決算整理仕訳のまとめ | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

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第8章 決算整理とは何か – 決算整理仕訳のまとめ(完全版)

決算整理仕訳とは、1年間の取引を正しく期間ごとに区分し、期末時点の正しい財政状態と経営成績を示すために行う調整処理です。ここでは、簿記3級で問われるすべての代表的な決算整理仕訳を、9項目に分けてまとめて解説します。

現金過不足の処理

帳簿上の現金残高と実際の現金残高が一致しない場合に用います。原因不明のまま期末を迎えた場合は、損益科目で処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
雑損 1,000 現金過不足 1,000

現金過不足は、決算で必ず「雑損」または「雑益」に振り替え、残高をゼロにします。

上記は現金が不足している場合であり、下記は現金が余ってしまっている場合です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金過不足 1,000 雑益 1,000

当座借越の振り替え

当座預金が貸方残(マイナス)になっている場合は、決算で「借入金」に振り替えて負債として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 30,000 借入金 30,000

翌期首には、再振替仕訳で「借入金」から「当座預金」へ戻します。以下のようにすることもできます。

借方科目 金額 貸方科目 金額
当座預金 30,000 当座借越 30,000

貸倒引当金の繰り入れ

売掛金などの回収不能に備えて、将来の損失を見積もり、「貸倒引当金」という枠を設定します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒引当金繰入 5,000 貸倒引当金 5,000

貸倒引当金は「見積り」のため、実際に貸倒れたときはこの金額を取り崩して処理します。
繰り入れは利益を実態に合わせるために行われます。

固定資産の減価償却

備品などの固定資産は時間とともに価値が減少するため、毎期その減少分を「減価償却費」として費用計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
減価償却費 20,000 減価償却累計額 20,000

減価償却累計額は、これまでの減価償却の累積を表す「資産のマイナス項目」です。

経過勘定の振り替え(見越・繰延)

決算時点でまだ支払っていない費用や、翌期に関係する費用・収益を調整する仕訳です。

内容 借方科目 金額 貸方科目 金額
未払費用(見越) 支払利息 4,000 未払費用 4,000
前払費用(繰延) 前払費用 6,000 支払保険料 6,000

翌期首には再振替仕訳を行い、翌期の費用・収益に戻します。

棚卸資産(商品の棚卸)

期末に実際の在庫を数え、残った商品の価値を「繰越商品」として処理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越商品 80,000 仕入 80,000

翌期首には再振替仕訳を行い、期首商品の計上を行います。

法人税等の見積計上

当期の利益に基づいて、法人税などを見積もり「未払法人税等」として負債計上します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
法人税等 100,000 仮払法人税等 70,000
未払法人税等 30,000

翌期に確定納付が行われたら、「未払法人税等」を取り崩します。

消費税の整理(未払・未収)

仮払消費税と仮受消費税の差額を計算し、納付または還付を見越して整理します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仮受消費税 60,000 仮払消費税 50,000
未払消費税等 10,000

もし仮払消費税が多ければ、逆に「未収消費税等(資産)」として処理します。

損益振替

期中の収益・費用を「損益勘定」に集約し、当期の純利益または純損失を確定します。

借方科目 金額 貸方科目 金額

売上など各種収益

300,000 損益 600,000
損益 700,000 仕入など各種費用 300,000
損益 100,000 繰越利益剰余金 100,000

最後に、「損益」勘定の残高を「繰越利益剰余金」に振り替え、次期へ引き継ぎます。

まとめ

  • 決算整理仕訳は、正確な期間損益を示すための調整処理。
  • 代表的な論点は「現金過不足・当座借越・貸倒引当金・減価償却・経過勘定・棚卸資産・法人税等・消費税・損益振替」。
  • 一部は翌期首に再振替仕訳を行い、翌期の処理に反映させる。
  • 日商簿記3級では、これら9項目を体系的に理解しておくことで、決算問題に強くなる。

この9つの整理仕訳を押さえれば、簿記3級の決算問題をすべてカバーでき、試験でも得点源となります。