枕詞 「なつくさの/夏草の」の和歌集 万葉集、古今、拾遺、金葉、新古今から17首!

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「なつくさの」の歌

「なつくさの」はしげし、探し、かりそめなどにかかる枕詞

「夏草の」と書く。夏草が茂る意から「しげし」、「深し」。夏草を刈るから、「かりそめ」。

「なつくさの」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
9 2 0 1 0 2 0 0 3
0.2 0.2 0 0.1 0 0.3 0 0 0.2
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

2巻-131 柿本人麻呂石見の海 角の浦廻を 浦なしと 人こそ見らめ 潟なしと (礒なしと) 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟は (礒は) なくとも 鯨魚取り 海辺を指して 柔田津の 荒礒の上に か青なる 玉藻沖つ藻 朝羽振る 風こそ寄せめ 夕羽振る 波こそ来寄れ 波のむた か寄りかく寄り 玉藻なす 寄り寝し妹を (はしきよし 妹が手本を) 露霜の 置きてし来れば この道の 八十隈ごとに 万たび かへり見すれど いや遠に 里は離りぬ いや高に 山も越え来ぬ 夏草の 思ひ萎へて 偲ふらむ 妹が門見む 靡けこの山

2巻-138 柿本人麻呂石見の海 津の浦をなみ 浦なしと 人こそ見らめ 潟なしと 人こそ見らめ よしゑやし 浦はなくとも よしゑやし 潟はなくとも 鯨魚取り 海辺を指して 柔田津の 荒礒の上に か青なる 玉藻沖つ藻 明け来れば 波こそ来寄れ 夕されば 風こそ来寄れ 波のむた か寄りかく寄り 玉藻なす 靡き我が寝し 敷栲の 妹が手本を 露霜の 置きてし来れば この道の 八十隈ごとに 万たび かへり見すれど いや遠に 里離り来ぬ いや高に 山も越え来ぬ はしきやし 我が妻の子が 夏草の 思ひ萎えて 嘆くらむ 角の里見む 靡けこの山

2巻-196 柿本人麻呂飛ぶ鳥の 明日香の川の 上つ瀬に 石橋渡し (石なみ) 下つ瀬に 打橋渡す 石橋に (石なみに) 生ひ靡ける 玉藻もぞ 絶ゆれば生ふる 打橋に 生ひををれる 川藻もぞ 枯るれば生ゆる なにしかも 我が大君の 立たせば 玉藻のもころ 臥やせば 川藻のごとく 靡かひし 宜しき君が 朝宮を 忘れたまふや 夕宮を 背きたまふや うつそみと 思ひし時に 春へは 花折りかざし 秋立てば 黄葉かざし 敷栲の 袖たづさはり 鏡なす 見れども飽かず 望月の いやめづらしみ 思ほしし 君と時々 出でまして 遊びたまひし 御食向ふ 城上の宮を 常宮と 定めたまひて あぢさはふ 目言も絶えぬ しかれかも (そこをしも) あやに悲しみ ぬえ鳥の 片恋づま (しつつ) 朝鳥の (朝霧の) 通はす君が 夏草の 思ひ萎えて 夕星の か行きかく行き 大船の たゆたふ見れば 慰もる 心もあらず そこ故に 為むすべ知れや 音のみも 名のみも絶えず 天地の いや遠長く 偲ひ行かむ 御名に懸かせる 明日香川 万代までに はしきやし 我が大君の 形見かここを

3巻-250 柿本人麻呂玉藻刈る敏馬を過ぎて夏草の野島が崎に船近づきぬ

9巻-1753 高橋虫麻呂歌集衣手 常陸の国の 二並ぶ 筑波の山を 見まく欲り 君来ませりと 暑けくに 汗かき嘆げ 木の根取り うそぶき登り 峰の上を 君に見すれば 男神も 許したまひ 女神も ちはひたまひて 時となく 雲居雨降る 筑波嶺を さやに照らして いふかりし 国のまほらを つばらかに 示したまへば 嬉しみと 紐の緒解きて 家のごと 解けてぞ遊ぶ うち靡く 春見ましゆは 夏草の 茂くはあれど 今日の楽しさ

10巻-1984 このころの恋の繁けく夏草の刈り掃へども生ひしくごとし

10巻-1994 夏草の露別け衣着けなくに我が衣手の干る時もなき

11巻-2769 我が背子に我が恋ふらくは夏草の刈り除くれども生ひしくごとし

15巻-3606 玉藻刈る処女を過ぎて夏草の野島が崎に廬りす我れは

古今和歌集

462-物名 壬生忠岑 夏草の 上はしげれる 沼水の 行く方のなき 我が心かな

686-恋四 凡河内躬恒 枯れはてむ のちをば知らで 夏草の 深くも人の 思ほゆるかな

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

829-恋三 読人知らず 夏草のしけみにおふるまろこすけまろかまろねよいくよへぬらん

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

142-夏 壬生忠見 夏草のなかを露けみかきわけて刈る人なしに茂る野邊かな

611-雑下 読人知らず 露のみの消えもはてなば夏草のははいかにしてあらむとすらむ

詞花和歌集

なし

千載和歌集

なし

新古今和歌集

547-秋下 能因法師 夏草のかりそめにとてこしやともなにはの浦に秋そくれぬる

1068-恋一 読人知らず あしひきのやましたしけき夏草のふかくも君をおもふ比かな

1375-恋五 読人知らず 夏草のつゆわけ衣きもせぬになとわか袖のかはく時なき