第13章 例題で解く第1問対策:決算整理後の損益振替
決算整理が完了したあと、最終的に損益勘定にすべての収益・費用を振り替え、当期の純利益または純損失を確定させます。 ここでは、特に売上勘定を損益勘定へ振り替える処理を中心に、関連する科目(売上戻り高・受取手数料・支払手数料など)を含めて解説します。
例題1:売上勘定を損益勘定へ振り替える場合
(問題)
決算整理後、次の勘定残高があった。売上勘定から損益勘定への振替仕訳を示しなさい。 売上高500,000円、売上戻り高20,000円。
(考え方)
売上は収益であり、損益勘定へ振り替えるときは貸方残(収益)を借方にして損益勘定へ移す処理を行います。 また、売上戻り高は売上を減額する性質を持つため、損益勘定へは貸方として振り替えます。
(仕訳)
| 売上 | 480,000 | 損益 | 480,000 |
ポイント: 損益勘定には「純売上高480,000円(500,000-20,000)」が反映されます。
例題2:受取手数料などの収益を損益に振り替える場合
(問題)
決算整理後、受取手数料30,000円の残高がある。損益勘定への振替仕訳を示しなさい。
(考え方)
受取手数料も収益科目であるため、売上と同様に損益勘定へ振り替えるときは借方に記入します。
(仕訳)
| 受取手数料 | 30,000 | 損益 | 30,000 |
ポイント: 収益科目は、最終的にすべて損益勘定の貸方側に集約される。 これにより、損益勘定の貸方には「売上」「受取手数料」などの収益が集まり、借方には費用が集まる構造になります。
例題3:支払手数料などの費用を損益に振り替える場合
(問題)
支払手数料5,000円が費用として計上されている。決算整理後の損益振替仕訳を示しなさい。
(考え方)
費用は損益勘定の借方に集約されるため、振替時には損益勘定を借方、各費用を貸方に記入します。
(仕訳)
| 損益 | 5,000 | 支払手数料 | 5,000 |
ポイント: 損益勘定の借方には費用を集約し、貸方には収益を集約する。 これにより、最終的に損益勘定の残高が当期純利益(または純損失)となります。
損益勘定のまとめと流れ
決算整理後の流れを整理すると、次のようになります。
| 区分 | 損益勘定への振替方向 | 具体例 |
|---|---|---|
| 収益(貸方残) | 借方に記入して損益へ振替 | 売上、受取手数料、受取利息など |
| 費用(借方残) | 貸方に記入して損益へ振替 | 仕入、給料、支払手数料など |
この振替処理によって、損益勘定にはすべての収益と費用が集約され、 その差額が「当期純利益」または「当期純損失」として翌期の繰越利益剰余金に振り替えられます。
例題まとめ(第1問での出題パターン)
- ① 売上・受取手数料などの収益科目
→ 借方に記入して損益へ振替。
→ 仕訳:売上/損益、受取手数料/損益。 - ② 売上戻り高などの収益控除項目
→ 損益の借方に記入して貸方へ振替。
→ 仕訳:損益/売上戻り高。 - ③ 支払手数料などの費用科目
→ 損益を借方に、費用を貸方にして振替。
→ 仕訳:損益/支払手数料。
注意点・試験でのポイント
- 損益勘定は収益と費用をまとめる勘定
→ 借方=費用、貸方=収益。 - 「売上戻り高」は収益のマイナス項目
→ 売上と同じグループだが、損益への振替方向は逆。 - 受取手数料・支払手数料に注意
→ 「受取」は収益(貸方残)、「支払」は費用(借方残)。 - 最終的には当期純利益または純損失に集約
→ すべての収益・費用が損益勘定に集まる。
このように、決算整理後の損益振替は「収益を借方、費用を貸方にして損益勘定へ集約する」ことが基本です。 第1問では「どちら側に損益を記入するか」が問われることが多く、 収益=借方へ振替、費用=貸方へ振替という原則を確実に覚えておくことが重要です。