前払費用・前受収益の仕組み | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

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第8章 決算整理とは何か – 前払費用・前受収益の仕組み

「前払費用」と「前受収益」は、どちらも繰延項目に分類されます。これは、すでに現金の支払いや受け取りは済んでいるものの、実際のサービスの提供期間が翌期にまたがるため、正しい期間に収益や費用を振り分けるための処理です。

経過勘定の中でも、この2つは「支払済」「受取済」である点が特徴であり、期末に決算整理仕訳を行い、翌期初めに再振替仕訳で元に戻す流れになります。

決算整理仕訳→再振替仕訳

前払費用とは

前払費用とは、当期に支払った金額のうち、翌期以降の費用にあたる部分をいいます。たとえば、保険料や家賃を数か月分まとめて前払いしている場合が該当します。

決算整理仕訳: 12月決算の会社で、1月から3月分の保険料3,000円を12月に前払いしている場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
前払費用 3,000 支払保険料 3,000

この仕訳によって、翌期分の費用が除かれ、当期の費用が正しく表示されます。翌期に入ったら、再び費用として戻すために再振替仕訳を行います。

再振替仕訳: 翌期初日に、前払費用を戻す場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
支払保険料 3,000 前払費用 3,000

これで翌期に費用が再び計上され、帳簿が元の状態に戻ります。

前受収益とは

前受収益とは、当期に受け取った金額のうち、翌期以降に提供するサービスの対価を指します。たとえば、翌期分の家賃を前もって受け取った場合などです。

決算整理仕訳: 12月決算の会社で、翌年1月分の家賃2,000円を12月に受け取った場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
受取家賃 2,000 前受収益 2,000

この仕訳により、翌期分の収益が当期から除かれ、正しい期間の利益が表示されます。翌期初日に、受取家賃として戻すための再振替仕訳を行います。

再振替仕訳: 翌期初日に、前受収益を戻す場合

借方科目 金額 貸方科目 金額
前受収益 2,000 受取家賃 2,000

このように、翌期に提供するサービスに対応する収益を翌期に繰り延べることができます。

まとめ

  • 前払費用は「翌期の費用を繰り延べる」(資産)。
  • 前受収益は「翌期の収益を繰り延べる」(負債)。
  • どちらも期末に決算整理仕訳を行い、翌期初めに再振替仕訳で元に戻す。
  • この処理により、当期の利益が正確に計算される。