枕詞 「ふゆごもり/冬籠り」の和歌集 万葉集、金葉、千載、新古今和歌集から14首!

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八代古今後撰拾遺後拾遺金葉詞花千載新古今百人一首六歌仙三十六歌仙枕詞動詞光る君へ

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「ふゆごもり」の歌

「ふゆごもり(ふゆこもり)」は春、張るにかかる枕詞

「冬籠り」と書く。冬ごもりのあと、春が来る。

八代集では歌枕としては使用されていない。歌枕としては万葉のみ。

「ふゆごもり」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
9 2 0 0 0 1 0 1 1
0.2 0.2 0 0 0 0.2 0 0.1 0.1
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

1巻-16 額田王冬こもり 春さり来れば 鳴かずありし 鳥も来鳴きぬ 咲かずありし 花も咲けれど 山を茂み 入りても取らず 草深み 取りても見ず 秋山の 木の葉を見ては 黄葉をば 取りてぞ偲ふ 青きをば 置きてぞ嘆く そこし恨めし 秋山吾は

2巻-199 柿本人麻呂かけまくも ゆゆしきかも (ゆゆしけれども) 言はまくも あやに畏き 明日香の 真神の原に ひさかたの 天つ御門を 畏くも 定めたまひて 神さぶと 磐隠ります やすみしし 我が大君の きこしめす 背面の国の 真木立つ 不破山超えて 高麗剣 和射見が原の 仮宮に 天降りいまして 天の下 治めたまひ (掃ひたまひて) 食す国を 定めたまふと 鶏が鳴く 東の国の 御いくさを 召したまひて ちはやぶる 人を和せと 奉ろはぬ 国を治めと (掃へと) 皇子ながら 任したまへば 大御身に 大刀取り佩かし 大御手に 弓取り持たし 御軍士を 率ひたまひ 整ふる 鼓の音は 雷の 声と聞くまで 吹き鳴せる 小角の音も (笛の音は) 敵見たる 虎か吼ゆると 諸人の おびゆるまでに (聞き惑ふまで) ささげたる 幡の靡きは 冬こもり 春さり来れば 野ごとに つきてある火の (冬こもり 春野焼く火の) 風の共 靡くがごとく 取り持てる 弓弭の騒き み雪降る 冬の林に (木綿の林) つむじかも い巻き渡ると 思ふまで 聞きの畏く (諸人の 見惑ふまでに) 引き放つ 矢の繁けく 大雪の 乱れて来れ (霰なす そちより来れば) まつろはず 立ち向ひしも 露霜の 消なば消ぬべく 行く鳥の 争ふはしに (朝霜の 消なば消とふに うつせみと 争ふはしに) 渡会の 斎きの宮ゆ 神風に い吹き惑はし 天雲を 日の目も見せず 常闇に 覆ひ賜ひて 定めてし 瑞穂の国を 神ながら 太敷きまして やすみしし 我が大君の 天の下 申したまへば 万代に しかしもあらむと (かくしもあらむと) 木綿花の 栄ゆる時に 我が大君 皇子の御門を (刺す竹の 皇子の御門を) 神宮に 装ひまつりて 使はしし 御門の人も 白栲の 麻衣着て 埴安の 御門の原に あかねさす 日のことごと 獣じもの い匍ひ伏しつつ ぬばたまの 夕になれば 大殿を 振り放け見つつ 鶉なす い匍ひ廻り 侍へど 侍ひえねば 春鳥の さまよひぬれば 嘆きも いまだ過ぎぬに 思ひも いまだ尽きねば 言さへく 百済の原ゆ 神葬り 葬りいまして あさもよし 城上の宮を 常宮と 高く奉りて 神ながら 鎮まりましぬ しかれども 我が大君の 万代と 思ほしめして 作らしし 香具山の宮 万代に 過ぎむと思へや 天のごと 振り放け見つつ 玉たすき 懸けて偲はむ 畏かれども

3巻-382 丹比国人鶏が鳴く 東の国に 高山は さはにあれども 二神の 貴き山の 並み立ちの 見が欲し山と 神世より 人の言ひ継ぎ 国見する 筑波の山を 冬こもり 時じき時と 見ずて行かば まして恋しみ 雪消する 山道すらを なづみぞ我が来る

6巻-971 高橋虫麻呂白雲の 龍田の山の 露霜に 色づく時に うち越えて 旅行く君は 五百重山 い行きさくみ 敵守る 筑紫に至り 山のそき 野のそき見よと 伴の部を 班ち遣はし 山彦の 答へむ極み たにぐくの さ渡る極み 国形を 見したまひて 冬こもり 春さりゆかば 飛ぶ鳥の 早く来まさね 龍田道の 岡辺の道に 丹つつじの にほはむ時の 桜花 咲きなむ時に 山たづの 迎へ参ゐ出む 君が来まさば

7巻-1336 冬こもり春の大野を焼く人は焼き足らねかも我が心焼く

9巻-1705 柿本人麻呂歌集冬こもり春へを恋ひて植ゑし木の実になる時を片待つ我れぞ

10巻-1824 冬こもり春さり来ればあしひきの山にも野にも鴬鳴くも

10巻-1891 柿本人麻呂歌集冬こもり春咲く花を手折り持ち千たびの限り恋ひわたるかも

13巻-3221 冬こもり 春さり来れば 朝には 白露置き 夕には 霞たなびく 汗瑞能振 木末が下に 鴬鳴くも

古今和歌集

323-冬 紀貫之 雪降れば 冬ごもりせる 草も木も 春に知られぬ 花ぞ咲きける

331-冬 紀貫之 冬ごもり 思ひかけぬを 木の間より 花と見るまで 雪ぞ降りける

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

なし

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

103-夏 藤原公実 雪の色をうばひて咲ける卯の花に小野の里人冬ごもりすな

詞花和歌集

なし

千載和歌集

390-冬 崇徳院 ひまもなくちるもみちはにうつもれて庭のけしきも冬こもりけり

新古今和歌集

660-冬 藤原長方 はつ雪のふるの神すきうつもれてしめゆふ野辺は冬こもりせり