労働条件の絶対的明示事項と相対的明示事項
労働条件の絶対的明示事項 |
労働条件の相対的明示事項(口頭可) |
昇給に関する事項以外、必ず書面による明示 |
定めたなら、必ず明示する |
労働契約期間、契約更新の基準、就業の場所、業務に関する事項 時間外労働の有無 ※労働条件の独自事項 始業終業時刻、 休憩、休日、休暇、就業時転換に関する事項 賃金決定、計算、支払方法、締切、支払時期に関する事項 昇給(口頭可)に関する事項 退職に関する事項(解雇の事由含む) ※就業規則と共通事項 |
退職手当 臨時賃金、賞与、最低賃金 表彰及び制裁に関する事項 食費、作業用品その他に関する事項 安全衛生、職業訓練に関する事項 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項 休職に関する事項 |
※就業の場所、業務は雇入れ直後のものを明示すれば足りる。
※昇給に関する事項は絶対的明示事項でありながら口頭可であり、就業規則においては絶対的必要記載事項
※退職に関する事項には退職手当に関する事項は含まれていない。
※労働条件を明示しなかった場合であっても、労働者と使用者の合意により労働契約は成立する
※労働条件の明示は締結・更新時においてのみであり、変更があっても明示する必要はない
→「労働条件の変更は合理的なものでなければならない」のみであるから、変更で明示は不要となる
就業規則と比較
絶対的必要記載事項(必ず記載) |
相対的必要記載事項(定めたら記載) |
始業終業時刻、休憩、休日、休暇、就業時転換に関する事項 賃金決定、計算、支払方法、締切、支払時期 昇給 退職に関する事項 ※労働条件と共通事項 ※すべての労働者に適用されるものが対象であり、個々の労働者ごとに決定するものは対象外 |
退職手当 臨時賃金 食費等 安全衛生 職業訓練 災害補償等 表彰・制裁(減給等)等 その他、全ての労働者に適用するあらゆる定め |
7日と14日の横断整理
労働条件の相違による解除の場合、14日以内の帰郷に対して生計維持同居人を含む旅費(食費等を含む)を使用者が負担する。
労働者の退職・死亡における金品の返還 | 請求から7日以内に払う | ||
本人・生計維持者の帰郷の非常時払い ※生計維持者は親族である必要はない
|
1週間以上にわたる帰郷 | ||
労働条件相違による帰郷の費用負担 | 離職から14日以内の帰郷 |
||
年少者の帰郷の費用負担 ※労働者に責め+行政官庁の認定で支払い不要に
|
労働条件の明示に関するパート法との比較
パート法においては、退職手当の有無、昇給の有無、賞与の有無、短時間労働者雇用管理改善等に関する事項に係る相談窓口について文書交付義務がある
|
労働基準法 |
パート法 |
契約期間、更新基準、場所、時間、退職、賃金 |
書面明示 |
|
特定事項 (昇給・退職・賞与の有無・相談窓口) |
口頭可 (相談窓口除く) |
文書交付等義務 |
その他(休職など) |
口頭可 |
文書交付等努力 |
労働基準法 |
|
---|---|
総則 |
労働者と使用者 - 適用除外 - 差別禁止規定 - 労働協約、就業規則、労働契約、労使協定の違いと優先度 - 出向労働者 - 労働者派遣と中間搾取 - 賃金となるもの - 平均賃金 |
労働契約 |
締結と解除 - 労働条件の明示事項 - 相殺の禁止 - 社内預金と通帳保管 - 解雇予告手当 - 解雇制限期間 - 退職時証明と解雇の理由証明 - 金品の返還 |
賃金 |
賃金支払いの原則 - 非常時払い - 休業手当 |
労働時間 |
労働時間の原則 - 1カ月単位の変形労働時間制 - 1年単位の変形労働時間制 - 1週間単位の非定型的変形労働時間制 - フレックスタイム制 - 休憩 - 休日 - 36協定 - 延長時間の限度 - みなし労働時間制度 - 労働時間規制の適用除外 - 年次有給休暇 - 時間単位・計画的付与など - 有給の判例 |
年少者と妊産婦 |
年少者 - 妊産婦 |
就業規則ほか |
就業規則 - 就業規則の効力 - 寄宿舎 - 雑則 |
論点整理 |
論点一覧 |
労基の横断整理 | 労働基準法のゴロ合わせ - 罰則規定なし - 帰郷 - 解雇 - 労使協定と代替決議 - 変形労働時間制 |