“I’m so glad I live in a world where there are Octobers.”
「10月がある世界に生きていることが、本当に嬉しいわ。」
赤毛のアンの作者と作品について

ルーシー・モード・モンゴメリ(Lucy Maud Montgomery, 1874年~1942年)は、カナダ出身の作家で、彼女の代表作『赤毛のアン』(Anne of Green Gables, 1908年)は、世界中で愛されている児童文学の一つです。モンゴメリは、田園風景や人々の心温まる交流を生き生きと描き出すことに長けており、特に『赤毛のアン』は、彼女の故郷プリンス・エドワード島を舞台にしており、豊かな自然描写や愛らしいキャラクターで知られています。モンゴメリはこの作品の成功により、文学界での地位を確立し、その後もアンを主人公とした続編を執筆しました。
『赤毛のアン』(Anne of Green Gables, 1908年)は、カナダのプリンス・エドワード島を舞台に、孤児として育った11歳の少女アン・シャーリーが、グリーン・ゲイブルズという農場で新しい家族とともに暮らすことになる物語です。アンは、生まれつき赤毛で、豊かな想像力を持つ、感情豊かな少女です。彼女はその明るさと個性で、兄妹として暮らしているマリラとマシュー・カスバートの生活に変化をもたらし、やがて村の人々にも愛されるようになります。物語は、アンが成長し、学校での経験や友情、恋愛、試練を通じて自己を確立していく姿を描いています。
発表当時のカナダの状況
『赤毛のアン』が発表された1908年当時のカナダは、まだ農業を基盤とした社会であり、モンゴメリの描く田園生活や家族の絆は、読者に親しみやすいテーマでした。また、プリンス・エドワード島の美しい自然が物語の背景として活躍しており、カナダの豊かな自然とその生活が、作品に深い魅力を与えています。19世紀末から20世紀初頭にかけて、カナダは国家としてのアイデンティティを確立しつつあった時期であり、この作品もまた、カナダの文学史における重要な位置を占めています。
おすすめする読者層
『赤毛のアン』は、児童文学として多くの子どもたちに愛されていますが、大人にも楽しめる作品です。アンの豊かな想像力やユーモア、彼女が直面する困難を乗り越える姿は、子どもから大人まで共感を呼びます。特に、自分の個性や想像力を大切にしたいと思う人、成長物語が好きな人、そして自然豊かな場所を舞台にした物語に惹かれる人におすすめです。また、カナダや田舎の生活、家族や友情のテーマに興味がある読者にもぴったりの作品です。
なぜ名作と言われるか
『赤毛のアン』が名作とされる理由は、アン・シャーリーという個性的で愛らしい主人公の存在にあります。アンは、その赤毛と想像力で周囲を驚かせ、読者にも大きな共感を与えるキャラクターです。彼女の成長過程は、現実的でありながら夢に満ちており、読者はアンとともに喜びや悲しみを共有します。また、モンゴメリの豊かな自然描写や、田園風景の美しさが物語に温かみと親しみやすさを加えています。さらに、作品のテーマには、愛、友情、希望といった普遍的な価値観が描かれており、時代を超えて多くの読者に感動を与えています。
登場人物の紹介
- アン・シャーリー: 主人公。想像力豊かでおしゃべりな赤毛の孤児の少女。
- マシュー・カスバート: グリーン・ゲイブルズの優しい独身男性。アンを養子に迎える。
- マリラ・カスバート: マシューの独身の妹。厳格だが心優しい女性。
- ダイアナ・バリー: アンの親友。隣人であり、心の友となる少女。
- ギルバート・ブライス: アンの同級生。優秀でハンサムな少年。
- レイチェル・リンド夫人: アヴォンリー村の噂好きで親切な女性。
- ミュリエル・ステイシー先生: アンの学校の新任女性教師。生徒に人気がある。
- ジョセフィン・バリー夫人: ダイアナの裕福な大叔母。アンを気に入る。
- ジェーン・アンドリューズ: アンの同級生。実直で信頼できる友人。
- ルビー・ギリス: アンの同級生。美人で恋愛に興味津々な少女。
- ジョーシー・パイ: アンの同級生。意地悪で競争心の強い少女。
- ミニー・メイ・バリー: ダイアナの幼い妹。アンが看病する。
- トーマス・リンド: レイチェル・リンド夫人の夫。穏やかな性格の男性。
- ミスター・フィリップス: アンの最初の学校の男性教師。厳格で偏見を持つ。
- プリシラ・グラント: アンのクィーン学院での親友。明るく快活な少女。
- ステラ・メイナード: アンのクィーン学院での友人。知的で落ち着いた性格。
- チャーリー・スローン: アンの同級生。アンに好意を寄せる少年。
- モーディ・スパージョン・マクファーソン: アンの同級生。内気で真面目な少年。
- ティリー・ボールター: アンの同級生。おしゃべりで陽気な少女。
- ソフィア・スローン: アンの同級生。スローン家の一員で、控えめな性格。
- ミスター・アラン: アヴォンリーの新任牧師。親しみやすい性格。
- ミセス・アラン: ミスター・アランの妻。優雅で思いやりのある女性。
- ジェリー・ブート: カスバート家で雇われたフランス系カナダ人の少年。
- マリラの目の医者: マリラの視力低下を診察する医師。
3分で読めるあらすじ
作品を理解する難易度
『赤毛のアン』は、子ども向けの作品であり、読みやすい文体で書かれています。そのため、年齢を問わず楽しめる作品です。特に、アンの明るい性格や想像力豊かな冒険が描かれているため、物語の進行はスムーズで、読者を引き込みます。しかし、作品に含まれる成長や自己発見、社会的な期待と個人の幸福との葛藤といったテーマは、大人の読者にとっても深く考えさせられる内容です。
後世への影響
『赤毛のアン』は、発表以来、世界中で愛され続けており、映画、テレビドラマ、アニメなど、さまざまなメディアで映像化されています。特に、アニメーション化された作品は日本でも非常に人気があり、何世代にもわたって親しまれています。アン・シャーリーというキャラクターは、独立心を持ち、明るく前向きに生きる女性の象徴として、フェミニズム文学や児童文学の分野においても重要な役割を果たしています。また、作品の舞台であるプリンス・エドワード島は、現在も観光地として人気を集めています。
読書にかかる時間
『赤毛のアン』は翻訳版で約300~400ページの作品で、1日1~2時間の読書時間を確保すれば、1~2週間で読み終えることができます。物語はエピソードごとに進行するため、テンポが良く、どんどん読み進められるでしょう。
読者の感想
「アンの明るい性格に元気をもらった。彼女の想像力が物語全体に溢れていて、読むたびに新しい発見がある。」
「成長するアンを見守るマリラとマシューの姿が感動的だった。」
「アンの個性と周囲の人々との関係が、心温まる物語としてしっかり描かれていて、読んでいて癒される。」
「豊かな自然描写と、田舎の生活がとても魅力的で、何度も読み返したくなる作品。」
「ただの児童文学ではなく、人生の教訓や成長の過程が描かれている点で、大人にもおすすめしたい。」
作品についての関連情報
『赤毛のアン』は、続編として『アンの青春』『アンの幸福』など、アンのその後の人生を描いたシリーズも存在します。また、プリンス・エドワード島は、アンの世界を体験できる観光スポットとして世界中からファンが訪れる場所となっています。モンゴメリの他の作品も、この作品と同様にカナダの自然や生活を美しく描いており、同じ時代背景の物語を楽しむことができます。
作者のその他の作品
- 『アンの青春』(Anne of Avonlea, 1909年): 『赤毛のアン』の続編で、アンが成長し、教師として新たな挑戦を始める物語。
- 『アンの夢の家』(Anne’s House of Dreams, 1917年): アンが結婚し、新しい生活を築いていく姿を描いた作品。
書籍案内 どの訳で読む?
村岡花子訳は、物語をスムーズに楽しみたい読者や、古き良き日本語の味わいを感じたい方に適しています。一方、松本侑子訳は、原文の細部まで味わいたい方や、作品の背景や文化について深く知りたい方におすすめです。どちらの訳もそれぞれの魅力があり、読者の好みや目的に応じて選ぶことができます。
新潮文庫版
1952年 村岡花子訳 定番です。
曲り角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。
大きな眼にソバカスだらけの顔、おしゃべりが大好きな赤毛のアンが、夢のように美しいグリン・ゲイブルスで過した少女時代の物語。
ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られたやせっぽちの孤児アン。初めは戸惑っていた2人も、明るいアンを愛するようになり、夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆく――。愛に飢えた、元気な人参あたまのアンが巻き起す愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織りこまれた永遠の名作。
文春文庫版
2019年 松本侑子訳
美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。
訳文は、お茶会のラズベリー水とカシス酒、アンの民族衣裳、スコットランドから来たマシューの母など、モンゴメリの原作に忠実に、全文を、みずみずしく夢のある文章で訳した真実の物語。
巻末の訳註では、作中に多数引用されるシェイクスピア劇など英文学と聖書の句、スコットランド系アンとアイルランド系ダイアナなど登場人物の民族、19世紀カナダの衣食住、キリスト教、草花とハーブをくわしく解説。
口絵には、リンド夫人が棒針で編むキルト、アンとマシューが初めて出逢う駅のモデル、マシューが愛するスコットランドの薔薇など、物語に描かれる品々や場所の写真を11点掲載。
松本訳の旧訳『赤毛のアン』の訳文と訳註を、全面的に改稿した新訳!
児童書でも、少女小説でもない、大人の心豊かな文学『赤毛のアン』。
10歳までに読みたい世界名作版
2014年 村岡花子訳を編集
★★小学生に読まれてシリーズ累計215万部突破★★
お子さんに、お孫さんに、入学やお誕生日のプレゼントに!
[はじめて読む「赤毛のアン」としておすすめ]
孤児院から、男の子を引き取ろうとしていたマシュウとマリラのもとに、間違えて連れてこられたやせっぽちの女の子アン。赤毛といわれるのが大嫌いで、想像力がとても豊かな女の子。そんなアンが、はらはらするような出来事を経て、成長していく物語。
青い鳥文庫版
2008年 村岡花子訳
世界中で愛されているカナダの小説、『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』。
日本で広く知られている『赤毛のアン』というタイトルを思いついたのは、翻訳者である村岡花子(1893~1968)です。村岡花子は、第二次世界大戦中、防空壕に原稿を持ち込むなど苦労を重ねながら『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』の翻訳をすすめ、戦後、1952年(昭和27年)、日本の読者にようやく紹介することができました。50年近く愛されているこの村岡花子訳を、原作出版100周年の2008年、青い鳥文庫では、新装版として新たに編み直しました。児童向けとして割愛されていたエピソードを新たに収録、「さんざし」「いちご水」「腹心の友」など、往年のアンのファンに親しまれてきた表現はそのままに、「さしこ」は原語の「キルト」にもどすなど、いまの読者に、より親しみやすくしました。
三代にわたって楽しめる「赤毛のアン」シリーズ。
あなたも、かわいいイラストと読みやすい訳文で人気の青い鳥文庫版で、アンと「腹心の友」になりませんか。
曲り角をまがったさきになにがあるのかは、わからないの。
美しいプリンス・エドワード島で愛されて成長していく少女アン。幸福感あふれる名作の日本初の全文訳。
世界中で愛されているカナダの小説、『アン・オブ・グリン・ゲイブルス』。