決算整理仕訳の目的 | 決算整理とは何か | やさしい簿記3級講座

スポンサーリンク
スポンサーリンク

第8章 決算整理とは何か – 決算整理仕訳の目的

1年間の取引をすべて帳簿につけ終えたら、いよいよ「決算」を行います。
このときに行うのが「決算整理仕訳(けっさんせいりしわけ)」です。
決算整理とは、1年間の取引を正しく期間ごとに分け、会社の本当の利益や財産を正確に表すための作業です。

決算整理の目的とは

決算整理仕訳の目的は、簡単に言えば「ズレを直すこと」です。
帳簿には1年間の取引が記録されていますが、その中には次のような問題があります。

  • まだ支払っていないのに、費用として記録していないもの(例:未払い家賃)
  • すでに支払ったけど、来期の分を含んでいるもの(例:前払い保険料)
  • 設備や建物など、使っていくうちに価値が減っていくもの(例:減価償却)
  • 回収できないかもしれない売掛金がある(例:貸倒引当金)

これらのズレを修正しないまま決算書を作ると、実際の利益や財産の状況と合わなくなってしまいます。
そこで、決算整理仕訳を行い、「その年度に属する収益と費用」だけを記録し直すのです。

決算整理の考え方

簿記では、「収益-費用=利益」という基本式が成り立っています。
したがって、どの収益・費用が「今期のもの」であるかを正確に区分することが重要です。

取引の種類 修正の方向
まだ支払っていない費用 追加で費用を計上する 未払家賃
来期分を先に支払っている費用 来期分を差し引く 前払保険料
使うにつれて価値が減る資産 減価償却費を計上する 建物・備品など
回収できない恐れのある売掛金 貸倒引当金を設定する 売掛金の一部

このように、決算整理仕訳は「期間を正しく区切る」ための処理であり、毎年の決算で必ず行われる重要な作業です。

決算整理前と後の違い

決算整理仕訳をする前後では、会社の利益や財産が大きく変わることがあります。
下の例を見てみましょう。

区分 決算整理前 決算整理後
費用の計上 当期分と来期分が混ざっている 当期分だけを残す
収益の計上 まだ受け取っていない分も含まれていない 発生主義で正しく記録
利益の表示 実際より多く(または少なく)見える 正確な利益が出る

まとめ

  • 決算整理仕訳は、1年間の取引を「正しい期間」に直すための処理。
  • 未払や前払、減価償却などの修正を行う。
  • 収益と費用を正しく対応させることで、真の利益を求めることができる。
  • 決算書を作る前に必ず行う、最も重要な確認作業のひとつ。

決算整理仕訳を正しく理解すれば、数字の「意味」を読み取る力がぐっと高まります。
次回は、実際に登場する代表的な決算整理項目(前払・未払・見越・繰延)を見ていきましょう。