第6章 経費とその他の取引 – 消耗品や通信費などの扱い
事務作業を行ううえで、用紙や筆記具、電話代などの支払いは日常的に発生します。
これらはすべて「経費」として処理されますが、用途に応じて使う勘定科目が異なります。
ここでは、代表的な「消耗品費」と「通信費」の仕訳を学びましょう。
消耗品費とは
「消耗品費」とは、使用するうちに無くなるものを購入したときに使う勘定科目です。
例えば、コピー用紙・文房具・プリンタのインクなどがこれにあたります。
少額で短期間に使い切るものが対象で、簿記3級では原則すべて費用として扱います。
例1:文房具を購入したとき
事務用のボールペンを現金で購入した場合、費用が増え、現金が減ります。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 文房具1,000円を現金で購入した | 消耗品費 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
「消耗品費」は費用として借方に、支払手段(ここでは現金)は貸方に記入します。
例2:コピー用紙を銀行振込で購入したとき
支払いを預金口座から行った場合は、貸方の勘定科目が「普通預金」になります。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| コピー用紙2,000円を普通預金から支払った | 消耗品費 | 2,000 | 普通預金 | 2,000 |
支払方法が異なっても、費用の増減関係は同じです。
「現金」か「預金」かによって貸方が変わる点だけに注意しましょう。
通信費とは
「通信費」とは、電話・インターネット・郵便など、通信に関する支出を表す勘定科目です。
会社では月々の通信料や切手代などをこの科目で処理します。
例3:電話代を現金で支払ったとき
通信会社へ料金を支払った場合の仕訳です。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 電話料金5,000円を現金で支払った | 通信費 | 5,000 | 現金 | 5,000 |
通信費が発生したときは、費用である「通信費」を借方に、支払った現金を貸方に記入します。
例4:郵便切手を購入したとき
郵便局で切手を購入した場合も「通信費」で処理します。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 切手代1,000円を現金で支払った | 通信費 | 1,000 | 現金 | 1,000 |
切手を購入した段階で費用とするのが簿記3級のルールです。
(実務では、未使用切手を「貯蔵品」として資産処理する場合もありますが、3級では扱いません。)
まとめ
- 少額で使い切るものは「消耗品費」、通信に関する支出は「通信費」を使う。
- 費用が増えると借方に、現金や預金が減ると貸方に記入する。
- 試験では「どの勘定科目を使うか」を正確に見分けることが重要。
- 実務では例外もあるが、簿記3級ではシンプルな処理を優先して覚えよう。
「経費の種類ごとにどの勘定科目を使うか」を押さえておくと、
試験の仕訳問題で迷うことが少なくなります。