売上原価の計算 | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

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第8章 決算整理とは何か – 売上原価の計算

売上原価は、当期に実際に売れた分の仕入コストです。期末に棚卸(在庫の実地確認)を行い、期首商品・当期仕入・期末商品を使って決算整理で確定します。

売上原価 = 期首商品 + 当期仕入 - 期末商品

簿記3級では原則として三分法で処理します。三分法では期中、仕入はすべて「仕入」勘定に入れ、期末に「繰越商品」を使って原価へ調整します。

期首商品の振替(期首に費用化)

前期末に資産(在庫)だった期末商品は、今期の原価計算に取り込むため、期首に仕入へ振り替えます(教材や設問では期末にまとめて行うこともあります)。

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 80,000 繰越商品 80,000

期末商品の計上(未販売分を資産に戻す)

期末に残った在庫は、当期には売れていないため費用から外し、資産(繰越商品)へ戻す決算整理を行います。

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越商品 95,000 仕入 95,000

具体例で計算手順を確認

次の前提で売上原価を求めます。

  • 期首商品:80,000円(前期末在庫)
  • 当期仕入:600,000円(期中に仕入勘定へ記帳済)
  • 期末商品:95,000円(棚卸で確定)

(1)期首の再振替(任意/指示があれば実施)

借方科目 金額 貸方科目 金額
仕入 80,000 繰越商品 80,000

(2)期末の決算整理

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越商品 95,000 仕入 95,000

(3)売上原価の計算

売上原価 = 80,000 + 600,000 - 95,000 = 585,000

よくある疑問と注意点

  • 「繰越商品=在庫」です。貸借対照表の資産に表示されます。
  • 期首・期末の繰越商品は必ず対で理解します。期首は費用化(仕入へ)、期末は資産化(仕入から控除)。
  • 試験では、期首の再振替を省略して期末の1本仕訳で指示されることもあります。設問の指示に従ってください。
  • 三分法では、期中の仕入はすべて「仕入」勘定に入れ、決算で原価に整えるのがポイントです(分記法とは手順が異なります)。

期末だけで調整するパターン(出題の定番)

教材や本試験では、次の期末1本仕訳が頻出です。

借方科目 金額 貸方科目 金額
繰越商品(期末) 期末商品額 仕入 期末商品額
仕入 期首商品額 繰越商品(期首) 期首商品額

この2本により、仕入勘定の中で「期首+当期仕入-期末」が自動的に組み込まれ、売上原価が確定します。

仕訳の狙い(なぜこの処理をするのか)

  • 売れていない分(期末商品)は費用ではないため、原価から外す(資産へ戻す)。
  • 前期から持ち越した在庫(期首商品)は今期の原価に含める(売れた可能性があるため)。
  • 結果として、当期に売れた分だけが売上原価として損益計算書に現れる。

まとめ

  • 売上原価は期首+当期仕入-期末で決まる(棚卸の結果が必須)。
  • 三分法では「繰越商品」と「仕入」を使う2本の決算整理仕訳が基本形。
  • 設問の指示により、期首の再振替を省略し期末のみで調整する出題も多い。
  • 「繰越商品=在庫(資産)」という位置づけを忘れず、売れていない分は費用から除外するという考え方が最重要。