第13章 例題で解く第1問対策:仮払消費税の仕訳
ここでは、仮払消費税に関する基本的な仕訳を解説します。 簿記3級の試験では、仕入や経費の支払いにおいて発生する消費税を正しく処理できるかが重要です。 仮受消費税が「預かった税金」であるのに対し、仮払消費税は「支払った税金」であり、資産として扱います。
例題1:仕入に対する仮払消費税の処理
(問題)
商品100,000円を仕入れ、消費税10%を加えて掛けとした。仕訳を示しなさい。
(考え方)
仕入時に支払う消費税は、将来税務署に納める消費税から控除できる性質を持つため、仮払消費税として処理します。 仕入勘定には税抜価格を記録し、買掛金は税込金額(支払総額)で記録します。
したがって、仕入100,000円に消費税10,000円を加えた合計110,000円が買掛金となります。
(仕訳)
| 仕入 仮払消費税 |
100,000 10,000 |
買掛金 | 110,000 |
ポイント: 仮払消費税は、税務署に納付する消費税から差し引かれる「前払いの税金」です。 仕入勘定には税抜金額のみを記入し、仮払消費税を別に区分します。
例題2:現金で仕入れた場合
(問題)
商品80,000円を現金で仕入れ、消費税10%を加えて支払った。仕訳を示しなさい。
(考え方)
現金支払いでも考え方は同じです。 支払う総額は税込金額ですが、仕入勘定には税抜金額、仮払消費税は支払った消費税として別に処理します。
(仕訳)
| 仕入 仮払消費税 |
80,000 8,000 |
現金 | 88,000 |
ポイント: 現金や買掛金などの支払い金額は税込価格で処理し、 仕入や経費勘定には税抜価格のみを計上します。
仮払消費税の性質
- 仮払消費税は資産
→ 税務署に納付する消費税額から控除できる性質を持つ。 - 決算時には仮受消費税と相殺し、差額を未払消費税として処理。
- 仕入勘定に消費税を含めてしまうと、費用を過大に計上してしまう。
仕入と仮払消費税の混同に注意
試験では「仕入110,000円」と書かれていても、実際には税込金額であることが多く、 税抜金額と消費税額を分けて処理する必要があります。
たとえば、税込110,000円であれば、税抜価格は100,000円、仮払消費税10,000円です。
消費税込みか、消費税と分けるかの基準
| 税込み価格で記帳 | 貸借対照表の勘定科目(資産と負債)は消費税を含めて記帳 売掛金、買掛金、前払金、前受金、未収入金、未払金など |
|---|---|
| 本体価格と仮〇消費税で2行に分けて記帳 |
損益計算書の勘定科目(費用と収益)は消費税を別で記帳 売上、仕入、経費、備品など |
上記表に当てはめると、仕入は費用であるから分けて記帳し、現金は資産、買掛金は負債であるから含めて記帳すると判断することができます。
例題まとめ(第1問での出題パターン)
- ① 掛け仕入の場合: 仕入・仮払消費税/買掛金
- ② 現金仕入の場合: 仕入・仮払消費税/現金
- ③ 試験では税込・税抜の表示を見落とさない
注意点・試験でのポイント
- 仕入勘定に消費税を含めない
→ 消費税は仮払消費税として別勘定にする。 - 支払額(現金・買掛金)は税込金額
→ 実際に支払う総額を記録する。 - 仮払消費税は資産
→ 後に納付額と相殺される前払い分。 - 仮受消費税と逆方向の関係を理解
→ 仮受は貸方(負債)、仮払は借方(資産)。
このように、仕入時には「仕入=税抜」「支払総額=税込」「仮払消費税=前払いの税金」と整理して考えることが大切です。 簿記3級の第1問では、仮払消費税の位置(仕入と同じ借方)と、仕入金額の税抜処理が理解できているかが問われます。