枕詞 「いそのかみ」の和歌集 万葉集、古今、後撰、拾遺、後拾遺、詞花、新古今から33首!

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「いそのかみ」の歌

「いさなとり」は布留、古る、降るにかかる枕詞。「石上」と書く。

石上は奈良(大和)にある地名で、布留も奈良にある地名。古る、振るは同音であることから。

奈良に由来するが万葉集に限らない。

「いそのかみ」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
10 5 3 5 1 0 1 1 7
0.2 0.5 0.2 0.4 0.1 0 0.2 0.1 0.4
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

3巻-422 丹生王石上布留の山なる杉群の思ひ過ぐべき君にあらなくに

4巻-664 大伴像見石上降るとも雨につつまめや妹に逢はむと言ひてしものを

6巻-1019 石上 布留の命は 手弱女の 惑ひによりて 馬じもの 縄取り付け 獣じもの 弓矢囲みて 大君の 命畏み 天離る 鄙辺に罷る 古衣 真土の山ゆ 帰り来ぬかも

7巻-1353 石上布留の早稲田を秀でずとも縄だに延へよ守りつつ居らむ

9巻-1768 抜氣大首石上布留の早稲田の穂には出でず心のうちに恋ふるこのころ

9巻-1787 笠金村歌集うつせみの 世の人なれば 大君の 命畏み 敷島の 大和の国の 石上 布留の里に 紐解かず 丸寝をすれば 我が着たる 衣はなれぬ 見るごとに 恋はまされど 色に出でば 人知りぬべみ 冬の夜の 明かしもえぬを 寐も寝ずに 我れはぞ恋ふる 妹が直香に

10巻-1927 石上布留の神杉神びにし我れやさらさら恋にあひにける

11巻-2417 柿本人麻呂歌集石上布留の神杉神さぶる恋をも我れはさらにするかも

12巻-2997 石上布留の高橋高々に妹が待つらむ夜ぞ更けにける

12巻-3013 我妹子や我を忘らすな石上袖布留川の絶えむと思へや

古今和歌集

144-夏 素性法師 いそのかみ ふるきみやこの 郭公 声ばかりこそ 昔なりけれ

※詞書では奈良の石上寺にてよむとなっているが、枕詞として古き都つまり、奈良全体として解釈することも。

679-恋四 紀貫之 いそのかみ ふるのなか道 なかなかに 見ずは恋しと 思はましやは

870-雑上 布留今道 日の光 藪しわかねば いそのかみ ふりにし里に 花も咲きけり

886-雑上 読人知らず いそのかみ ふるから小野の もとかしは もとの心は 忘られなくに

1022-雑体 読人知らず いそのかみ ふりにし恋の かみさびて たたるに我は いぞ寝かねつる

後撰和歌集

49-春中 僧正遍昭 いそのかみふるの山への桜花うゑけむ時をしる人そなき

368-秋下 在原元方 いそのかみふるのの草も秋は猶色ことにこそあらたまりけれ

756-恋三 藤原仲平 夜ひのまにはやなくさめよいそのかみふりにしとこもうちはらふへく

拾遺和歌集

45-春 壬生忠見 春くれはまつそうち見るいそのかみめつらしけなき山田なれとも

582-神楽歌 不記 いそのかみふるやをとこのたちもかなくみのをしてて宮ちかよはむ

765-恋二 大伴方見 いそのかみふるとも雨にさはらめやあはむといもにいひてしものを

862-恋四 藤原忠房 いそのかみふりにしこひのかみさひてたたるに我はねきそかねつる

867-恋四 読人知らず いそのかみふるの社のゆふたすきかけてのみやはこひむと思ひし

後拾遺和歌集

367-秋下 藤原範永 見しよりも荒れぞしにけるいそのかみ秋は時雨のふりまさりつつ

金葉和歌集

なし

詞花和歌集

40-春 藤原範永 散る花もあはれとみずや石上ふりはつるまで惜しむこころを

千載和歌集

1256-神祇 上東門院 みかさ山さしてきにけりいそのかみふるきみゆきのあとをたつねて

新古今和歌集

88-春上 読人知らず いそのかみふるき宮こをきてみれはむかしかさしし花さきにけり

96-春上 堀川通具 いそのかみふるののさくらたれうへて春はわすれぬかたみなるらん

171-春下 藤原俊成女 いそのかみふるのわさたをうちかへしうらみかねたる春のくれかな

698-冬 九条良経 いそのかみふる野のをささしもをへてひとよはかりにのこるとしかな

993-恋一 読人知らず いそのかみふるのわさ田のほにはいてす心のうちにこひやわたらん

1028-恋一 九条良経 いそのかみふるの神すきふりぬれといろにはいてすつゆも時雨も

1684-雑中 能因法師 いそのかみふりにし人をたつぬれはあれたるやとにすみれつみけり