給料の前貸し 従業員立替金と貸付金の違い | 例題で解く第1問対策 | やさしい簿記3級講座

スポンサーリンク
スポンサーリンク

第13章 例題で解く第1問対策:給料の前貸しの仕訳

ここでは、従業員に対して給料を前貸ししていた場合の仕訳を扱います。 給料支給時には、前貸し分の控除、所得税の源泉徴収、社会保険料の控除などが同時に行われます。 また、前貸し金は「従業員立替金」として処理し、貸付金との違いについても確認します。

例題1:前貸しがある場合の給料支給

(問題)

従業員の給料総額は700,000円である。 そのうち300,000円は前月に前貸ししており、給料支給時に精算する。 また、源泉所得税20,000円、社会保険料50,000円を差し引き、残額を現金で支払った。 仕訳を示しなさい。

(考え方)

給料総額700,000円は費用として「給料」勘定で処理します。 支給時に控除する項目は以下のとおりです。

  • 前貸し分:従業員立替金(資産の減少)
  • 所得税源泉徴収:預り金(負債の増加)
  • 社会保険料:預り金(負債の増加)
  • 残額:現金支給

つまり、給料総額から各控除項目を差し引いた残額を現金で支払います。

現金支給額 = 700,000 -(前貸し300,000+所得税20,000+社会保険料50,000) = 330,000円。

(仕訳)

給料 700,000 従業員立替金
預り金(所得税)
預り金(社会保険料)
現金
300,000
20,000
50,000
330,000

ポイント: 前貸し分はすでに支給済みのため、給料支払い時に再度支払う必要はありません。 そのため「従業員立替金」として処理し、貸付金とは区別します。

従業員立替金と貸付金の違い

区分 従業員立替金(前貸し) 貸付金
性質 給与支給に先立ち、給料の一部を前もって渡したもの 業務外で従業員に金銭を貸し付けたもの
処理科目 従業員立替金(資産) 貸付金(資産)
回収方法 翌月などの給料から控除して清算 別途返済(利息を伴う場合もある)
主な目的 生活費の前払い(給与の一部) 金銭の貸与(契約に基づく)

まとめると: 前貸し金は「給料の一部を先に支払った」ものであり、給与取引の一環として扱います。 一方、貸付金は「別取引(会社と個人間の金銭貸借)」です。

従業員が会社のために立て替えた場合は未払金であり、会社が立て替えた場合が従業員立替金です。

社会保険料の扱い

社会保険料には以下が含まれます。雇用保険料も含まれます。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料

これらは従業員負担分を会社が一時的に預かるため、預り金として処理します。 翌月に社会保険事務所などへまとめて納付するときに、預り金/現金(または当座預金)の仕訳を行います。

例題まとめ(第1問での出題パターン)

  • ① 前貸しがある場合
     → 従業員立替金で控除処理。
     → 給料/従業員立替金・預り金・現金。
  • ② 前貸しがない場合
     → 給料/預り金・現金。
  • ③ 社会保険料の範囲
     → 健康保険・厚生年金・雇用保険を含む。

注意点・試験でのポイント

  • 前貸し金は「従業員立替金」で処理
     → 「貸付金」ではない。
  • 預り金は負債勘定
     → 源泉所得税や社会保険料は預かり分である。
  • 社会保険料には雇用保険も含まれる
     → 健康・年金・雇用の3つをセットで理解。
  • 現金支給額の計算ミスに注意
     → 総支給額-前貸し-所得税-社会保険料=現金支給額。
  • 第1問では「従業員立替金」勘定名が正答ポイント
     → 「前貸金」や「貸付金」と混同しない。

このように、給料の前貸しがある場合には、従業員立替金を用いて処理し、 支給時に精算します。源泉徴収や社会保険料控除も同時に行うため、 支払総額と現金支給額の関係を正確に整理しておくことが簿記3級試験対策の要点です。