第7章 帳簿と転記を学ぼう – 試算表を作ってみよう
ここまで学んだ「仕訳」「転記」をもとに、帳簿全体をまとめる作業が「試算表」です。
試算表を作る目的は、帳簿の記録が正しいかを確認することにあります。
試算表の役割と作り方を、具体的な表を使って学んでいきましょう。
試算表とはなにか
試算表とは、各勘定科目の「残高」を一覧にした表です。
仕訳帳や総勘定元帳の内容を整理し、借方と貸方の合計が一致しているかを確認します。
この作業により、転記ミスや記入漏れを発見できるようになります。
要するに、チェックシートです。
試算表の種類
試算表には、主に次の3種類があります。
- 合計試算表:各勘定科目の借方・貸方の合計金額を記載したもの。
- 残高試算表:各勘定科目の残高(差額)を記載したもの。
- 合計残高試算表:上の2つをまとめたもの。実務や試験で最も多く使われます。
試算表の作り方
試算表は、総勘定元帳の金額をまとめて作成します。
借方と貸方の金額を転記し、残高を求める流れを見てみましょう。
| 勘定科目 | 借方合計 | 貸方合計 | 差額(残高) | 残高の位置 |
|---|---|---|---|---|
| 現金 | 100,000 | 50,000 | 50,000 | 借 |
| 売掛金 | 80,000 | 0 | 80,000 | 借 |
| 買掛金 | 0 | 40,000 | 40,000 | 貸 |
| 資本金 | 0 | 90,000 | 90,000 | 貸 |
このように、借方・貸方の合計金額をもとに残高を出します。
全ての勘定をまとめたときに、借方の合計=貸方の合計となれば、帳簿は正しく記録されています。
試算表の目的
試算表を作る目的は次のとおりです。
- 帳簿の記録が正確であるかを確認する。
- 決算書(損益計算書・貸借対照表)の作成準備をする。
- 経営状況を把握するための基礎資料にする。
試算表が一致しないときは?
借方合計と貸方合計が一致しない場合は、次のようなミスが考えられます。
- 仕訳の金額を誤って記入している。
- 転記漏れ・転記間違いがある。
- 借方と貸方を逆に書いてしまった。
試算表はこうした間違いを早期に発見するためのチェックシートなのです。
ミニ練習:残高を自分で埋めてみよう
下表の空欄(差額・残高の位置)を計算してみましょう。
最後に「借方合計」と「貸方合計」が一致すればOKです。
| 勘定科目 | 借方合計 | 貸方合計 | 差額(残高) | 残高の位置 |
|---|---|---|---|---|
| 現金 | 220,000 | 180,000 | ||
| 売掛金 | 150,000 | 60,000 | ||
| 買掛金 | 10,000 | 70,000 | ||
| 資本金 | 0 | 200,000 |
ヒント:差額=|借方合計−貸方合計|。
差額が借方側に残るなら「借」、貸方側に残るなら「貸」です。
まとめ
- 試算表は、各勘定科目の残高をまとめて帳簿の整合性を確認するための表。
- 借方と貸方の合計が一致すれば、帳簿記録は正しいと判断できる。
- 簿記3級では「合計残高試算表」が中心に出題される。
- 一致しない場合は、仕訳や転記に誤りがないか確認する。
試算表は、これまで学んだ「仕訳」「転記」をつなぐ重要なステップです。
正しく作成できれば、決算書の理解にも大きく近づきます。