貸倒損失と償却債権取立益の仕訳 | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

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第8章 決算整理とは何か – 貸倒損失と償却債権取立益の仕訳

売掛金などの債権が回収不能となった場合、会社はその金額を「貸倒損失」として処理します。これは、将来の入金が見込めなくなった損失を当期の費用として計上する処理です。また、いったん貸し倒れ処理した後に、そのお金が戻ってきた場合は「償却債権取立益」として収益に計上します。本記事では、当期・翌期それぞれの仕訳をわかりやすく解説します。

  • 前期に貸し倒れた売掛金を回収した…償却債権取立益
  • 投機に貸し倒れた売掛金を回収した…

貸倒損失とは

貸倒損失(かしだおれそんしつ)とは、売掛金や受取手形などの債権が回収不能となったときに発生する損失です。つまり、取引先の倒産や経営悪化などにより「お金が戻らない」と判断された場合、その金額を費用として処理します。

当期における貸倒処理

同じ期中(貸倒損失を計上したのと同じ年度)に回収できた場合は、特別利益ではなく、貸倒損失の戻入れとして処理します。

例:売掛金50,000円が回収不能になった場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
貸倒損失 50,000 売掛金 50,000

この仕訳によって、売掛金が消滅し、当期の費用として損失が計上されます。

翌期にお金が戻ってきた場合(償却債権取立益)

貸し倒れ処理をした後、思いがけず相手先から入金があった場合、すでに費用として処理済みであるため、その回収金は当期の利益となります。これを「償却債権取立益」といいます。

例:前期に貸倒処理した売掛金50,000円のうち、翌期に20,000円が回収できた場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
現金 20,000 償却債権取立益 20,000

この「償却債権取立益」は特別利益に分類され、損益計算書では営業外収益の欄に表示されます。

まとめ

  • 貸倒損失は、売掛金などが回収不能になった際の損失処理。
  • 当期に回収不能 → 「貸倒損失/売掛金」
  • 同一会計期間中に回収 → 「現金/貸倒損失」
  • 翌期に回収 → 「現金/償却債権取立益」
  • 償却債権取立益は特別利益に分類される。

貸倒処理は、売上債権の管理と同様に重要な決算手続きの一つです。
実際の回収不能が発生した時点で確実に損失を計上し、後に回収があった場合には正しく収益化することで、正確な損益計算が可能になります。