決算と受取利息 前受利息の考え方 | 例題で解く第1問対策 | やさしい簿記3級講座

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第13章 例題で解く第1問対策:決算と受取利息

ここでは、受取利息の決算処理について解説します。 受取家賃と同様に、利息収益も期間に対応して認識する必要があります。 期末において、まだ受け取っていない利息がある場合には、未収利息を用いて決算整理を行います。

なぜ「未収利息」を使うのか(仕組みの理由)

利息は時間の経過に応じて発生する収益です。 そのため、実際に受け取った日ではなく、どの期間に発生したかで収益を計上する必要があります。 もし当期に発生しているのにまだ受け取っていない利息がある場合、それを未収利息(資産)として計上します。

未収利息は「将来受け取ることが確定している収益」を表すため、資産に分類されます。 受取家賃が「まだ稼いでいない収益(負債)」を前受家賃として処理するのに対し、 未収利息は「すでに稼いだがまだ受け取っていない収益(資産)」を表すという点が対照的です。

資産である未収利息にすることで翌期に繰り越すことができるということです。

例題1:3月31日決算における未収利息の処理

(問題)

当社は1月1日に、他社へ100,000円を年利6%で貸し付けた。利息は毎年7月31日に受け取る契約である。 決算日は3月31日である。未収利息の金額を求め、決算整理仕訳を示しなさい。

(考え方)

利息は時間の経過によって発生するため、1月1日から3月31日までの3か月分の利息を当期の収益として計上します。 受け取りは7月末ですが、発生分は当期の収益です。

利息額の計算:

100,000 × 6% × 3/12 = 1,500円

まだ受け取っていないので、未収利息を用いて次のように仕訳します。

1/1に貸し付け 4/1
当期 次期
3か月分 9か月分
未収利息 受取利息

(仕訳)

未収利息 1,500 受取利息 1,500

ポイント: 受取利息のうち、まだ現金で受け取っていない分を「未収利息(資産)」として計上します。 この処理により、当期に発生した収益が正しく損益計算書に反映されます。

例題2:翌期に利息を受け取ったときの処理

(問題)

翌期の7月31日に利息6,000円を現金で受け取った。前期に3か月分を未収利息として計上している。仕訳を示しなさい。

(考え方)

受け取った利息のうち、3か月分は前期に収益として認識済みです。 したがって、まず前期分(未収利息)を消し、残り(4~7月分)を当期の収益とします。

利息総額6,000円のうち、前期分1,500円は未収利息、残り4,500円は当期の収益です。

(仕訳)

現金 6,000 未収利息
受取利息
1,500
4,500

ポイント: 前期に未収利息として処理した分は収益の二重計上を避けるため、再度「受取利息」に計上しません。

受取利息と未収利息の関係

勘定科目 性質 タイミング 貸借対照表での区分
受取利息 収益 当期に発生した分 損益計算書(収益の部)
未収利息 資産 翌期に受け取る分 貸借対照表(流動資産の部)

仕組み上のまとめ:
受取家賃の「前受家賃」とは逆の関係にあり、未収利息は「まだ受け取っていないが発生している収益」を表します。 このように、収益を現金の受け取りではなく、発生時点で認識するのが簿記の基本です。

例題まとめ(第1問での出題パターン)

  • ① 当期に発生して未収の利息:
     未収利息/受取利息
  • ② 翌期に受け取ったとき:
     現金/未収利息・受取利息
  • ③ 計算式:
     未収利息 = 貸付金 × 利率 × 当期経過月数 ÷ 12

注意点・試験でのポイント

  • 「未収利息」は資産勘定
     → まだ受け取っていないが、すでに発生した収益。
  • 受取家賃の「前受家賃」と正反対
     → 前受家賃は負債、未収利息は資産。
  • 決算整理で頻出
     → 「当期に発生したが未収分を計上せよ」という表現が多い。
  • 発生主義の原則に基づく処理
     → 実際の受け取り日ではなく、利息の発生期間で判断。

このように、未収利息を使う理由は、「当期に発生している収益を正しく当期に計上するため」です。 簿記では、現金の受け取り時期ではなく、経過期間に応じて収益を認識することが重要です。