allとwholeの違いと正しい使い方
allとwholeの違いをイラストで解説

allとwholeの違いについて
| 用途 | all | whole |
|---|---|---|
| 品詞 | 代名詞 / 形容詞 / 副詞 | 形容詞 / 名詞 |
| 「the」や所有格(myなど)との位置関係 |
【限定詞の前】に置く all the time / all my life |
【限定詞の後】に置く the whole time / my whole life |
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数えられる名詞の複数形 (個々の集まりすべて) |
All students must attend. (すべての生徒が出席しなければならない) |
× (原則、複数名詞を直接修飾しない) |
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数えられない名詞 (水、情報、お金など) |
I spent all the money. (お金をすべて使ってしまった) |
× (不可算名詞には使えない) |
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1つのものの 「丸ごと、最初から最後まで」 |
I watched TV all day. (一日中テレビを見ていた) |
I ate a whole pizza. (ピザを丸ごと1枚食べた) |
| ニュアンスの核心 |
バラバラの個体や液体などをひっくるめた「全部の」「すべての」 |
1つのまとまった単位を分割せず、欠けがない状態の「丸ごとの」「全体の」 |
日本語ではどちらも「すべて」「全部」と訳されることが多い "all" と "whole" ですが、対象を「バラバラの要素の集まり」と捉えているか、「1つの塊(カタマリ)」と捉えているかという視点に決定的な違いがあります。
「all」は、複数の人やモノ、あるいは水やお金といった境界線のないものまでを含めて、それらを「ひっくるめて全部」と表現する、最も一般的で万能な単語です。
「whole」は、ピザ1枚、1つの国、1人の人間など、元々「1つの完結した単位」であるものに対して、どこも欠けることなく「頭からつま先まで丸ごと全部」と強調する表現です。
また、文法的な語順(the や my などの限定詞と組み合わせる位置)が真逆になるため、形の上でもはっきりと区別する必要があります。
個体の集まりや境界のない総量を表す万能な「all」
「all」は、後ろに「数えられる名詞の複数形」も「数えられない名詞(不可算名詞)」も両方置くことができます。複数のものが集まってできた全体の合計(総数)を指すイメージです。また、`the` や `my` と一緒に使う場合は、必ず "all + the/my + 名詞" の順番になります。
- All the passengers survived the airplane accident.
(その飛行機事故で、すべての乗客が助かった)
→ 乗客一人ひとりが集まった「全員」を指すため、all(+複数名詞)が最適です。語順も all the となっています。 - He drank all the milk in the refrigerator.
(彼は冷蔵庫の中にあった牛乳をすべて飲み干した)
→ 牛乳(milk)は数えられない液体ですが、その「総量」を指すために all が使われています。※whole milk と言うと「(脂肪分を抜いていない)成分無調整乳」という全く別の意味になります。 - All I want for Christmas is you.
(私がクリスマスに欲しいのは、あなただけ[すべての望みがあなた]です)
→ 「〜なことのすべて(everything)」という意味の代名詞として、関係代名詞を伴って使われる有名なパターンです。
1つの塊に「欠けがないこと」を強調する「whole」
「whole」は、1つの独立した単数名詞(または単数扱いされる集合名詞)を修飾し、それが「欠けることなく100%完全な状態であること」を強調します。語源が「healthy(健全な・傷のない)」と繋がっているため、「どこも削られていない丸ごとの状態」を指します。また、`the` や `my` と組み合わせる場合は、必ず "the/my + whole + 名詞" の順番になります。
- She was so hungry that she ate the whole cake by herself.
(彼女はとてもお腹が空いていたので、ケーキを丸ごと1個1人で食べてしまった)
→ カットされていない、円形のホールケーキを「どこも欠かさずに全部」平らげたダイナミックな様子を表します。 - The whole town was flooded after the heavy rain.
(大雨の後、町全体が洪水に見舞われた)
→ 町という「1つのエリア・コミュニティ」の隅から隅まで丸ごと、という意味です。`all the town` とは言えません。 - I haven't seen him in a while; it feels like a whole year.
(しばらく彼に会っていない。丸1年が経ったような気がするよ)
→ 単数名詞(year)を強調し、途切れることのない「完全に満ちた1年間」という意味を表現しています。
似た表現との違い(every, entire)
「all」や「whole」に似た「全部」を表す単語として、「every」や「entire」があります。
- every(どの〜もみな, あらゆる)
allと同じく「全員・すべて」を意味しますが、集団をひっくるめるallとは違い、「一人ひとり、1つひとつ」にスポットライトを当てて個別に意識するニュアンスです。後ろには必ず【単数名詞】が来ます。
Every student has a unique talent.(どの生徒にも、それぞれ固有の才能がある) - entire(全体の, 完全な)
wholeの完全な類義語ですが、wholeよりも硬く、フォーマルな文脈(ビジネス、ニュース、論文など)で好まれる表現です。組織、期間、予算などが「何一つ欠けることなく完全に網羅されている」という、客観的で厳密なニュアンスを持ちます。
The entire staff agreed to the new company policy.(全スタッフが、会社の新しい方針に同意した)
イディオムとしての「all」と「whole」
日常会話やビジネス、あるいは感情を強調したいときに役立つ定番の表現です。
- All in all
(概して, 要するに, あれこれ考えてみると)
→ ビジネスの報告や、日記・レビューの締めくくりで超頻出するフレーズです。細かい問題はいろいろあったけれど、それらを「すべて(all)を1つの中に(in all)放り込んで総合評価すると」というニュアンスになります。
The weather wasn't great, but all in all, it was a wonderful trip.
(天気はあまり良くなかったけれど、総合的に見れば素晴らしい旅行だった) - A whole new ball game
(全く新しい状況, 状況の完全な一変, 話が別である)
→ 野球(ball game)の試合が完全にリセットされて最初からやり直しになるイメージから、「これまでの前提やルールが一切通用しない、全く新しい局面に突入した」という比喩表現としてビジネスでもよく使われます。
Now that we have a budget cut, it’s a whole new ball game.
(予算が削減された今、状況は180度変わって全く別の話になった) - On the whole
(概して, 大体において, 全体としては)
→ 上述の "all in all" と似ていますが、こちらは「例外や小さな欠点はあるかもしれないが、大きな塊(whole)の上に乗ってマクロな視点で見れば、大体こうである」という、客観的で少し硬めの洗練された表現です。
On the whole, the new product has received very positive reviews.
(全体として、その新製品は非常に肯定的な評価を得ています)