損益振替のしくみと仕訳例 | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

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第8章 決算整理とは何か – 損益振替のしくみと仕訳例

決算の最後に行う重要な処理の一つが損益振替(そんえきふりかえ)です。これは、1年間の収益と費用をまとめて「損益勘定」に集約し、最終的な利益や損失を「繰越利益剰余金」に振り替える作業です。損益計算書と貸借対照表をつなぐ役割を持つため、決算整理の仕上げともいえる重要なステップです。

損益振替とは?

損益振替とは、すべての「費用」とすべての「収益」を一度「損益」勘定にまとめ、期末の利益や損失を確定させる処理のことです。

  • 費用をすべて損益勘定の借方に振り替える
  • 収益をすべて損益勘定の貸方に振り替える

最終的に、損益勘定の差額(貸方・借方のどちらが大きいか)によって、その期の「利益」または「損失」が決まります。

利益があれば損益を借方、損失であれば損益を貸方に置きます。

損益勘定の仕組み

損益勘定は、決算時だけ使われる特別な勘定科目です。通常の取引では登場せず、「収益と費用を一時的に集計するためだけ」に使います。

利益が出た場合の仕訳

1年間の売上が600,000円、仕入が450,000円だった場合を考えます。差額の150,000円が利益です。

① 費用を損益に振り替える

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 450,000 仕入 450,000

② 収益を損益に振り替える

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 600,000 損益 600,000

③ 損益を繰越利益剰余金へ振り替える(利益)

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 150,000 繰越利益剰余金 150,000

この場合、最終的に純利益150,000円が繰越利益剰余金(純資産)として翌期に引き継がれます。

損失が出た場合の仕訳

今度は、売上が400,000円、仕入が450,000円の場合を考えます。この場合、50,000円の損失が出ています。

① 費用の振替

借方科目 金額 貸方科目 金額
損益 450,000 仕入 450,000

② 収益の振替

借方科目 金額 貸方科目 金額
売上 400,000 損益 400,000

③ 損益を繰越利益剰余金へ振り替える(損失)

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越利益剰余金 50,000 損益 50,000

この場合は、損益勘定の借方が大きいため純損失50,000円となり、繰越利益剰余金の減少として処理します。

損益振替の目的

  • 収益と費用を相殺して、その期の純利益・純損失を確定させる
  • 利益(または損失)を次期に繰り越し、会社全体の純資産を更新する
  • 損益計算書と貸借対照表をつなぐ決算整理の最終段階である

まとめ

  • 損益振替では「損益勘定」にすべての収益と費用を集約する。
  • 損益の残高が利益なら「損益/繰越利益剰余金」、損失なら「繰越利益剰余金/損益」。
  • この処理によって1年間の経営成績が確定し、翌期に引き継がれる。

損益振替は、簿記の総まとめともいえる決算仕訳です。利益や損失がどのように最終的な資本に反映されるかを理解すると、簿記の全体像がより明確になります。