枕詞 「からころも」の和歌集 万葉集、古今、後撰、拾遺、後拾遺、金葉、千載、新古今から69首!

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「からころも」の歌

「からころも」は着る、裁つ、はる、袖、裾、紐などにかかる枕詞。「唐衣」、「韓衣」と書く。

唐衣とは袖が広く裾の長い唐風の服をいう。衣をつくるために布を裁つことから、枕詞となっている。

「からころも」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
7 10 21 9 6 3 0 6 7
0.2 0.9 1.5 0.7 0.5 0.5 0 0.5 0.4
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

6巻-952 笠金村歌集韓衣着奈良の里の嶋松に玉をし付けむよき人もがも

10巻-2194 雁がねの来鳴きしなへに韓衣龍田の山はもみちそめたり

11巻-2619 朝影に我が身はなりぬ韓衣裾のあはずて久しくなれば

11巻-2682 韓衣君にうち着せ見まく欲り恋ひぞ暮らしし雨の降る日を

14巻-3482 韓衣裾のうち交へ逢はねども異しき心を我が思はなくに

14巻-3482 韓衣裾のうち交ひ逢はなへば寝なへのからに言痛かりつも

20巻-4401 他田舎人大嶋唐衣裾に取り付き泣く子らを置きてぞ来のや母なしにして

古今和歌集

375-離別 読人知らず 唐衣 たつ日は聞かじ 朝露の 置きてしゆけば けぬべきものを

410-羇旅 在原業平 唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ

515-恋一 読人知らず 唐衣 日も夕暮れに なる時は 返す返すぞ 人は恋しき

572-恋二 紀貫之 君恋ふる 涙しなくは 唐衣 胸のあたりは 色もえなまし

576-恋二 藤原忠房 いつはりの 涙なりせば 唐衣 しのびに袖は しぼらざらまし

697-恋四 紀貫之 敷島や 大和にはあらぬ 唐衣 ころもへずして あふよしもがな

786-恋五 景式王 唐衣 なれば身にこそ まつはれめ かけてのみやは 恋ひむと思ひし

808-恋五 因幡 あひ見ぬも 憂きも我が身の 唐衣 思ひ知らずも とくる紐かな

865-雑上 読人知らず うれしきを 何につつまむ 唐衣 袂ゆたかに たてと言はましを

995-雑下 読人知らず たがみそぎ ゆふつけ鳥か 唐衣 たつたの山に をりはへて鳴く

後撰和歌集

313-秋中 読人知らず 唐衣袖くつるまておくつゆはわか身を秋ののとや見るらん

359-秋下 読人知らず かりかねのなきつるなへに唐衣たつたの山はもみちしにけり

383-秋下 読人知らず 唐衣たつたの山のもみちはは物思ふ人のたもとなりけり

386-秋下 紀貫之 から衣たつたの山のもみちはははた物もなき錦なりけり

519-恋一 読人知らず ほしかてにぬれぬへきかな唐衣かわくたもとの世世になけれは

529-恋一 桂のみこ 唐衣きて帰りにしさよすからあはれと思ふをうらむらんはた

539-恋一 読人知らず 見そめすてあらましものを唐衣たつ名のみしてきるよなきかな

622-恋二 読人知らず 終夜ぬれてわひつる唐衣相坂山にみちまとひして

660-恋二 紀貫之 怨みても身こそつらけれ唐衣きていたつらにかへすとおもへは

713-恋三 読人知らず 唐衣たつををしみし心こそふたむら山のせきとなりけめ

729-恋三 藤原冬嗣 いつのまにこひしかるらん唐衣ぬれにし袖のひるまはかりに

746-恋三 右近 唐衣かけてたのまぬ時そなき人のつまとは思ふものから

804-恋四 源巨城 わすらるる身をうつせみの唐衣返すはつらき心なりけり

848-恋四 読人知らず 中中に思ひかけては唐衣身になれぬをそうらむへらなる

849-恋四 読人知らず 怨むともかけてこそみめ唐衣身になれぬれはふりぬとかきく

948-恋五 読人知らず きて帰る名をのみそ立つ唐衣したゆふひもの心とけねは

1114-雑一 雅正 ふりぬとて思ひもすてし唐衣よそへてあやな怨みもそする

1316-離別羈旅 源公忠 いとせめてこひしきたひの唐衣ほとなくかへす人もあらなん

1317-離別羈旅 読人知らず 唐衣たつ日をよそにきく人はかへすはかりのほともこひしを

1328-離別羈旅 読人知らず 袖ぬれて別はすとも唐衣ゆくとないひそきたりとを見む

1329-離別羈旅 読人知らず 別ちは心もゆかす唐衣きれは涙そさきにたちける

拾遺和歌集

149-秋 紀貫之 たなはたにぬきてかしつる唐衣いとと涙に袖やぬるらん

187-秋 紀貫之 風さむみわかから衣うつ時そ萩のしたはもいろまさりける

321-別 読人知らず ゆく人をととめかたみのから衣たつよりそてのつゆけかるらん

326-別 三条太皇太后宮 旅人の露はらふへき唐衣またきも袖のぬれにけるかな

327-別 紀貫之 あまたにはぬひかさねねと唐衣思ふ心はちへにそありける

703-恋二 読人知らず あちきなやわかなはたちて唐衣身にもならさてやみぬへきかな

704-恋二 読人知らず 唐衣我はかたなのふれなくにまつたつ物はなき名なりけり

1189-雑賀 読人知らず 唐衣たつよりおつる水ならてわか袖ぬらす物やなになる

1225-雑恋 読人知らず しのひつつよるこそきしか唐衣ひとや見むとはおもはさりしを

後拾遺和歌集

335-秋下 源資綱 唐衣ながきよすがらうつ聲に我さへねでも明かしつるかな

337-秋下 藤原兼房 うたたねに夜や更けぬらん唐衣うつ聲たかくなりまさるなり

649-恋一 大中臣能宣 唐衣むすびしひもはさしながら袂ははやく朽ちにしものを

660-恋一 藤原國房 唐衣そでしの浦のうつせ貝むなしき恋に年のへぬらむ

754-恋三 相模 ただ袖に君かさぬらん唐衣夜な夜なわれにかたしかせつつ

883-雑一 大江匡衡 あるが上に又ぬぎかくる唐衣いかがみさをもつくりあふべき

金葉和歌集

377-恋上 読人知らず 何せむに思ひかけけむ唐ごろも恋することのみさをならぬに

477-恋下 藤原経忠 人知れずなき名はたてど唐衣かさねぬ袖はなほぞ露けき

542-雑上 内侍 返さじとかねて知りにき唐ごろも恋しかるべき我が身ならねば

詞花和歌集

なし

千載和歌集

339-秋下 藤原公実 恋ひつつやいもかうつらむから衣きぬたのおとのそらになるまて

341-秋下 藤原基俊 たかためにいかにうてはかから衣ちたひやちたひ声のうらむる

817-恋三 顕昭法師 よしさらは涙にくちねから衣ほすも人めをしのふかきりそ

820-恋三 中原清重 涙にやくちはてなましから衣袖のひるまとたのめさりせは

895-恋四 俊恵法師 から衣かへしてはねし夏のよはゆめにもあかて人わかれけり

1160-雑下 源俊頼 もかみ川せせのいはかとわきかへりおもふこころはおほかれと行かたもなくせかれつつそこのみくつとなることはもにすむ虫のわれからとおもひしらすはなけれともいはてはえこそなきさなるかたわれ舟のうつもれてひく人もなきなけきすと浪のたちゐにあふけともむなしき空はみとりにていふこともなきかなしさにねをのみなけはからころもおさふる袖もくちはてぬなにことにかはあはれともおもはん人にあふみなるうちいてのはまのうちいてつついふともたれかささかにのいかさまにてもかきつかんことをはのきにふくかせのはけしきころとしりなからうはの空にもをしふへきあつさのそまにみや木ひきみかきかはらにせりつみしむかしをよそにききしかとわか身のうへになりはてぬさすかに御代のはしめより雲のうへにはかよへともなにはのことも久かたの月のかつらしをられねはうけらか花のさきなからひらけぬことのいふせさによもの山へにあくかれてこのもかのもにたちましりうつふしそめのあさころも花のたもとにぬきかへて後のよをたにとおもへともおもふ人人ほたしにてゆくへきかたもまとはれぬかかるうき身のつれもなくへにける年をかそふれはいつつのとをになりにけりいま行すゑはいなつまのひかりのまにもさためなしたとへはひとりなからへてすきにしはかりすくすとも夢にゆめみる心ちしてひまゆく駒にことならしさらにもいはしふゆかれのをはなかすゑの露なれはあらしをたにもまたすしてもとのしつくとなりはてんほとをはいつとしりてかはくれにとたにもしつむへきかくのみつねにあらそひてなほふるさとにすみのえのしほにたたよふうつせかひうつし心もうせはててあるにもあらぬよのなかに又なにことをみくまののうらのはまゆふかさねつつうきにたヘたるためしにはなるをの松のつれつれといたつらことをかきつめてあはれしれらん行すゑの人のためにはおのつからしのはれぬへき身なれともはかなきことも雲とりのあやにかなはぬくせなれはこれもさこそはみなしくりくち葉かしたにうつもれめそれにつけてもつのくにのいく田のもりのいくたひかあまのたくなはくり返し心にそはぬ身をうらむらん

新古今和歌集

284-夏 紀貫之 みそきする河のせみれはからころも日もゆふくれに浪そたちける

466-秋下 藤原頼宗 つゆしけみ野辺をわけつつから衣ぬれてそかへる花のしつくに

482-秋下 紀貫之 雁なきてふく風さむみから衣君まちかてにうたぬよそなき

1003-恋一 謙徳公 から衣袖に人めはつつめともこほるるものは涙なりけり

1483-雑上 藤原道長 から衣花のたもとにぬきかへよわれこそ春のいろはたちつれ

1484-雑上 上東門院 唐衣たちかはりぬる春のよにいかてか花のいろをみるへき

1683-雑中 紀貫之 かけにとてたちかくるれはから衣ぬれぬ雨ふる松のこゑかな