第10章 伝票会計と補助簿 – 売掛帳・買掛帳・現金出納帳
伝票で取引を記録したあとは、その内容を「補助簿(ほじょぼ)」に転記して管理します。
補助簿は、特定の取引や相手先ごとの明細を詳しく記録する帳簿で、実務にも直結する重要な部分です。
補助簿とは
補助簿は、仕訳帳や総勘定元帳を補うための帳簿です。
たとえば「売掛金」や「買掛金」などの勘定は、どの取引先とのやりとりかを明確にする必要があります。
その明細を記録するのが補助簿の役割です。
主な補助簿の種類
簿記3級で登場する代表的な補助簿は、次の3つです。
| 補助簿名 | 記録する内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 売掛帳 | 商品を掛けで販売した取引 | 取引先ごとの未回収金額を把握する |
| 買掛帳 | 商品を掛けで仕入れた取引 | 取引先ごとの未払い金額を把握する |
| 現金出納帳 | 現金の入出金 | 現金残高を常に確認できるようにする |
売掛帳の記入例
売掛帳は、掛け販売(後払いの取引)の相手ごとに作成します。
次のように「得意先ごと」に金額を管理します。
| 日付 | 摘要 | 借方(売上) | 貸方(入金) | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 売上(商品販売) | 100,000 | 100,000 | |
| 4/10 | 現金入金 | 50,000 | 50,000 |
このように、売掛帳では「売上で増え」「入金で減る」形で残高を管理します。
買掛帳の記入例
買掛帳は、仕入先ごとに作成し、未払い金を管理します。
| 日付 | 摘要 | 借方(支払) | 貸方(仕入) | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4/2 | 仕入(掛け) | 80,000 | 80,000 | |
| 4/15 | 現金支払 | 80,000 | 0 |
買掛帳は「仕入で増え」「支払で減る」形で未払金を把握します。
現金出納帳の記入例
現金の出入りを毎日記録する帳簿です。
残高を常に確認できるようにしておくことで、現金過不足の防止につながります。
| 日付 | 摘要 | 収入 | 支出 | 残高 |
|---|---|---|---|---|
| 4/1 | 期首残高 | 100,000 | 100,000 | |
| 4/3 | 売上入金 | 50,000 | 150,000 | |
| 4/5 | 消耗品購入 | 10,000 | 140,000 |
現金出納帳は、「入金で増え」「出金で減る」を記録し、常に残高が確認できるようにします。
ミニ練習:どの補助簿を使う?
次の取引を、どの補助簿で管理すべきか考えてみましょう。
| 取引内容 | 補助簿の種類 |
|---|---|
| 商品を掛けで販売した |
解答を見る売掛帳 |
| 商品を掛けで仕入れた |
解答を見る買掛帳 |
| 現金で光熱費を支払った |
解答を見る現金出納帳 |
まとめ
- 補助簿は、取引をより詳細に管理するための帳簿。
- 売掛帳・買掛帳は取引先ごとの管理に使う。
- 現金出納帳は現金残高を常に把握するために使う。
- 簿記3級では、それぞれの役割と使い分けを理解しておくことが大切。
次回は「試験での伝票問題の出方」について解説します。