枕詞 「やまがはの/山川の」の和歌集 万葉集、古今、拾遺、金葉、詞花、新古今などから33首!

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「やまがはの」の歌

「やまがはの(やまかはの)」はあさ、音、たぎつ、はやしなどにかかる枕詞

「山川の」、「山河の」と書かれる。

「たぎつ」「はやし」は山川の流れの激しさに由来する。

「やまがはの」の歌集ごとの数と割合

万葉 古今 後撰 拾遺 後拾 金葉 詞花 千載 新古
12 2 1 6 2 3 2 0 5
0.3 0.2 0.1 0.4 0.2 0.5 0.5 0 0.3
※上は歌の数、下は割合(パーセント)です
※カウントは枕詞、そのままの意味の両方をカウントしています

百人一首

なし

万葉集

1巻-36 柿本人麻呂やすみしし 我が大君の きこしめす 天の下に 国はしも さはにあれども 山川の 清き河内と 御心を 吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太敷きませば ももしきの 大宮人は 舟並めて 朝川渡る 舟競ひ 夕川渡る この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす 水激る 瀧の宮処は 見れど飽かぬかも

6巻-1037 大伴家持今造る久迩の都は山川のさやけき見ればうべ知らすらし

7巻-1088 柿本人麻呂歌集あしひきの山川の瀬の鳴るなへに弓月が岳に雲立ちわたる

7巻-1383 嘆きせば人知りぬべみ山川のたぎつ心を塞かへてあるかも

8巻-1587 大伴書持あしひきの山の黄葉今夜もか浮かび行くらむ山川の瀬に

11巻-2432 柿本人麻呂歌集言に出でて言はばゆゆしみ山川のたぎつ心を塞かへたりけり

12巻-2862 柿本人麻呂歌集山川の水陰に生ふる山菅のやまずも妹は思ほゆるかも

12巻-3016 山川の瀧にまされる恋すとぞ人知りにける間なくし思へば

15巻-3618 山川の清き川瀬に遊べども奈良の都は忘れかねつも

17巻-3957 大伴家持天離る 鄙治めにと 大君の 任けのまにまに 出でて来し 我れを送ると あをによし 奈良山過ぎて 泉川 清き河原に 馬留め 別れし時に ま幸くて 我れ帰り来む 平らけく 斎ひて待てと 語らひて 来し日の極み 玉桙の 道をた遠み 山川の 隔りてあれば 恋しけく 日長きものを 見まく欲り 思ふ間に 玉梓の 使の来れば 嬉しみと 我が待ち問ふに およづれの たはこととかも はしきよし 汝弟の命 なにしかも 時しはあらむを はだすすき 穂に出づる秋の 萩の花 にほへる宿を (言斯人為性好愛花草花樹而多<植>於寝院之庭 故謂之花薫庭也) 朝庭に 出で立ち平し 夕庭に 踏み平げず 佐保の内の 里を行き過ぎ あしひきの 山の木末に 白雲に 立ちたなびくと 我れに告げつる (佐保山火葬 故謂之佐保の内の里を行き過ぎ)

17巻-3964 大伴家持山川のそきへを遠みはしきよし妹を相見ずかくや嘆かむ

20巻-4468 大伴家持うつせみは数なき身なり山川のさやけき見つつ道を尋ねな

古今和歌集

722-恋四 素性法師 そこひなき 淵やは騒ぐ 山川の 浅き瀬にこそ あだ浪はたて

1000-雑下 伊勢 山川の 音にのみ聞く ももしきを 身をはやながら 見るよしもがな

後撰和歌集

1291-雑四 伊勢 山河のおとにのみきくももしきを身をはやなから見るよしもかな

拾遺和歌集

194-秋 読人知らず もみちはの色をしそへてなかるれはあさくも見えす山河の

556-雑下 読人知らず おとにきくつつみのたきをうち見れはたた山河のなるにそ有りける

569-雑下 柿本人麻呂(人麿) ちはやふるわかおほきみのきこしめすあめのしたなる草の葉もうるひにたりと山河のすめるかうちとみこころをよしののくにの花さかり秋つののへに宮はしらふとしきましてももしきの大宮人は舟ならへあさ河わたりふなくらへゆふかはわたりこの河のたゆる事なくこの山のいやたかからしたま水のたきつの宮こ見れとあかぬかも

574-雑下 東三条太政大臣 あはれわれいつつの宮の宮人とそのかすならぬ身をなしておもひし事はかけまくもかしこけれともたのもしきかけにふたたひおくれたるふたはの草を吹く風のあらき方にはあてしとてせはきたもとをふせきつつちりもすゑしとみかきてはたまのひかりをたれか見むと思ふ心におほけなくかみつえたをはさしこえて花さく春の宮人となりし時ははいかはかりしけきかけとかたのまれしすゑの世まてと思ひつつここのかさねのそのなかにいつきすゑしもことてしもたれならなくにを山田を人にまかせて我はたたたもとそほつに身をなしてふたはるみはるすくしつつその秋冬のあさきりのたえまにたにもと思ひしを峯の白雲よこさまにたちかはりぬと見てしかは身をかきりとはおもひにきいのちあらはとたのみしは人におくるるななりけり思ふもしるし山河のみなしもなりしもろ人もうこかぬきしにまもりあけてしつむみくつのはてはてはかきなかされし神な月うすき氷にとちられてとまれる方もなきわふるなみたしつみてかそふれは冬も三月になりにけりなかきよなよなしきたへのふさすやすますあけくらしおもへとも猶かなしきはやそうち人もあたら世のためしなりとそさわくなるましてかすかのすきむらにいまたかれたる枝はあらし大原野辺のつほすみれつみをかしある物ならはてる日も見よといふことを年のをはりにきよめすはわか身そつひにくちぬへきたにのむもれ木春くともさてややみなむ年の内に春吹く風も心あらはそての氷をとけとふかなむ

691-恋一 読人知らず 流れてとたのむるよりは山河のこひしきせせにわたりやはせぬ

880-恋四 読人知らず さをしかのつめたにひちぬ山河のあさましきまてとはぬ君かな

後拾遺和歌集

13-春上 和泉式部 春霞たつやおそきと山川の岩間をくぐる音きこゆなり

370-秋下 相模 秋の田になみよる稲は山川の水ひきかけし早苗なりけり

金葉和歌集

2-春 藤原顕季 うちなびき春はきにけり山河の岩間の氷けふやとくらむ

62-春 源経信 水上に花やちりつむ山川の井杭にいとどかかる白波

470-恋下 読人知らず 早くより浅き心と見てしかば思ひ絶えにき山川の

詞花和歌集

44-春 大中臣能宣 散る花にせきとめらるる山川の深くも春のなりにけるかな

227-恋上 藤原範永 こほりして音はせねども山川の下は流るるものと知らずや

千載和歌集

なし

新古今和歌集

540-秋下 二条院讃岐 ちりかかるもみちの色はふかけれとわたれはにこる山かはの

631-冬 藤原俊成 かつこほりかつはくたくる山かはのいはまにむせふ暁の声

717-賀 藤原興風 山河の菊のしたみついかなれはなかれて人の老をせくらん

1577-雑上 読人知らず 山かはのいはゆく水もこほりしてひとりくたくる峯のまつ風

1777-雑下 藤原行能 かきなかすことの葉をたにしつむなよ身こそかくても山河の