バランスシートの考え方 | 5つの基本分類を理解しよう | やさしい簿記3級講座

スポンサーリンク
スポンサーリンク

第2章 5つの基本分類を理解しよう – バランスシートの考え方

前回学んだ「資産・負債・純資産」は、会社がどんな財産を持ち、どんな借金があり、どれだけ自分のものが残っているかを示すものでした。
これをひと目で見られるようにまとめた表が、バランスシート(貸借対照表)です。

バランスシートとは?

バランスシートとは、会社のある時点の財産の一覧表です。
左側には「資産」、右側には「負債」と「純資産」が書かれ、両側の合計金額は必ず一致します。
この左右のバランスが取れていることから、「バランスシート」と呼ばれています。

貸借対照表の基本構造
借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
資産 1,000,000 負債 400,000
(現金・建物・備品など)   純資産 600,000
合計 1,000,000 合計 1,000,000

左の「資産」は会社がどうやってお金を使っているかを表し、右の「負債・純資産」は会社がどこからお金を集めたかを表します。
つまり、「使い道=資金の集め方」という関係が成立しているのです。

家計にたとえてみよう

家計でも、同じ考え方ができます。
自分の持っているお金や車、家などが「資産」、住宅ローンやカードの残高が「負債」、それを差し引いた自分の持ち分が「純資産」です。

家計のバランスシート例
資産 金額 負債 金額
現金・預金 500,000 住宅ローン 3,000,000
自宅・車など 3,500,000 クレジット残高 100,000
合計 4,000,000 負債合計 3,100,000
    純資産(自分の財産) 900,000

このように、「資産−負債=純資産」という関係は、会社でも家庭でも同じです。
バランスシートは、会社のお金の状態を写す“写真”のようなものなのです。

バランスが取れる理由

左右の金額が必ず一致するのは、「お金の使い道」と「そのお金の出どころ」が常に対応しているからです。
例えば、銀行からお金を借りてパソコンを買えば、「現金(資産)」が増える一方で「借入金(負債)」も増えます。
どちらも同じ金額だけ動くため、左右が自然と一致します。

例:銀行から10万円借りてパソコンを購入
借方 金額 貸方 金額
備品(資産) 100,000 借入金(負債) 100,000

このように、会社のすべての取引は「左右でバランスが取れる」ようにできています。
これが、簿記の根本にある貸借一致の原則です。

練習問題

  1. バランスシートの左側に書くのは何の項目ですか?
  2. 「資産1,000万円」「負債700万円」のとき、純資産はいくらですか?
  3. バランスシートの左右が必ず一致する理由を簡単に説明しましょう。
解答を見る
  1. 資産
  2. 300万円(1,000−700)
  3. お金の使い道(資産)と出どころ(負債・純資産)が同じ金額だから。

まとめ

バランスシート(貸借対照表)は、会社の財産の状態を表す大切な表です。
左側の「資産」は使い道、右側の「負債・純資産」は集めたお金の出どころを示し、両側の合計が一致することで、会社の状態が正確に整理できます。
次回は、このバランスシートの情報を使って「会社のお金の流れ」を表にしてみましょう。