当期純利益・純損失の計上 | 例題で解く第1問対策 | やさしい簿記3級講座

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第13章 例題で解く第1問対策:当期純利益・純損失の計上

ここでは、決算整理後に行う「当期純利益」または「当期純損失」の計上仕訳について解説します。 この処理は、損益勘定を締め切り、次期に繰り越す利益または損失を確定させる非常に重要な仕訳です。

基本の考え方

損益勘定の締切後、最終的に残るのが当期純利益または当期純損失です。 これを繰越利益剰余金(純資産)へ振り替えることで、 当期の利益・損失が貸借対照表上に反映され、次期に繰り越されます。

つまり、決算の最後に次のいずれかの仕訳を行います。

  • 利益が出た場合(当期純利益) → 資本が増える
  • 損失が出た場合(当期純損失) → 資本が減る

当期純利益を計上する場合

(考え方)
収益合計が費用合計を上回った場合、損益勘定は貸方残高になります。 この金額が「当期純利益」です。 純利益は会社の財産の増加であり、繰越利益剰余金を増やすため、 損益を借方・繰越利益剰余金を貸方に記入します。繰越利益剰余金は純資産であり、ホームポジションは貸方です。

(仕訳)

損益 100,000 繰越利益剰余金 100,000

ポイント: 利益は「資本を増やす」ものなので、繰越利益剰余金(貸方)が増加します。 この仕訳によって、損益勘定がゼロになり、純利益が翌期に繰り越されます。

損益勘定をゼロにするとは、損益勘定書の全ての項目(費用と収益)の借り方とか仕方を損益を用いて等しくするということです。上記の例で言えば、貸方、つまり収益が多い状態のため、借方に損益を記すことで、借方とか仕方を等しく調整したということになります。

当期純損失を計上する場合

(考え方)
費用合計が収益合計を上回った場合、損益勘定は借方残高になります。 この金額が「当期純損失」です。 損失は会社の財産の減少であり、繰越利益剰余金を減らすため、 繰越利益剰余金を借方・損益を貸方に記入します。

(仕訳)

繰越利益剰余金 80,000 損益 80,000

ポイント: 損失は「資本の減少」を意味するため、繰越利益剰余金(借方)を減らす形で処理します。 この仕訳でも、損益勘定がゼロとなり、損失額が翌期へ反映されます。

損益勘定の締切と繰越利益剰余金の関係

決算ではまず収益・費用の各勘定を損益勘定に振り替え、 最終的に残った損益の差額(=純利益または純損失)を 繰越利益剰余金に振り替えて締め切ります。

仕訳の方向を整理すると次のようになります。

区分 損益勘定の残高 仕訳 効果
当期純利益 貸方残 損益(借方)/繰越利益剰余金(貸方) 資本(純資産)が増加
当期純損失 借方残 繰越利益剰余金(借方)/損益(貸方) 資本(純資産)が減少

例題まとめ(第1問での出題パターン)

  • ① 当期純利益の仕訳: 損益/繰越利益剰余金
  • ② 当期純損失の仕訳: 繰越利益剰余金/損益
  • ③ 損益勘定は決算で必ずゼロにする

注意点・試験でのポイント

  • 損益勘定の残高方向に注目する
     → 貸方残なら当期純利益、借方残なら当期純損失。
  • 繰越利益剰余金は純資産の一部
     → 利益なら貸方増、損失なら借方増。
  • 決算の最終仕訳
     → 「損益」と「繰越利益剰余金」を結ぶのが最終の決算整理。
  • 第1問頻出テーマ
     → 「利益か損失か」によって仕訳の方向が逆になる点に注意。

このように、損益勘定の締切により、当期の成果(利益または損失)が確定します。 当期純利益の場合は資本が増加し、当期純損失の場合は資本が減少します。 いずれも損益勘定と繰越利益剰余金を使って締め切ることを正確に覚えておきましょう。