枕詞 「あをによし」の和歌集 万葉集から27首!

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「あをによし」の歌

「あをによし」は奈良、国内(くぬち)にかかる枕詞。「青丹よし」と書く。

国内とは国中くにじゅうという意味。

奈良から青丹が出たことに由来する。青丹は孔雀石のことで、顔料に用いられる。御所市三盛鉱山が知られる。

万葉集で用いられ、平安京以降、八代集では確認できない。奈良に係る枕詞であるからであろう。

近鉄の観光特急の名に「あをによし」が用いられている。

「あをによし」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
27 0 0 0 0 0 0 0 0
0.6 0 0 0 0 0 0 0 0
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

1巻-17 額田王味酒 三輪の山 あをによし 奈良の山の 山の際に い隠るまで 道の隈 い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見放けむ山を 心なく 雲の 隠さふべしや

1巻-29 柿本人麻呂玉たすき 畝傍の山の 橿原の ひじりの御代ゆ (或云 宮ゆ) 生れましし 神のことごと 栂の木の いや継ぎ継ぎに 天の下 知らしめししを (或云 めしける) そらにみつ 大和を置きて あをによし 奈良山を越え (或云 そらみつ 大和を置き あをによし 奈良山越えて) いかさまに 思ほしめせか (或云 思ほしけめか) 天離る 鄙にはあれど 石走る 近江の国の 楽浪の 大津の宮に 天の下 知らしめしけむ 天皇の 神の命の 大宮は ここと聞けども 大殿は ここと言へども 春草の 茂く生ひたる 霞立つ 春日の霧れる (或云 霞立つ 春日か霧れる 夏草か 茂くなりぬる) ももしきの 大宮ところ 見れば悲しも (或云 見れば寂しも)

1巻-79 大君の 命畏み 柔びにし 家を置き こもりくの 泊瀬の川に 舟浮けて 我が行く川の 川隈の 八十隈おちず 万たび かへり見しつつ 玉桙の 道行き暮らし あをによし 奈良の都の 佐保川に い行き至りて 我が寝たる 衣の上ゆ 朝月夜 さやかに見れば 栲の穂に 夜の霜降り 岩床と 川の水凝り 寒き夜を 息むことなく 通ひつつ 作れる家に 千代までに 来ませ大君よ 我れも通はむ

1巻-80 あをによし奈良の家には万代に我れも通はむ忘ると思ふな

3巻-328 小野老あをによし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり

5巻-797 山上憶良悔しかもかく知らませばあをによし国内ことごと見せましものを

5巻-806 大伴旅人龍の馬も今も得てしかあをによし奈良の都に行きて来むため

5巻-808 大伴旅人龍の馬を我れは求めむあをによし奈良の都に来む人のたに

6巻-992 坂上郎女故郷の飛鳥はあれどあをによし奈良の明日香を見らくしよしも

6巻-1046 岩綱のまた変若ちかへりあをによし奈良の都をまたも見むかも

7巻-1215 玉津島よく見ていませあをによし奈良なる人の待ち問はばいかに

8巻-1638 聖武天皇あをによし奈良の山なる黒木もち造れる室は座せど飽かぬかも

10巻-1906 梅の花我れは散らさじあをによし奈良なる人も来つつ見るがね

13巻-3236 そらみつ 大和の国 あをによし 奈良山越えて 山背の 管木の原 ちはやぶる 宇治の渡り 瀧つ屋の 阿後尼の原を 千年に 欠くることなく 万代に あり通はむと 山科の 石田の杜の すめ神に 幣取り向けて 我れは越え行く 逢坂山を

13巻-3237 あをによし 奈良山過ぎて もののふの 宇治川渡り 娘子らに 逢坂山に 手向け草 幣取り置きて 我妹子に 近江の海の 沖つ波 来寄る浜辺を くれくれと ひとりぞ我が来る 妹が目を欲り

15巻-3602 あをによし奈良の都にたなびける天の白雲見れど飽かぬかも

15巻-3612 壬生宇太麻呂あをによし奈良の都に行く人もがも草枕旅行く船の泊り告げむに (旋頭歌也)

15巻-3728 中臣宅守あをによし奈良の大道は行きよけどこの山道は行き悪しかりけり

17巻-3919 大伴家持あをによし奈良の都は古りぬれどもと霍公鳥鳴かずあらなくに

17巻-3957 大伴家持天離る 鄙治めにと 大君の 任けのまにまに 出でて来し 我れを送ると あをによし 奈良山過ぎて 泉川 清き河原に 馬留め 別れし時に ま幸くて 我れ帰り来む 平らけく 斎ひて待てと 語らひて 来し日の極み 玉桙の 道をた遠み 山川の 隔りてあれば 恋しけく 日長きものを 見まく欲り 思ふ間に 玉梓の 使の来れば 嬉しみと 我が待ち問ふに およづれの たはこととかも はしきよし 汝弟の命 なにしかも 時しはあらむを はだすすき 穂に出づる秋の 萩の花 にほへる宿を (言斯人為性好愛花草花樹而多<植>於寝院之庭 故謂之花薫庭也) 朝庭に 出で立ち平し 夕庭に 踏み平げず 佐保の内の 里を行き過ぎ あしひきの 山の木末に 白雲に 立ちたなびくと 我れに告げつる (佐保山火葬 故謂之佐保の内の里を行き過ぎ)

17巻-3973 大伴池主大君の 命畏み あしひきの 山野さはらず 天離る 鄙も治むる 大夫や なにか物思ふ あをによし 奈良道来通ふ 玉梓の 使絶えめや 隠り恋ひ 息づきわたり 下思に 嘆かふ我が背 いにしへゆ 言ひ継ぎくらし 世間は 数なきものぞ 慰むる こともあらむと 里人の 我れに告ぐらく 山びには 桜花散り 貌鳥の 間なくしば鳴く 春の野に すみれを摘むと 白栲の 袖折り返し 紅の 赤裳裾引き 娘子らは 思ひ乱れて 君待つと うら恋すなり 心ぐし いざ見に行かな ことはたなゆひ

17巻-3978 大伴家持妹も我れも 心は同じ たぐへれど いやなつかしく 相見れば 常初花に 心ぐし めぐしもなしに はしけやし 我が奥妻 大君の 命畏み あしひきの 山越え野行き 天離る 鄙治めにと 別れ来し その日の極み あらたまの 年行き返り 春花の うつろふまでに 相見ねば いたもすべなみ 敷栲の 袖返しつつ 寝る夜おちず 夢には見れど うつつにし 直にあらねば 恋しけく 千重に積もりぬ 近くあらば 帰りにだにも うち行きて 妹が手枕 さし交へて 寝ても来ましを 玉桙の 道はし遠く 関さへに へなりてあれこそ よしゑやし よしはあらむぞ 霍公鳥 来鳴かむ月に いつしかも 早くなりなむ 卯の花の にほへる山を よそのみも 振り放け見つつ 近江道に い行き乗り立ち あをによし 奈良の我家に ぬえ鳥の うら泣けしつつ 下恋に 思ひうらぶれ 門に立ち 夕占問ひつつ 我を待つと 寝すらむ妹を 逢ひてはや見む

17巻-4008 大伴池主あをによし 奈良を来離れ 天離る 鄙にはあれど 我が背子を 見つつし居れば 思ひ遣る こともありしを 大君の 命畏み 食す国の 事取り持ちて 若草の 足結ひ手作り 群鳥の 朝立ち去なば 後れたる 我れや悲しき 旅に行く 君かも恋ひむ 思ふそら 安くあらねば 嘆かくを 留めもかねて 見わたせば 卯の花山の 霍公鳥 音のみし泣かゆ 朝霧の 乱るる心 言に出でて 言はばゆゆしみ 砺波山 手向けの神に 幣奉り 我が祈ひ祷まく はしけやし 君が直香を ま幸くも ありた廻り 月立たば 時もかはさず なでしこが 花の盛りに 相見しめとぞ

18巻-4107 大伴家持あをによし奈良にある妹が高々に待つらむ心しかにはあらじか

19巻-4223 大伴家持あをによし奈良人見むと我が背子が標けむ黄葉地に落ちめやも

19巻-4245 そらみつ 大和の国 あをによし 奈良の都ゆ おしてる 難波に下り 住吉の 御津に船乗り 直渡り 日の入る国に 任けらゆる 我が背の君を かけまくの ゆゆし畏き 住吉の 我が大御神 船の舳に 領きいまし 船艫に み立たしまして さし寄らむ 礒の崎々 漕ぎ泊てむ 泊り泊りに 荒き風 波にあはせず 平けく 率て帰りませ もとの朝廷に

19巻-4266 大伴家持あしひきの 八つ峰の上の 栂の木の いや継ぎ継ぎに 松が根の 絶ゆることなく あをによし 奈良の都に 万代に 国知らさむと やすみしし 我が大君の 神ながら 思ほしめして 豊の宴 見す今日の日は もののふの 八十伴の男の 島山に 赤る橘 うずに刺し 紐解き放けて 千年寿き 寿き響もし ゑらゑらに 仕へまつるを 見るが貴さ

古今和歌集

なし

後撰和歌集

なし

拾遺和歌集

なし

後拾遺和歌集

なし

金葉和歌集

なし

詞花和歌集

なし

千載和歌集

なし

新古今和歌集

なし