Error一覧とその原因と対策 | JavaScriptのエラー分類 | JavaScript 超完全入門 基本から発展までのすべて

現在作成中です。今後加筆修正してまいります。
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JavaScriptのエラーとは?

JavaScriptは、実行中にさまざまなエラーが発生する可能性があります。ここでは、一般的なエラーに加え、あまり知られていないエラーも含めて、その発生原因と対策を解説します。これらのエラーを理解することで、開発時のトラブルシューティングが容易になります。

代表的なError一覧

以下は、JavaScriptで発生するエラーをアルファベット順に並べた一覧です。

Errorの種類 発生原因 対策
AbortError 非同期処理が中断された場合に発生
controller.abort();
非同期処理が必要に応じて中断されるようにする
AggregateError 複数のPromiseのエラーを集約したもの
Promise.any([]); // AggregateError
Promiseのエラーハンドリングを適切に行う
ArrayBufferViewError 配列バッファービュー操作が無効なときに発生
new Uint8Array(buffer, -1);
正しいインデックスとバッファーの長さを使用
BadMessageError サーバーまたはクライアント間での不正なメッセージによって発生
WebSocket.send(invalidMessage);
メッセージが正しい形式であるかを検証
ChannelError メッセージチャンネルやポートが無効な場合に発生
channel.port1.postMessage('Hello');
チャンネルとポートが有効な状態であることを確認
DataCloneError サポートされていないデータ型をコピーしようとした場合に発生
structuredClone(function() {});
サポートされているデータ型を使う
DOMException DOM操作で無効な操作を行ったときに発生
document.querySelector('.non-existent').remove();
DOM操作前に要素が存在するか確認する
EncodingError 文字エンコード処理で無効なデータが提供されたときに発生
TextEncoder.encode("Invalid Data");
データが有効なエンコード形式であるか確認
EvalError eval()関数の使用に関連するエラー
eval("console.log('hello world)

(構文エラーをeval内で実行)

eval()の使用を避ける
FileNotFoundError 指定されたファイルが見つからない場合に発生
fs.readFileSync('invalid-path.txt');
正しいファイルパスを指定し、存在することを確認
HierarchyRequestError DOMツリーで無効な位置にノードを挿入しようとしたときに発生
parent.appendChild(parent);
DOMツリーの階層構造を確認する
IndexSizeError 配列やDOMで範囲外のインデックスを指定した場合に発生
array[100]; // 配列長が10の場合
インデックスが有効な範囲内であることを確認する
InternalError JavaScriptエンジンの内部エラー 無限ループや再帰呼び出しで発生 ループの制御や再帰の深さを適切に制限する
InvalidAccessError 操作に対してアクセス権が無効な場合に発生
audioContext.decodeAudioData(arrayBuffer);
有効なアクセス権で操作を行う
InvalidStateError オブジェクトの状態が無効な場合に発生
audio.play(); audio.src = '';
オブジェクトの状態を確認して適切なタイミングで操作する
KeyNotFoundError 特定のキーが見つからない場合に発生
myMap.get('nonExistentKey');
キーが存在することを確認する
MemoryError メモリが不足した場合に発生 大規模データや無限ループで発生 メモリを効率的に使うコードを書く
NetworkError ネットワーク接続が失敗した場合に発生
fetch("https://invalid-url.com");
ネットワーク接続やURLを確認し、再試行を実装
NotSupportedError 操作がサポートされていない場合に発生 ブラウザが特定のAPIをサポートしていない場合 ブラウザの互換性を確認し、適切なAPIを使用する
NullPointerError nullundefinedに対してプロパティやメソッドを呼び出したときに発生
let obj = null; obj.value;
変数がnullundefinedでないことを確認する
OperationError 操作が無効だった場合に発生
crypto.subtle.encrypt(invalidAlgorithm, key, data);
操作が正しいパラメータで実行されているか確認
OutOfBoundsError 指定されたインデックスが範囲外である場合に発生
array[100]; // 実際の要素数が10
インデックスが範囲内であるか確認
PermissionDeniedError ユーザーが特定の操作への許可を拒否したときに発生
navigator.mediaDevices.getUserMedia({ video: true });
ユーザーが許可するように明示的にリクエスト
QuotaExceededError ブラウザのストレージ制限を超えたときに発生
localStorage.setItem('key', 'value'.repeat(1000000));
ストレージの容量を確認し、使用量を制限する
RangeError 範囲外の値を使用しようとしたときに発生
let arr = new Array(-1);
範囲内の値を使用する
ReferenceError 存在しない変数や関数を参照したときに発生
console.log(myVariable);

(変数が未定義)

変数や関数が正しく宣言されているか確認する
ScriptLoadError JavaScriptファイルのロードに失敗したときに発生
<script src="invalid.js"></script>
ファイルパスが正しいか確認する
SecurityError セキュリティ上の制約によって発生
document.domain = 'example.com';

(別ドメインの操作)

ブラウザのセキュリティ制限に従う
StackOverflowError 過剰な再帰呼び出しによってスタックがオーバーフローしたときに発生
function recurse() { recurse(); } recurse();
再帰処理を適切に制限する
StackUnderflowError スタックが予期せず空になったときに発生 誤った再帰や呼び出しで発生 呼び出しの順序や制御を適切に行う
SyntaxError コードの構文が正しくない場合に発生
console.log("Hello World

(閉じカッコがない)

構文チェッカーやlinterを使ってコードの構文を確認する
TimeoutError 指定した時間内に処理が完了しなかった場合に発生 APIリクエストやネットワーク処理で発生 タイムアウトの設定と例外処理を実装する
TimeoutExpiredError 指定された時間内に処理が完了しなかった場合に発生
await fetchWithTimeout(url, { timeout: 5000 });
適切なタイムアウト処理とリトライ処理を実装
TransactionInactiveError IndexedDBトランザクションがアクティブでないときに操作が行われた場合に発生
transaction.objectStore("storeName").get(key);
トランザクションがアクティブなときに操作を行う
TypeError 不適切なデータ型に対して操作を行った場合に発生
str.push("!");

(文字列に対して配列のメソッドを使用)

データ型を確認して正しい型で操作を行う
UncaughtError キャッチされていない例外が発生したときに発生
throw new Error('Something went wrong');
try...catchでエラーをキャッチして処理する
UnknownError 不明なエラーが発生した場合にキャッチされる
try { throw new Error("Unknown error"); } catch(e) {}
エラーが発生しやすい箇所に防御的なコードを挿入する
URIError 不正なURI操作を行ったときに発生
decodeURIComponent('%');
URIが正しい形式であるか確認する
WrongDocumentError 異なるドキュメントからノードを操作しようとした場合に発生
document.importNode(externalNode, true);
正しいドキュメント内でノードを操作する
ZeroDivisionError 数値をゼロで割ろうとしたときに発生
let result = 10 / 0;
ゼロでの割り算が行われないように検査する

エラーの詳細解説

StackOverflowError

StackOverflowErrorは、過度に深い再帰呼び出しなどでスタックがオーバーフローしたときに発生します。このエラーは、無限に再帰する関数が原因でよく見られます。再帰処理には制限を設けるか、ループを使って代替することが推奨されます。

SecurityError

SecurityErrorは、ブラウザのセキュリティポリシーに違反する操作が行われたときに発生します。たとえば、クロスオリジンポリシーに違反して別ドメインのスクリプトにアクセスしようとした場合です。セキュリティ制限に従うことが重要です。

QuotaExceededError

QuotaExceededErrorは、ブラウザのストレージ(localStoragesessionStorageなど)が制限を超えたときに発生します。ストレージ容量を事前に確認し、必要以上にデータを保存しないようにすることが必要です。

HierarchyRequestError

HierarchyRequestErrorは、DOMツリーの階層構造が不正な場合に発生します。親要素を自身の子要素として挿入しようとした場合や、ノードが無効な位置に挿入されようとした場合です。

InvalidStateError

InvalidStateErrorは、オブジェクトの状態が無効な場合に発生します。たとえば、オーディオオブジェクトがまだ準備されていない状態で再生しようとしたときなどに起こります。オブジェクトの状態を確認し、適切なタイミングで操作を行うことが重要です。

エラー防止の基本的なアプローチ

エラーを防ぐための一般的なアプローチは以下の通りです。

  • 構文エラーを防ぐために、linterや構文チェッカーを使用する
  • 変数や関数のスコープを確認し、正しく宣言されていることを確認する
  • データ型を事前にチェックし、適切な操作を行う
  • 非同期処理にはタイムアウトを設定し、適切にエラーハンドリングを行う
  • DOM操作を行う前に、要素が存在するかを確認する
  • メモリ使用量に注意し、大量データを効率的に扱う

まとめ

JavaScriptには多種多様なエラーが存在し、それぞれが特定の原因によって引き起こされます。これらのエラーを理解し、適切に対処することは、プログラムの信頼性を向上させるために重要です。エラーを防止するための基本的な対策を講じ、発生時に迅速に対応できるようにすることが、効率的な開発には欠かせません。