藤原公任の和歌集 勅撰和歌集 八代集より。平安中期の貴族文化

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勅撰和歌集(八代集)に収録された藤原公任の和歌の一部を紹介します。

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    藤原公任の勅撰和歌集

    拾遺和歌集

    1069-雑春 紫の雲とそ見ゆる藤の花いかなるやとのしるしなるらん

    210-秋 あさまたき嵐の山のさむけれは紅葉の錦きぬ人そなき

    230-冬 しもおかぬ袖たにさゆる冬の夜にかものうはけを思ひこそやれ

    256-冬 梅かえにふりつむ雪はひととせにふたたひさける花かとそ見る

    340-別 あつまちのこのしたくらくなりゆかは宮この月をこひさらめやは

    449-雑上 たきの糸はたえてひさしく成りぬれと名こそ流れて猶きこえけれ

    1015-雑春 春きてそ人もとひける山さとは花こそやとのあるしなりけれ

    1022-雑春 たれにより松をもひかん鴬のはつねかひなきけふにもあるかな

    1065-雑春 ゆきかへる春をもしらす花さかぬみ山かくれのうくひすのこゑ

    1093-雑秋 天の河のちのけふたにはるけきをいつともしらぬふなてかなしな

    1174-雑賀 きみか世に今いくたひかかくしつつうれしき事にあはんとすらん

    1175-雑賀 すみそむるすゑの心の見ゆるかなみきはの松のかけをうつせは

    1300-哀傷 常ならぬ世はうき身こそかなしけれそのかすにたにいらしとおもへは

    1335-哀傷 思ひしる人も有りける世の中をいつをいつとてすくすなるらん

    1336-哀傷 ささなみやしかのうら風いかはかり心の内の源しかるらん

    後拾遺和歌集

    52-春上 春の夜のやみにしなれば匂ひくる梅よりほかの花なかりけり

    56-春上 わかやどの梅のさかりにくる人はどとろくばかり袖ぞにほへる

    257-秋上 すむとても幾夜もあらじ世の中にくもりがちなる秋の夜の月

    268-秋上 年へぬる秋にもあかず鈴虫のふり行くままに声のまされば

    359-秋下 山里の紅葉見にとや思ふらん散りはててこそとふべかりけれ

    377-冬 おちつもる紅葉をみれば大井川ゐぜきに秋もとまるなりけり

    417-冬 ふる雪は年とともにぞ積もりけるいづれか高くなりまさるらん

    434-賀 いとけなき衣の袖はせばくとも劫のいしをばなでつくしてむ

    497-別 天の河のちのけふだにはるけきをいつともしらぬ舟出かなしな

    501-羈旅 ゆく道の紅葉の色も見るべきを霧とともにやいそぎたつべき

    628-恋一 雲井にて契りし中はたなばたをうらやむばかりなりにけるかな

    982-雑三 おしなべてさく白菊はやへやへの花の霜とぞみえわたりける

    1031-雑三 思ひしる人もありける世の中をいつをいつとてすぐすなるらむ

    1035-雑三 谷風になれずといかが思ふらむ心ははやくすみにしものを

    1072-雑四 橋柱なからましかば流れての名をこそきかめあとをみましや

    1113-雑五 身をつみておぼつかなきは雪やまぬ春日の野辺の若菜なりけり

    1114-雑五 三笠山春日の原の朝霧にかへりたつらむ今朝をこそまて

    1189-雑六 風ふけばまづ破れぬる草の葉によそふるからに袖ぞ露けき

    1196-雑六 世を救ふうちにはたれかいらざらむ普き門は人しささねば

    金葉和歌集

    84-春 紫の雲とぞ見ゆる藤の花いかなる宿のしるしなるらむ

    258-秋 いづかたに秋のゆくらむ我が宿に今宵ばかりの雨宿りせよ

    356-別 東路の木の下くらくなりゆかば都の月をこひざらめやは

    詞花和歌集

    139-秋 いづかたに秋のゆくらむ我が宿に今宵ばかりは雨宿りせで

    168-賀 ひととせを暮れぬとなにか惜しむべき尽きせぬ千代の春をまつには

    206-恋上 ひとかたに思ひ絶えにし世の中をいかがはすべきしづのをだまき

    392-雑下 いにしへを恋ふるなみだにくらされておぼろにみゆる秋の夜の月

    千載和歌集

    269-秋上 時しもあれ秋ふるさとにきてみれは庭は野へともなりにけるかな

    477-離別 わかれよりまさりてをしき命かなきみに二たひあはむとおもへは

    546-哀傷 行きかへり春やあはれとおもふらん契りし人の又もあはねは

    657-恋一 おほつかなうるまの島の人なれやわかことのはをしらぬかほなる

    1035-雑上 百人一首 たきのおとはたえてひさしく成りぬれとなこそなかれて猶きこえけれ

    1058-雑中 いまはとていりなん後そおもほゆる山ちをふかみとふ人もなし

    1059-雑中 うき世をはみねのかすみやへたつらんなほ山さとはすみよかりけり

    1099-雑中 たにかせの身にしむことに古郷のこのもとをこそおもひやりつれ

    1101-雑中 おなしとし契しあれは君かきるのりの衣をたちおくれめや

    1202-釈教 ここにきえかしこにむすふ水のあわのうきよにめくる身にこそ有りけれ

    1203-釈教 さためなき身はうき雲によそへつつはてはそれにそなりはてぬへき

    新古今和歌集

    546-秋下 うちむれてちるもみちはをたつぬれは山ちよりこそ秋はゆきけれ

    666-冬 白山にとしふる雪やつもるらんよはにかたしくたもとさゆなり

    800-哀傷 けふこすはみてややままし山さとのもみちも人もつねならぬよに

    1004-恋一 あまつそらとよのあかりに見し人のなをおもかけのしひてこひしき

    1043-恋一 ほとときすいつかとまちしあやめくさけふはいかなるねにかなくへき

    1584-雑上 ほともなくさめぬる夢の中なれとそのよににたる花の色かな