ここでは、国宝指定の如来、菩薩、天部、明王、羅漢像を紹介します。ここでは宗教画でありますから、仏像ではありません。
※いずれの国宝も必ずしも公開されているわけではありません。
※国宝の中には掲載された住所とは異なり、博物館などへ貸出や寄託をしているものも多くあります。
如来、菩薩、天部、明王、羅漢像とは
如来とは
- 仏教において、「如来」とは「真理に到達した仏、あるいは悟りを開いた仏」を意味する言葉であり、釈迦が最初に指された。
- 仏教が多様化するに従い、阿弥陀如来や薬師如来、最高仏の大日如来などが現れ、やがて「如来」は釈迦以外の如来の総称となった。
- 「如来」は「人々を救うためにかくのごとく来たりし者」という大乗仏教的な見解があり、初期仏教の語義とは異なる。
菩薩とは
- 「菩薩」とは、悟りを求める人を意味する。
- 元来は、釈尊が成道する前に修行していた姿を指していた。
- 大乗仏教では、自己も仏陀になることを目指し、菩薩として修行することが奨励される。
- 菩薩は、修行段階が問題になり、諸経典には階梯が示される。
- 大菩薩、小菩薩の区別もあり、大菩薩は、衆生を勇気づけるために菩薩であり続けるが、実は仏陀と同じ能力を有すると考えられた。
天部とは
- 天部は、仏教の尊像の4つの区分(如来、菩薩、明王、天)の一つであり、古代インドの神が仏教に取り入れられたものである。
- 貴顕天部と武人天部に分かれ、梵天王、帝釈天、吉祥天、弁財天、伎芸天、鬼子母神などが含まれる。
- 四天王、十二天、金剛力士などを含む数々の天部が存在する。
- これらは、護法や守護神として崇拝されることがあり、寺院の入口や本尊の周囲に安置されることが多い。
明王とは
- 明王は、仏法を守るためにもろもろの悪魔を調伏する守護神であり、教化しがたい衆生を折伏して救済するために忿怒の相で表される。
- 大日如来の命を受け、仏教に帰依しない民衆を帰依させる役割を担い、「教令身」とも呼ばれる。
- 明王は古代インド神話に登場する神々が仏教に包括された存在であり、「天」とは異なる役割を持つ。
羅漢とは
- 羅漢とは、阿羅漢の略称であり、仏教において最高の悟りを得た聖者を指す言葉である。
- 剃髪し袈裟を着た僧形の彫像や図が多数制作され、禅宗の流通に伴って中国や日本で広まった。
- 阿羅漢は、十号の1つである釈迦牟尼仏の別称でもある。
- 律では、自分が阿羅漢でないことを知っていながら、名乗ることを重罪とし、僧団追放の対象としている。
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