枕詞 「さざなみの/ささなみや」の和歌集 万葉集、拾遺、金葉、千載、新古今から39首!

スポンサーリンク

八代古今後撰拾遺後拾遺金葉詞花千載新古今百人一首六歌仙三十六歌仙枕詞動詞光る君へ

スポンサーリンク

「さざなみの/ささなみや」の歌

「さざなみの」、「さざなみや」は近江、大津、志賀、なみ、寄り、夜にかかる枕詞。「細波の」「楽浪の」と書く。

琵琶湖の南西部沿岸地方一帯は楽浪とよばれていたことから、関連して、近江などの枕詞となっている。

「さざなみの/ささなみや」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
15 0 0 4 0 1 0 6 3
0.3 0 0 0.3 0 0.2 0 0.5 0.2
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

1巻-29 柿本人麻呂玉たすき 畝傍の山の 橿原の ひじりの御代ゆ (或云 宮ゆ) 生れましし 神のことごと 栂の木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを (或云 めしける) そらにみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越え (或云 そらみつ 大和を置き あをによし 奈良山越えて) いかさまに 思ほしめせか (或云 思ほしけめか) 天離る 鄙にはあれど 石走る 近江の国の 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ 天皇の 神の命の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言へども 春草の 茂く生ひたる 霞立つ 春日の霧れる (或云 霞立つ 春日か霧れる 夏草か 茂くなりぬる) ももしきの 大宮ところ 見れば悲しも (或云 見れば寂しも)

1巻-30 柿本人麻呂楽浪の志賀の辛崎幸くあれど大宮人の舟待ちかねつ

1巻-31 柿本人麻呂楽浪の志賀の (比良の) 大わだ淀むとも昔の人にまたも逢はめやも (逢はむと思へや)

1巻-32 高市黒人古の人に我れあれや楽浪の古き都を見れば悲しき

1巻-33 高市黒人楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも

2巻-154 石川夫人楽浪の大山守は誰がためか山に標結ふ君もあらなくに

2巻-206 置始東人楽浪の志賀さざれ波しくしくに常にと君が思ほせりける

2巻-218 柿本人麻呂楽浪の志賀津の子らが (志賀の津の子が) 罷り道の川瀬の道を見れば寂しも

3巻-305 高市黒人かく故に見じと言ふものを楽浪の旧き都を見せつつもとな

7巻-1170 楽浪の連庫山に雲居れば雨ぞ降るちふ帰り来我が背

7巻-1253 古歌集楽浪の志賀津の海人は我れなしに潜きはなせそ波立たずとも

7巻-1398 楽浪の志賀津の浦の舟乗りに乗りにし心常忘らえず

9巻-1715 柿本人麻呂楽浪の比良山風の海吹けば釣りする海人の袖返る見ゆ

12巻-3046 楽浪の波越すあざに降る小雨間も置きて我が思はなくに

13巻-3240 大君の 命畏み 見れど飽かぬ 奈良山越えて 真木積む 泉の川の 早き瀬を 棹さし渡り ちはやぶる 宇治の渡りの たきつ瀬を 見つつ渡りて 近江道の 逢坂山に 手向けして 我が越え行けば 楽浪の 志賀の唐崎 幸くあらば またかへり見む 道の隈 八十隈ごとに 嘆きつつ 我が過ぎ行けば いや遠に 里離り来ぬ いや高に 山も越え来ぬ 剣太刀 鞘ゆ抜き出でて 伊香胡山 いかにか我がせむ ゆくへ知らずて

古今和歌集

なし

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

483-雑上 柿本人麻呂(人麿) ささなみやあふみの宮は名のみして霞たなひき宮きもりなし

599-神楽歌 大中臣能宣 ささなみのなからの山のなからへてたのしかるへき君かみよかな

1315-哀傷 柿本人麻呂(人麿) ささなみのしかのてこらかまかりにし河せの道を見れはかなしも

1336-哀傷 藤原公任 ささなみやしかのうら風いかはかり心の内の源しかるらん

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

381-恋上 源師俊 水鳥の羽風にさわぐさざ波のあやしきまでも濡るる袖かな

詞花和歌集

なし

千載和歌集

66-春上 よみ人しらす ささ浪やしかのみやこはあれにしをむかしなからの山さくらかな

67-春上 祝部宿禰成仲 ささ浪や志賀の花そのみるたひにむかしの人の心をそしる

75-春上 藤原範綱 ささ浪やなからの山のみねつつきみせはや人に花のさかりを

366-秋下 藤原範兼 ささ波やひらのたかねの山おろしもみちをうみの物となしつる

981-雑上 西園寺公経 ささ浪やくにつみかみのうらさひてふるき都に月ひとりすむ

1162-雑下 崇徳院 しきしまや大和のうたのつたはりをきけははるかに久かたのあまつ神世にはしまりてみそもしあまりひともしはいつもの宮のや雲よりおこりけるとそしるすなるそれより後はもも草のことのはしけくちりちりに風につけつつきこゆれとちかきためしにほりかはのなかれをくみてささ浪のよりくる人にあつらへてつたなきことははまちとりあとをすゑまてととめしとおもひなからもつのくにのなにはのうらのなにとなくふねのさすかに此ことをしのひならひしなこりにてよの人ききははつかしのもりもやせんとおもへともこころにもあらすかきつらねつる

新古今和歌集

16-春上 読人知らず ささなみやしかのはままつふりにけりたかよにひけるねの日なるらん

656-冬 藤原忠通 ささなみやしかのからさき風さえてひらのたかねにあられふる也

1702-雑下 読人知らず ささなみのひら山風のうみふけはつりするあまの袖かへるみゆ