第9章 財務諸表を作ってみよう – 損益計算書とは
ここまでで学んできた「仕訳」「転記」「決算整理」をもとに、いよいよ会社の1年間の成績表である財務諸表(ざいむしょひょう)を作っていきます。
まずは、会社のもうけ(利益)を明らかにする損益計算書(そんえきけいさんしょ)から見ていきましょう。
損益計算書とは
損益計算書(Profit and Loss Statement、略してP/L)は、会社の「収益」と「費用」をまとめて、その差額から「利益(または損失)」を求める表です。
つまり、1年間でどれだけもうかったか、あるいは損をしたかを示すものです。
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 収益 | 会社が得たお金の流れ(もうけ) | 売上、受取利息など |
| 費用 | 会社が使ったお金の流れ(かかった費用) | 仕入、給料、家賃、光熱費など |
| 利益 | 収益 − 費用の差額 | 当期純利益など |
簿記では、「収益が増えると貸方」「費用が増えると借方」に記入してきました。
その集計結果をまとめると、損益計算書が完成します。
損益計算書の基本構造
実際の損益計算書の構成は次のようになっています。
上から順に「売上 → 費用 → 利益」と集計していく流れです。
| 区分 | 主な内容 | 説明 |
|---|---|---|
| 売上高 | 商品の販売・サービスの提供による収益 | 会社のメインのもうけ |
| 売上原価 | 仕入や商品製造にかかった費用 | 販売するために直接かかったコスト |
| 販売費および一般管理費 | 給料・家賃・光熱費・広告費など | 会社運営のための費用 |
| 営業利益 | 売上高 −(売上原価+販売費および一般管理費) | 本業でのもうけ |
| 営業外収益・費用 | 受取利息・支払利息など | 本業以外のもうけや損失 |
| 経常利益 | 営業利益 ± 営業外損益 | 会社全体としてのもうけ |
| 当期純利益 | 最終的な利益 | 株主への配当や内部留保の原資 |
ミニ例題:損益計算書を作ってみよう
次の取引をもとに、簡単な損益計算書を作ってみましょう。
- 売上:100,000円
- 仕入:60,000円
- 給料:20,000円
- 家賃:10,000円
- 受取利息:2,000円
| 区分 | 金額(円) |
|---|---|
| 売上高 | 100,000 |
| 売上原価 | 60,000 |
| 販売費および一般管理費 | 30,000 |
| 営業利益 | 10,000 |
| 営業外収益(受取利息) | 2,000 |
| 当期純利益 | 12,000 |
営業利益は売上高 – 売上原価 – 販売費および一般管理費 ですので、重複して加算しません。
このように、「収益 − 費用 = 利益」という関係がはっきり見えるのが損益計算書です。
試験でも、収益と費用の関係を問う問題は頻出です。
まとめ
- 損益計算書は「1年間のもうけ」を表す書類。
- 収益と費用をまとめ、その差額で利益を求める。
- 構造は「売上 → 費用 → 利益」の順に整理されている。
- 簿記3級では、項目名と計算構造を理解することが大切。
次回は、会社の「財産の状態」を示すもうひとつの表、貸借対照表を学んでいきましょう。