれすこそおもひそめしか
壬生忠見
42
解説
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すゑのまつやま なみこさじとは
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 浪こさじとは
#後拾遺集恋四 #初句切れ #倒置法 #歌枕 #本歌取り #宮城県多賀城市
すゑのまつやまなみこさしとは
清原元輔
43
解説
あひみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもはざりけり
逢ひみての 後の心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
#拾遺集恋二
むかしはものをおもはさりけり
権中納言敦忠
藤原淳忠
44
解説
あふことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
#拾遺集恋一
ひとをもみをもうらみさらまし
中納言朝忠
藤原朝忠
45
解説
あはれとも いふべきひとは おもほえで みのいたづらに なりぬべきかな
哀れとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
#拾遺集恋五
みのいたつらになりぬへきかな
謙徳公
藤原伊尹
46
解説
ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえ ゆくへもしらぬ こひのみちかな
由良の門を わたる舟人 梶をたえ 行方もしらぬ 恋の道かな
#京都府宮津市 #新古今集恋一 #序詞 #縁語
ゆくへもしらぬこひのみちかな
曽根好忠
47
解説
やへむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋はきにけり
#拾遺集 #係り結び
ひとこそみえねあきはきにけり
恵慶法師
48
解説
かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみ くだけてものを おもふころかな
風をいたみ 岩うつ浪の おのれのみ 砕けてものを 思ふ頃かな
#詞花集恋上 #序詞
くたけてものをおもふころかな
源重之
49
解説
みかきもり ゑじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもへ
御垣守 衛士のたく火の 夜はもえ 昼は消えつつ ものをこそ思へ
#詞花集恋上 #序詞 #係り結び
ひるはきえつつものをこそおもへ
大中臣能宣朝臣
50
解説
きみがため をしからざりし いのちさへ ながくもがなと おもひけるかな
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
#後拾遺集恋
なかくもかなとおもひけるかな
藤原義孝
51
解説
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを
かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを
#滋賀県米原市 #後拾遺集恋一 #四句切れ #序詞 #掛詞 #縁語 #倒置法
さしもしらしなもゆるおもひを
藤原実方朝臣
52
解説
あけぬれば くるるものとは しりながら なほうらめしき あさぼらけかな
明けぬれば くるるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
#後拾遺集恋
なほうらめしきあさほらけかな
藤原道信朝臣
53
解説
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る
#拾遺集恋四 #係り結び #女流歌人
いかにひさしきものとかはしる
右大将道綱母
54
解説
わすれじの ゆくすゑまでは かたければ けふをかぎりの いのちともがな
忘れじの 行末までは 難ければ 今日を限りの 命ともがな
#新古今集恋三 #女流歌人
けふをかきりのいのちともかな
儀同三司母
55
解説
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なほきこえけれ
瀧の音は たえて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞えけれ
#千載集雑上 #縁語 #掛詞 #係り結び
なこそなかれてなほきこえけれ
大納言公任
藤原公任
56
解説
あらざらむ このよのほかの おもひでに いまひとたびの あふこともがな
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな
#後拾遺集恋三 #女流歌人
いまひとたひのあふこともかな
和泉式部
57
解説
めぐりあひて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よはのつきかな
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな
#新古今集雑 #縁語 #係り結び #女流歌人
くもかくれにしよはのつきかな
紫式部
58
解説
ありまやま ゐなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
有馬山 猪名のささ原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
#兵庫県神戸市北区 #後拾遺集恋二 #序詞 #掛詞 #係り結び #女流歌人
いてそよひとをわすれやはする
大弐三位
59
解説
やすらはで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
やすらはで 寝なましものを 小夜更けて 傾くまでの 月を見しかな
#後拾遺集恋二 #女流歌人
かたふくまてのつきをみしかな
赤染衛門
60
解説
おほえやま いくののみちの とほければ まだふみもみず あまのはしだて
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
#京都府宮津市 #京都府福知山市 #金葉集雑 #掛詞 #縁語 #倒置法 #体言止め #女流歌人
またふみもみすあまのはしたて
小式部内侍
61
解説
いにしへの ならのみやこの やへざくら けふここのへに にほひぬるかな
古への 奈良の都の 八重ざくら 今日九重に 匂ひぬるかな
#詞花集春 #女流歌人
けふここのへににほひぬるかな
伊勢大輔
62
解説
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにあふさかの せきはゆるさじ
夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも 世に逢坂の 関はゆるさじ
#後拾遺集雑 #掛詞 #滋賀県大津市 #女流歌人
よにあふさかのせきはゆるさし
清少納言
63
解説
いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
#後拾遺集恋三
ひとつてならていふよしもかな
左京大夫道雅
藤原道雅
64
解説
あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえに あらはれわたる せぜのあじろぎ
朝ぼらけ 宇治の川霧 絶えだえに あらはれ渡る 瀬々の網代木
#京都府宇治市 #千載集冬 #体言止め
あらはれわたるせせのあしろき
権中納言定頼
藤原定頼
65
解説
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こひにくちなむ なこそをしけれ
恨み侘び ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
#後拾遺集恋四 #係り結び #女流歌人
こひにくちなむなこそをしけれ
相模
66
解説
もろともに あはれとおもへ やまざくら はなよりほかに しるひともなし
諸共に あはれと思へ 山ざくら 花よりほかに 知る人もなし
#金葉集雑上 #三句切れ #擬人法 #奈良県吉野郡天川村
はなよりほかにしるひともなし
前大僧正行尊
67
解説
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
#千載集雑上 #掛詞 #係り結び #女流歌人
かひなくたたむなこそをしけれ
周防内侍
68
解説
こゝろにも あらでうきよに ながらへば こひしかるべき よはのつきかな
心にも あらで憂世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
#後拾遺集雑一 #天皇
こひしかるへきよはのつきかな
三条院
69
解説
あらしふく みむろのやまの もみぢばは たつたのかはの にしきなりけり
嵐ふく 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
#後拾遺集秋 #見立て #歌枕 #本歌取り #奈良県生駒郡斑鳩町
たつたのかはのにしきなりけり
能因法師
70
解説
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いづくもおなじ あきのゆふぐれ
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづくも同じ 秋の夕暮れ
#後拾遺集秋上 #体言止め
いつくもおなしあきのゆふくれ
良暹法師
71
解説
ゆふされば かどたのいなば おとづれて あしのまろやに あきかぜぞふく
夕されば 門田の稲葉 おとづれて あしのまろやに 秋風ぞ吹く
#金葉集秋 #係り結び #京都府京都市右京区
あしのまろやにあきかせそふく
大納言経信
源経信
72
解説
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
音に聞く 高師の浜の あだ浪は かけじや袖の ぬれもこそすれ
#金葉集恋下 #四句切れ #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人 #大阪府堺市
かけしやそてのぬれもこそすれ
祐子内親王家紀伊
73
解説
たかさごの をのへのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなむ
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
#後拾遺集春上 #三句切れ
とやまのかすみたたすもあらなむ
権中納言匡房
大江匡房
74
解説
うかりける ひとをはつせの やまおろし はげしかれとは いのらぬものを
うかりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを
#千載集恋二 #擬人法
はけしかれとはいのらぬものを
源俊頼朝臣
75
解説
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あはれことしの あきもいぬめり
契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋も去ぬめり
#千載集雑上 #縁語
あはれことしのあきもいぬめり
藤原基俊
76
解説
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもゐにまがふ おきつしらなみ
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の 雲居にまがふ 沖つ白浪
#詞花集雑 #枕詞 #体言止め
くもゐにまかふおきつしらなみ
法性寺入道前関白太政大臣
藤原忠通
77
解説
せをはやみ いはにせかるる たきがはの われてもすゑに あはむとぞおもふ
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
#詞花集恋 #序詞 #係り結び #天皇
われてもすゑにあはむとそおもふ
崇徳院
78
解説
あはぢしま かよふちどりの なくこゑに いくよねざめぬ すまのせきもり
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
#兵庫県神戸市 #金葉集冬 #四句切れ #倒置法 #体言止め
いくよねさめぬすまのせきもり
源兼昌
79
解説
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ
秋風に たなびく雲の 絶間より もれ出づる月の 影のさやけさ
#新古今集秋上 #体言止め
もれいつるつきのかけのさやけさ
左京大夫顕輔
藤原顕輔
80
解説
ながからむ こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもへ
ながからむ 心も知らず 黒髪の みだれて今朝は ものをこそ思へ
#千載集恋三 #縁語 #係り結び #女流歌人
みたれてけさはものをこそおもへ
待賢門院堀河
81
解説
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる
#千載集夏 #係り結び
たたありあけのつきそのこれる
後徳大寺左大臣
藤原実定
82
解説
おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり
思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
#千載集恋三
うきにたへぬはなみたなりけり
道因法師
83
解説
よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
#千載集雑中 #二句切れ #係り結び
やまのおくにもしかそなくなる
皇太后宮大夫俊成
84
解説
ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき
ながらへば また此の頃や しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
#新古今集雑下 #三句切れ #係り結び
うしとみしよそいまはこひしき
藤原清輔朝臣
85
解説
よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
夜もすがら もの思ふ頃は 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
#千載集恋二
ねやのひまさへつれなかりけり
俊恵法師
86
解説
なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな
嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな
#千載集恋五 #三句切れ #擬人法 #係り結び
かこちかほなるわかなみたかな
西行法師
87
解説
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ
村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
#新古今集秋下 #体言止め
きりたちのほるあきのゆふくれ
寂蓮法師
88
解説
なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき
難波江の あしのかりねの 一夜ゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき
#千載集恋三 #序詞 #掛詞 #縁語 #係り結び #女流歌人 #大阪府大阪市
みをつくしてやこひわたるへき
皇嘉門院別当
89
解説
たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よはりもぞする
玉の緒よ たえなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
#新古今集恋一 #二句切れ #縁語 #係り結び #女流歌人
しのふることのよはりもそする
式子内親王
90
解説
みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色はかはらず
#宮城県松島町 #千載集恋四 #初句切れ #四句切れ #本歌取り #係り結び #女流歌人
ぬれにそぬれしいろはかはらす
殷富門院大輔
91
解説
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ
きりぎりす なくや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
#新古今集秋 #掛詞 #本歌取り #係り結び
ころもかたしきひとりかもねむ
後京極摂政前太政大臣
藤原(九条)良経
92
解説
わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
わが袖は 汐干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし
#千載集恋二 #序詞 #本歌取り #係り結び #女流歌人
ひとこそしらねかわくまもなし
二条院讃岐
93
解説
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも
世の中は 常にもがもな 渚こぐ 海人の小舟の 綱手かなしも
#新勅撰集羇旅 #二句切れ #本歌取り
あまのをふねのつなてかなしも
鎌倉右大臣
源実朝
94
解説
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり
み吉野の 山の秋風 小夜更けて ふるさと寒く 衣うつなり
#新古今集秋 #奈良県吉野町 #本歌取り
ふるさとさむくころもうつなり
参議雅経
藤原雅経
95
解説
おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで
おほけなく うき世の民に おほふかな 我が立つ杣に 墨染の袖
#千載集雑中 #三句切れ #掛詞 #縁語 #本歌取り #倒置法 #体言止め #滋賀県大津市
わかたつそまにすみそめのそて
前大僧正慈圓
96
解説
はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
花さそふ あらしの庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり
#新勅撰集雑一 #掛詞 #擬人法 #見立て
ふりゆくものはわかみなりけり
入道前太政大臣
藤原公経
97
解説
こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ
来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
#新勅撰集恋 #序詞 #掛詞 #縁語 #本歌取り #兵庫県淡路市
やくやもしほのみもこかれつつ
権中納言定家
藤原定家
98
解説
かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
風そよぐ 楢の小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
#新勅撰集夏 #掛詞 #本歌取り #係り結び #京都府京都市北区
みそきそなつのしるしなりける
従二位家隆
藤原家隆
99
解説
ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは
人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は
#続後撰集雑中 #二句切れ #倒置法 #天皇
よをおもふゆゑにものおもふみは
後鳥羽院
100
解説
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり
百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
#続後撰集雑下 #掛詞 #天皇
なほあまりあるむかしなりけり
順徳院