敷金による修繕の仕訳 | 例題で解く第1問対策 | やさしい簿記3級講座

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第13章 例題で解く第1問対策:敷金による修繕の仕訳

ここでは、敷金を原状回復費用に充当した場合の仕訳について解説します。 賃貸借契約を解除する際、敷金のうち一部を修繕費に充て、残額が返還されるという取引がよくあります。 このとき、敷金は単なる預け金ではなく、修繕に「使用された」部分と「返還される」部分に分けて処理する必要があります。

例題1:敷金の一部を修繕費に充てた場合

(問題)

事務所の賃貸借契約を解除し、敷金100,000円のうち、原状回復のための修繕費20,000円が差し引かれ、残額80,000円が現金で返還された。仕訳を示しなさい。

(考え方)

敷金は、契約期間中は差入保証金(資産)として処理されます。 契約終了時には、返還される部分は現金化し、修繕費に充当された部分は費用化します。 したがって、敷金(差入保証金)100,000円を取り崩し、修繕費20,000円、現金80,000円とします。

(仕訳)

修繕費
現金
20,000
80,000
差入保証金 100,000

ポイント: 敷金を修繕費に充当した場合、支払済みの修繕費を「現金支出」ではなく、敷金の取り崩しによる費用処理とする点が重要です。

例題2:敷金全額が修繕に充当された場合

(問題)

店舗の敷金200,000円の全額が原状回復費用に充当され、返還はなかった。仕訳を示しなさい。

(考え方)

この場合、全額が修繕費に使われたため、敷金(差入保証金)をすべて取り崩して費用化します。 現金の受け取りがないため、仕訳は「修繕費/差入保証金」となります。

(仕訳)

修繕費 200,000 差入保証金 200,000

ポイント: 修繕費の支払いが敷金でまかなわれているため、現金の動きはありません。 費用化は行いますが、現金支出は伴いません。

敷金と修繕費の関係

項目 性質 返還・充当時の処理
差入保証金 資産 返還時:現金へ
修繕費充当時:修繕費へ
修繕費 費用 敷金充当時は「現金支出なし」で費用化

例題まとめ(第1問での出題パターン)

  • ① 一部修繕・一部返還:
     修繕費・現金/差入保証金
  • ② 全額修繕に充当:
     修繕費/差入保証金
  • ③ 全額返還:
     現金/差入保証金

注意点・試験でのポイント

  • 敷金=資産、修繕費=費用
     → 契約終了時に資産を取り崩して費用化する。
  • 現金支出を伴わない費用計上
     → 「敷金から支出」=実際の現金支出なし。
  • 返還部分と修繕部分の区別
     → 問題文に「○○円が修繕に充当」「残額返還」と明記される。
  • 差入保証金(敷金)は貸借対照表項目
     → 契約期間中は資産として処理。

このように、敷金の処理は「返還か修繕費か」で仕訳が変わります。 簿記3級の試験では、修繕費の発生が現金支出ではなく敷金の充当である点を誤らないことがポイントです。