税金と社会保険料の仕訳について | 経費とその他の取引 | やさしい簿記3級講座

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第6章 経費とその他の取引 – 税金と社会保険料の仕訳について

従業員に給与を支払うときには、所得税や社会保険料を控除して支払います。控除した金額は、会社が一時的に国や保険機関の代わりに預かっているお金であり、会社の費用にはなりません。一方で、会社が負担する社会保険料は「法定福利費」として経費になります。ここでは、給与支給から納付までの流れを具体的な仕訳で説明します。

給与支給時の仕訳

例:給与300,000円を支給し、所得税15,000円、社会保険料25,000円を控除して現金で支払った場合。

借方科目 金額 貸方科目 金額
給料 300,000 現金 260,000
所得税預り金 15,000
社会保険料預り金 25,000

この時点で、会社は従業員から差し引いた所得税・社会保険料を「預かっている」状態になります。まだ実際に納付しているわけではありません。

預り金を納付したときの仕訳

後日、従業員から預かった所得税と社会保険料を会社が現金で納付します。

借方科目 金額 貸方科目 金額
所得税預り金 15,000 現金 15,000
社会保険料預り金 25,000 現金 25,000

この仕訳により、預り金が消滅し、会社の負債が解消されます。

会社負担分の社会保険料(法定福利費)の仕訳

社会保険料には会社負担分もあり、これは経費として処理します。納付時に「法定福利費」として計上します。

例:会社負担分の社会保険料30,000円と従業員負担分30,000円を現金で納付した。(社会保険料は折半負担)

借方科目 金額 貸方科目 金額
法定福利費 30,000 現金 60,000
社会保険料預り金 30,000

全体の流れ

タイミング 主な勘定科目 内容
給与支給時 給料/現金・所得税預り金・社会保険料預り金 税金や保険料を控除して給与を支給
預り金納付時 所得税預り金・社会保険料預り金/現金 従業員分を納付
会社負担分納付時 法定福利費/現金 会社が負担する社会保険料を経費として処理

ポイント

  • 「所得税預り金」「社会保険料預り金」は会社の費用ではなく、一時的な負債です。
  • 「法定福利費」は会社の費用(損益計算書上の経費)です。
  • 納付時には「現金」または「当座預金」を使います。
  • 決算時に預り金が残っていれば、まだ納付していない分として貸借対照表に表示されます。

このように、給与関連の取引では「従業員負担分(預り金)」と「会社負担分(法定福利費)」を明確に区分して処理することが大切です。