第1章 簿記とは何か – 「お金の記録」を学ぶ意味
私たちは毎日の生活の中で、お金の出入りを自然に行っています。
コンビニで買い物をしたり、給料を受け取ったり、貯金をしたり──これらはすべて「お金の動き」です。
そのお金の動きを正確に記録し、あとで振り返ることができるようにする仕組みが「簿記(ぼき)」です。
お金の動きを「記録」する理由
家庭でも会社でも、お金の出入りを記録することはとても大切です。
記録を残しておくことで、「何に使ったのか」「いくら残っているのか」がわかり、間違いやムダを防ぐことができます。
会社では特に、お金の流れを正確に把握し、経営判断に活かす必要があります。
| 出来事 | お金の動き | 記録する意味 |
|---|---|---|
| 商品を販売した | お金が入る | 売上を把握する |
| 仕入をした | お金が出る | 費用や在庫を確認する |
| 給料を支払った | お金が出る | 人件費の管理をする |
簿記は「経営の健康診断」
簿記は、会社にとっての「健康診断」のようなものです。
毎日の取引を記録することで、会社が今どんな状態にあるのかが見えるようになります。
たとえば次のようなことが数字でわかるようになります。
- 会社が今どれくらい儲かっているのか(利益)
- 手元にどのくらいお金や資産があるのか
- 借金がどのくらいあるのか
このように、簿記の記録は「会社の状態を数字で表す」ために欠かせません。
社長や経営者だけでなく、銀行や株主、取引先なども、簿記の数字を見て会社を判断します。
お金の動きを二方向で考える
簿記では、ひとつの出来事を「増えたもの」「減ったもの」の両面から考えます。
これを「取引の二面性」といい、簿記の基礎となる考え方です。
| 出来事 | 増えたもの | 減ったもの |
|---|---|---|
| 現金で商品を販売した | 現金(資産) | 商品(資産) |
| 文房具を現金で購入した | 消耗品費(費用) | 現金(資産) |
| 銀行からお金を借りた | 現金(資産) | 借入金(負債) |
このように、どんな取引にも「お金の動きの裏側」があります。
簿記はその両方をきちんと記録し、あとで全体のバランスを確認できるようにするのです。
簿記を学ぶことで得られる力
簿記を学ぶと、次のような力が身につきます。
- お金の流れを数字で説明できるようになる
- 利益や赤字の仕組みを理解できる
- 経営や会計の基本を理解できる
これらの力は、経理や会計の仕事だけでなく、
日常生活の中で「お金に強くなる」ためにも役立ちます。
確認クイズ
- 簿記の目的は何でしょうか?
- 簿記の記録が役に立つのは、どんなときですか?
- 「お金を借りた」ときに増えるものと減るものは何ですか?
解答を見る
- お金の動きを正確に記録し、会社の経営状態を明らかにすること。
- 会社の利益や資産、負債の状態を把握したいとき。
- 増えるもの:現金(資産)、減るもの:借入金(負債)。
まとめ
簿記とは、「お金の動きを正しく記録するためのルール」です。
ただの記録ではなく、会社の状態を数字で説明する「経営の言語」とも言えます。
次回は、簿記を理解するための基礎「家計簿との違い」を見ていきましょう。