第8章 決算整理とは何か – 利息と総勘定元帳の仕組み
銀行からお金を借りた場合、その利息は「支払利息」として費用に計上します。決算日にまだ支払っていない利息がある場合は、「未払利息(未払費用)」として見越計上し、翌期初日に再振替仕訳を行います。ここでは、利息の計算式を踏まえながら、支払利息と未払利息の総勘定元帳の動きを解説します。
事例設定
次の条件で例を見ていきます。
- 2024年8月1日:銀行から1,200,000円を借り入れる。
- 年利:5%
- 1年後の2025年7月31日に、元本と利息をまとめて返済。
- 翌日(2025年8月1日)に再び1,200,000円を借り入れる。
利息計算の基本式
利息の金額は、次の式で計算します。
利息 = 元金 × 年利率 × 経過月数 ÷ 12
今回の借入期間は1年(12か月)なので、年間利息は以下の通りです。
1,200,000 × 0.05 × 12 ÷ 12 = 60,000円
ただし、決算日(3月31日)時点ではまだ全額を支払っていないため、
8月〜翌年3月までの8か月分を「未払利息」として計上します。
1,200,000 × 0.05 × 8 ÷ 12 = 40,000円
仕訳帳の流れ
| 日付 | 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 2024/8/1 | 当座預金 | 1,200,000 | 借入金 | 1,200,000 |
| 2025/3/31 | 支払利息 | 40,000 | 未払利息 | 40,000 |
| 2025/4/1 | 未払利息 | 40,000 | 支払利息 | 40,000 |
| 2025/7/31 | 借入金 | 1,200,000 | 当座預金 | 1,200,000 |
| 2025/7/31 | 支払利息 | 60,000 | 当座預金 | 60,000 |
| 2025/8/1 | 当座預金 | 1,200,000 | 借入金 | 1,200,000 |
| 2026/3/31 | 支払利息 | 40,000 | 未払利息 | 40,000 |
| 2026/3/31 | 損益 | 60,000 | 支払利息 | 60,000 |
2025年3月31日時点で、利息は4万支払ったとみなし、未払利息4万がなくなったとみなして考えます。
支払利息の総勘定元帳
仕訳帳の支払利息の位置に、相手勘定を書けばよい。
| 日付 | 科目 | 額 |
日付 |
科目 | 額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025/7/31 | 当座預金 | 60,000 | 2025/4/1 | 未払利息 | 40,000 |
| 2026/3/31 | 未払利息 | 40,000 | 2026/3/31 | 損益 | 60,000 |
| 100,000 | 100,000 |
未払利息の総勘定元帳
| 日付 | 科目 | 額 |
日付 |
科目 | 額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2025/4/1 | 支払利息 | 40,000 | 2025/4/1 | 前期繰越 | 40,000 |
| 2026/3/31 | 次期繰越 | 40,000 | 2026/3/31 | 支払利息 | 40,000 |
| 80,000 | 80,000 |
まとめ
- 利息の計算は「元金 × 年利率 × 経過月数 ÷ 12」で求める。
- 決算時点で未払いの利息は「未払利息」として見越計上。
- 翌期初日に再振替仕訳で戻すことで、損益を正確に反映できる。
- 支払利息・未払利息の総勘定元帳を対で見ることで、年度をまたぐ処理のつながりが理解できる。