枕詞 「むらきもの/群肝の、村肝の」の和歌集 万葉集から4首!

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「むらきもの」の歌

簡単な説明

  • 「むらきもの」は心にかかる枕詞。「群肝の」、「村肝の」と書く。「むらぎもの」とも。
  • 群肝、つまり、多くの臓器(五臓六腑)に心が宿っていると考えられていたことから。

解説

「むらきもの」(群肝の、村肝の)は、「心」や「夜」などにかかる枕詞です。「群肝」や「村肝」は、多くのものが集まっている様子を表し、特に心臓や内臓の多くが寄り集まることを象徴する表現です。そのため、「むらきもの」を用いることで、感情が複雑に入り混じる心情や、多くのものが集まっている様子を暗示します。心の深さや感情の複雑さを強調するために使われ、特に愛や恋に関する和歌で効果的です。心が激しく揺れ動く様子や、夜の深い情景を描写する際に、「むらきもの」は豊かな情感を和歌にもたらします。また、心がさまざまな感情で満たされている状態や、夜が多くのものに包まれる様子を暗示し、和歌に奥行きを加えます。

「むらきもの」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
4 0 0 0 0 0 0 0 0
0.1 0 0 0 0 0 0 0 0
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

1巻-5 軍王霞立つ 長き春日の 暮れにける わづきも知らず むらきもの 心を痛み ぬえこ鳥 うら泣け居れば 玉たすき 懸けのよろしく 遠つ神 我が大君の 行幸の 山越す風の ひとり居る 我が衣手に 朝夕に 返らひぬれば 大夫と 思へる我れも 草枕 旅にしあれば 思ひ遣る たづきを知らに 網の浦の 海人娘子らが 焼く塩の 思ひぞ焼くる 我が下心

4巻-720 大伴家持むらきもの心砕けてかくばかり我が恋ふらくを知らずかあるらむ

10巻-2092 天地と 別れし時ゆ 久方の 天つしるしと 定めてし 天の川原に あらたまの 月重なりて 妹に逢ふ 時さもらふと 立ち待つに 我が衣手に 秋風の 吹きかへらへば 立ちて居て たどきを知らに むらきもの 心いさよひ 解き衣の 思ひ乱れて いつしかと 我が待つ今夜 この川の 流れの長く ありこせぬかも

16巻-3811 車持娘子さ丹つらふ 君がみ言と 玉梓の 使も来ねば 思ひ病む 我が身ひとつぞ ちはやぶる 神にもな負ほせ 占部据ゑ 亀もな焼きそ 恋ひしくに 痛き我が身ぞ いちしろく 身にしみ通り むらきもの 心砕けて 死なむ命 にはかになりぬ 今さらに 君か我を呼ぶ たらちねの 母のみ言か 百足らず 八十の衢に 夕占にも 占にもぞ問ふ 死ぬべき我がゆゑ

古今和歌集

なし

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

なし

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

なし

詞花和歌集

なし

千載和歌集

なし

新古今和歌集

なし