ECMAScript規格の制定 | 歴史 | JavaScript 超完全入門 基本から発展までのすべて

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解説の概要

ECMAScript(エクマスクリプト)は、JavaScriptの標準仕様として策定された規格です。JavaScriptが誕生した1990年代には、複数のブラウザ間で互換性の問題が発生していました。これを解消するために、ECMAScriptという標準規格が制定され、JavaScriptの進化とともに改良が続けられています。この解説では、ECMAScript規格の誕生とその重要性について詳しく説明します。

ECMAScriptとは?

ECMAScriptは、JavaScriptの基となる標準規格で、ECMA(European Computer Manufacturers Association)によって策定されました。JavaScriptという言語そのものは、Netscape社のエンジニアであるブレンダン・アイクによって開発されましたが、ECMAScriptはそれを標準化し、全てのブラウザで共通の仕様に基づいて動作することを目指したものです。

1997年、ECMAScriptの最初のバージョンである「ECMAScript 1」がリリースされました。この標準化によって、JavaScriptは単なる独自のブラウザスクリプト言語から、広く使われる標準化された言語へと進化しました。

ECMAScript制定の背景

1990年代半ば、ウェブブラウザ市場ではNetscape NavigatorとMicrosoftのInternet Explorerが競争を繰り広げていました。NetscapeはJavaScriptを、MicrosoftはJScriptという互換性のない独自のスクリプト言語を採用していました。これにより、ウェブ開発者は異なるブラウザ向けに別々のコードを書く必要があり、大きな負担を強いられていました。

この問題を解決するため、NetscapeはECMAに働きかけ、JavaScriptを標準化する動きが始まりました。その結果、JavaScriptを基にした標準規格「ECMAScript」が誕生し、ブラウザ間の互換性問題が解消されていきました。

ECMAScript 1の特徴

ECMAScript 1は、1997年にリリースされた最初のバージョンです。JavaScriptの基本的な構文と機能が盛り込まれており、これに基づいて各ブラウザがJavaScriptの実装を行いました。以下は、ECMAScript 1の主な特徴です。

特徴 説明
基本的なデータ型 文字列(String)、数値(Number)、ブール値(Boolean)などの基本的なデータ型が定義されました。
制御構文 条件分岐(if文、switch文)やループ(for文、while文)などの制御構文がサポートされました。
関数 JavaScriptの主要な機能である関数の定義方法が規定され、柔軟なプログラムの作成が可能となりました。

ECMAScript 1は、JavaScriptの基本的な部分を標準化したものですが、これにより異なるブラウザでも同じコードが動作するようになり、ウェブ開発者の負担が大きく軽減されました。

ECMAScriptの進化

ECMAScriptはその後も進化を続け、定期的に新しいバージョンがリリースされてきました。ここでは、いくつかの重要なバージョンを紹介します。

  • ECMAScript 2(1998年): ECMAScript 1の細かな修正と改善を行ったマイナーバージョン。
  • ECMAScript 3(1999年): 正規表現、例外処理、厳密モードなど、重要な機能が追加された大規模なアップデート。
  • ECMAScript 5(2009年): オブジェクトの拡張やJSONサポート、strict mode(厳密モード)など、モダンJavaScriptの基盤が整備されました。
  • ECMAScript 6(ES6、2015年): クラス構文、アロー関数、テンプレートリテラル、モジュールなど、多くの新機能が追加され、JavaScriptはさらに強力な言語へと進化しました。

ECMAScript 6(ES6)の重要性

ECMAScript 6(通称ES6)は、JavaScriptの歴史において特に重要なバージョンです。ES6では、以下のような大規模な機能拡張が行われました。

機能 説明
クラス構文 JavaScriptでオブジェクト指向プログラミングがより簡単に行えるようになりました。
アロー関数 短縮された構文で関数を定義でき、thisの扱いが簡単になりました。
テンプレートリテラル 文字列の中に変数を埋め込むことができる新しい構文が導入され、可読性が向上しました。
let、const 新しい変数宣言の方法が追加され、より安全なコードが書けるようになりました。
モジュール コードの分割と再利用がしやすくなり、スケーラブルなアプリケーション開発が容易になりました。

ES6の登場により、JavaScriptは従来のスクリプト言語としての役割を超え、モダンなアプリケーション開発に適した強力な言語として広く採用されるようになりました。

まとめ

  • ECMAScriptは、JavaScriptを標準化するために1997年に制定された規格です。
  • ECMAScript 1は、異なるブラウザでも同じコードが動作するようにするための最初の標準仕様でした。
  • その後もECMAScriptは進化を続け、JavaScriptの機能を拡張し続けています。
  • 特にECMAScript 6(ES6)は、JavaScriptに多くの重要な機能を追加し、モダンなウェブアプリケーションの基盤となりました。
  • JavaScriptの発展において、ECMAScript規格は不可欠な存在であり、今後も進化し続けるでしょう。