配当金と利益準備金 | 例題で解く第1問対策 | やさしい簿記3級講座

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第13章 例題で解く第1問対策:配当金と利益準備金の仕訳

ここでは、繰越利益剰余金から配当金と利益準備金を計上する仕訳について解説します。 株主への配当や、会社法に基づく利益準備金の積立ては、簿記3級でも頻出のテーマです。 特に「繰越利益剰余金を減らして処理する」点と、「利益準備金の金額を正しく計算する」点が重要です。

例題1:配当金と利益準備金を計上する場合

(問題)

当期末において、株主総会の決議により、配当金を200,000円(一株200円で1,000株)支払うことが決定された。 また、会社法に基づき、利益準備金を配当金の10%積み立てる。仕訳を示しなさい。

(考え方)

配当金と利益準備金はいずれも、繰越利益剰余金から支出されます。 配当金は株主への支払い義務のある未払配当金(負債)として負債に、利益準備金は社内留保(純資産)として積み立てられます。繰越利益剰余金も純資産です。

したがって、配当金200,000円の10%=20,000円を利益準備金とし、残り180,000円を未払配当金とします。

(仕訳)

繰越利益剰余金 200,000 利益準備金
未払配当金
20,000
180,000

ポイント: 配当金支払と利益準備金積立の合計は、繰越利益剰余金の減少として処理します。 この仕訳は、株主総会での決定日(配当確定日)に行われます。

例題2:利益準備金の計算ルール

(考え方)

会社法では、配当金の支払に際して、以下のルールで利益準備金の積立てが義務付けられています。

  • 配当金額の10分の1以上を積み立てる。
  • ただし、資本金の4分の1に達するまでの間のみ。

つまり、すでに利益準備金が資本金の4分の1に達している場合は、新たに積立てる必要はありません。

例題3:実際に配当金を支払った場合

(問題)

株主に対して配当金180,000円を普通預金から支払った。仕訳を示しなさい。

(考え方)

未払配当金の支払いにより、負債の減少(未払配当金)と資産の減少(普通預金)を記録します。

(仕訳)

未払配当金 180,000 普通預金 180,000

ポイント: 配当金は株主への支払い義務であるため、支払時には「未払配当金」を消します。

配当金・利益準備金・繰越利益剰余金の関係

項目 勘定区分 性質 処理内容
繰越利益剰余金 純資産 当期・過去の利益の蓄積 配当金・利益準備金の原資となる
利益準備金 純資産 法定準備金(内部留保) 配当時に10%を積立(上限:資本金の1/4)
未払配当金 負債 株主への支払義務 配当決定日に計上、支払日に消す

例題まとめ(第1問での出題パターン)

  • ① 配当金と利益準備金の計上:
     繰越利益剰余金/利益準備金・未払配当金
  • ② 配当金支払時:
     未払配当金/普通預金
  • ③ 利益準備金の積立は配当金額の10%
     ただし、資本金の4分の1に達するまで。

注意点・試験でのポイント

  • 繰越利益剰余金を減らす取引
     → 配当・利益準備金はいずれも「剰余金の処分」。
  • 利益準備金は社内留保、未払配当金は株主への負債
     → 性質の違いを意識する。
  • 利益準備金の金額は端数切捨てで計算
     → 10%に満たない端数は計上しない。
  • 株主総会の決議日が仕訳日
     → 「決定時」に仕訳を行い、支払日は別途処理。

このように、配当金と利益準備金の仕訳では、剰余金の処分=純資産の振替処理である点を理解しておくことが大切です。 簿記3級の第1問では、「繰越利益剰余金/利益準備金・未払配当金」の仕訳形式が頻出です。