逢坂和歌集 「の関」「山」など「あふさか」 百人一首、古今、新古今など勅撰八代集から76首!

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逢坂の歌

清少納言せいしょうなごん
をこめて
とりのそら
はかるとも
逢坂おうさか
せきはゆるさじ

「逢坂の関」滋賀と京都の境に位置する。

逢坂逢うで掛詞とし、恋歌を中心に多く詠まれた。百人一首には3首選べれている。

ここでは万葉集から6首、八代集から76首を紹介します。

逢坂の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
6 9 20 6 16 6 3 11 5
0.1 0.8 1.4 0.4 1.3 0.9 0.7 0.9 0.3
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です

百人一首

後撰 1089-雑一 蝉丸 これやこのゆくも帰るも別れつつしるもしらぬもあふさかの関

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後撰 700-恋三 藤原定方 名にしおはは逢坂山のさねかつら人にしられてくるよしもかな

後拾遺 939-雑二 清少納言 夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ

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万葉集

10巻-2283 我妹子に逢坂山のはだすすき穂には咲き出ず恋ひわたるかも

13巻-3254 そらみつ 大和の国 あをによし 奈良山越えて 山背の 管木の原 ちはやぶる 宇治の渡り 瀧つ屋の 阿後尼の原を 千年に 欠くることなく 万代に あり通はむと 山科の 石田の杜の すめ神に 幣取り向けて 我れは越え行く 逢坂山を

13巻-3255 あをによし 奈良山過ぎて もののふの 宇治川渡り 娘子らに 逢坂山に 手向け草 幣取り置きて 我妹子に 近江の海の 沖つ波 来寄る浜辺を くれくれと ひとりぞ我が来る 妹が目を欲り

13巻-3256 逢坂をうち出でて見れば近江の海白木綿花に波立ちわたる

13巻-3258 大君の 命畏み 見れど飽かぬ 奈良山越えて 真木積む 泉の川の 早き瀬を 棹さし渡り ちはやぶる 宇治の渡りの たきつ瀬を 見つつ渡りて 近江道の 逢坂山に 手向けして 我が越え行けば 楽浪の 志賀の唐崎 幸くあらば またかへり見む 道の隈 八十隈ごとに 嘆きつつ 我が過ぎ行けば いや遠に 里離り来ぬ いや高に 山も越え来ぬ 剣太刀 鞘ゆ抜き出でて 伊香胡山 いかにか我がせむ ゆくへ知らずて

15巻-3807 中臣宅守我妹子に逢坂山を越えて来て泣きつつ居れど逢ふよしもなし

古今和歌集

374-離別 難波万雄 あふ坂の 関しまさしき ものならば あかず別るる 君をとどめよ

390-離別 紀貫之 かつ越えて 別れもゆくか あふ坂は 人だのめなる 名にこそありけれ

473-恋一 在原元方 音羽山 音に聞きつつ あふ坂の 関のこなたに 年をふるかな

536-恋一 読人知らず あふ坂の ゆふつけ鳥も 我がごとく 人や恋しき 音のみ鳴くらむ

537-恋一 読人知らず あふ坂の 関に流るる 岩清水 言はで心に 思ひこそすれ

634-恋三 読人知らず 恋ひ恋ひて まれに今宵ぞ あふ坂の ゆふつけ鳥は 鳴かずもあらなむ

740-恋四 閑院 あふ坂の ゆふつけ鳥に あらばこそ 君がゆききを なくなくも見め

988-雑下 読人知らず あふ坂の 嵐の風は 寒けれど ゆくへ知らねば わびつつぞ寝る

1004-雑体 壬生忠岑 君が代に あふ坂山の 岩清水 こ隠れたりと 思ひけるかな

後撰和歌集

516-恋一 読人知らず 思ひやる心はつねにかよへとも逢坂の関こえすもあるかな

622-恋二 読人知らず 終夜ぬれてわひつる唐衣逢坂山にみちまとひして

700-恋三 藤原定方 名にしおはは逢坂山のさねかつら人にしられてくるよしもかな

723-恋三 藤原兼輔 逢坂のこのしたつゆにぬれしよりわか衣手は今もかわかす

731-恋三 藤原伊尹 人しれぬ身はいそけとも年をへてなとこえかたき逢坂の関

732-恋三 小野好古女 あつまちにゆきかふ人にあらぬ身はいつかはこえむ逢坂の関

786-恋三 しもつけ 道しらてやみやはしなぬ逢坂の関のあなたは海といふなり

802-恋四 読人知らず ちかけれは何かはしるし逢坂の関の外そと思ひたえなん

859-恋四 春澄善縄女 逢坂の関ともらるる我なれは近江てふらん方もしられす

905-恋五 読人知らず あはてのみあまたのよをもかへるかな人めのしけき逢坂にきて

981-恋五 読人知らず 有りとたにきくへきものを逢坂の関のあなたそはるけかりける

982-恋五 読人知らず 関もりかあらたまるてふ逢坂のゆふつけ鳥はなきつつそゆく

983-恋五 読人知らず ゆき帰りきてもきかなん逢坂の関にかはれる人も有りやと

984-恋五 読人知らず もる人のあるとはきけと逢坂のせきもととめぬわかなみたかな

1038-恋六 読人知らず しらさりし時たにこえし逢坂をなと今更にわれ迷ふらん

1074-恋六 藤原ときふる あらたまの年はけふあすこえぬへし逢坂山を我やおくれん

1089-雑一 蝉丸 これやこのゆくも帰るも別れつつしるもしらぬもあふさかの関

1126-雑二 藤原敏行 逢坂のゆふつけになく鳥のねをききとかめすそ行きすきにける

1303-雑四 読人知らず まつ人はきぬときけともあらたまのとしのみこゆるあふさかのせき

1305-離別羈旅 読人知らず あた人のたむけにをれるさくら花逢坂まてはちらすもあらなん

拾遺和歌集

169-秋 大弐高遠 逢坂の関のいはかとふみならし山たちいつるきりはらのこま

170-秋 紀貫之 あふさかの関のし水に影見えて今やひくらんもち月のこま

314-別 紀貫之 別れゆくけふはまとひぬあふさかは帰りこむ日のなにこそ有りけれ

315-別 大中臣能宣 ゆくすゑのいのちもしらぬ別ちはけふ逢坂やかきりなるらん

580-神楽歌 不記 あふさかをけさこえくれは山人のちとせつけとてきれるつゑなり

1108-雑秋 清原元輔 はしり井のほとをしらはや逢坂の関ひきこゆるゆふかけのこま

後拾遺和歌集

4-春上 橘俊綱 あふさかの関をや春もこえつらむ音羽の山のけさはかすめる

278-秋上 良暹法師 あふさかの関の杉むら引くほどはをぶちにみゆる望月の駒

279-秋上 源縁法師 みちのくのあだちの駒はなづめどもけふ逢坂の関まではきぬ

280-秋上 惠慶法師 望月の駒引く時はあふさかの木の下やみも見えずぞありける

466-別 藤原惟規 あふさかの関うちこゆる程もなくけさはみやこの人ぞこひしき

490-別 祭主輔親 あふさかの関ぢこゆともみやこなる人に心のかよはざらめや

500-羈旅 藤原兼通 逢坂の関とはきけどはしり井の水をばえこそとどめざりけれ

632-恋一 白河院 あふさかの名をも頼まじ恋すればせきの清水に袖もぬれけり

676-恋二 藤原道信 たまさかにゆき逢坂の関守は夜をとほさぬぞ侘しかりける

723-恋三 大中臣能宣 いづ方をわれながめましたまさかにゆき逢坂の関なかりせば

741-恋三 僧都遍救 逢坂の関の清水や濁るらん入りにし人のかげもみえぬは

748-恋三 藤原道雅 逢坂は東路とこそききしかど心づくしのせきにぞありける

915-雑二 相模 逢坂の関に心はかよはねど見し東路は猶ぞこひしき

937-雑二 大江匡衡 逢坂の関のあなたもまだみねば東のこともしられざりけり

939-雑二 清少納言 夜をこめて鳥の空音ははかるともよに逢坂の関はゆるさじ

941-雑二 相模 東路のそのはらからはきたりとも逢坂まではこさじとぞおもふ

金葉和歌集

124-夏 源定信 わぎもこに逢坂山のほととぎす明くればかへる空に鳴くなり

176-秋 小式部内侍 人もこえ駒もとまらぬ逢坂の関は清水のもる名なりけり

177-秋 源仲正 東路をはるかに出づる望月の駒にこよひや逢坂の関

211-秋 藤原範永 有明の月も清水に宿りけりこよひはこえじ逢坂の関

255-秋 源俊頼 音羽山もみぢちるらし逢坂の関の小川に錦おりかく

357-別 藤原実綱 人はいさわが身は末になりぬればまた逢坂もいかが待つべき

詞花和歌集

102-秋 藤原朝隆 引く駒にかげをならべて逢坂の関路よりこそ月はいでけれ

123-秋 大江匡房 逢坂の杉間の月のなかりせばいくきの駒といかでしらまし

307-雑上 大江匡房 逢坂の関の杉原下晴れて月のもるにぞまかせたりける

千載和歌集

190-夏 中納言師時 あふさかの山ほとときすなのるなりせきもる神やそらにとふらん

363-秋下 権中納言実守 もみちはをせきもる神にたむけおきてあふ坂山をすくる木からし

498-羈旅 藤原範永 有明の月もしみつにやとりけりこよひはこえしあふ坂のせき

522-羈旅 祝部成仲 あふさかの関には人もなかりけりいはまの水のもるにまかせて

523-羈旅 源定房 こえて行くともやなからむあふ坂のせきのし水のかけはなれなは

639-賀 藤原永範 霜ふれとさかえこそませ君か代にあふさか山のせきの杉もり

669-恋一 賀茂重保 つれもなき人の心やあふさかのせきちへたつるかすみなるらん

752-恋二 藤原家基 こえやらて恋ちにまよふあふ坂や世を出てはてぬせきとなるらん

872-恋四 よみひとしらす あふさかの名をわすれにし中なれとせきやられぬは涙なりけり

913-恋五 藤原経衡 いにしへもこえみてしかはあふさかはふみたかふへき中の道かは

1057-雑中 東三条院 あまたたひゆきあふさかのせき水に今はかきりのかけそかなしき

新古今和歌集

18-春上 太上天皇 鴬のなけともいまたふるゆきにすきの葉しろきあふさかの山

129-春下 読人知らず あふさかやこすゑのはなをふくからにあらしそかすむせきのすき村

862-離別 藤原兼輔 あふさかの関にわかやとなかりせはわかるる人はたのまさらまし

1005-恋一 謙徳公 あらたまのとしにまかせて見るよりはわれこそこえめあふさかの関

1163-恋三 高倉院 けさよりはいととおもひをたきましてなけきこりつむあふさかの山