第4章 現金・預金の記録 – 現金と預金のちがい
会社では、日々の取引の中で「現金」と「預金」を使い分けます。
どちらも「お金」ではありますが、簿記ではまったく別の勘定科目として扱われます。
ここでは、その違いと記録方法を整理してみましょう。
現金とは
現金とは、手元にある紙幣や硬貨など、すぐに使えるお金のことです。
財布や金庫の中にあるお金、切手や収入印紙、小切手(受け取った側にとってのもの)なども現金に含まれることがあります。
簿記上では、「現金」勘定を使って記録します。
| 分類 | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|
| 紙幣・硬貨 | 1万円札、100円硬貨など | 最も一般的な現金 |
| 受取小切手 | 取引先から受け取った小切手 | 入金前でも現金と同様に扱う |
| 郵便為替証書・収入印紙 | 郵便局発行の証書など | すぐに換金・使用可能なものは現金に含む |
預金とは
預金とは、銀行などの金融機関に預けているお金のことです。
帳簿上では「当座預金」「普通預金」など、用途に応じた勘定科目を使って記録します。
企業では、現金よりも預金での支払いや受取の方が多くなります。
| 勘定科目 | 内容 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| 当座預金 | 企業が主に小切手・手形で使う口座 | 手形・小切手の支払に使用 |
| 普通預金 | 自由に出し入れできる一般的な口座 | 給与振込・経費支払などに使用 |
| 定期預金 | 一定期間引き出せない預金 | 通常は現金預金の勘定には含めない |
現金と預金の違いをまとめると
| 項目 | 現金 | 預金 |
|---|---|---|
| 保管場所 | 金庫・レジ | 銀行口座 |
| 使い方 | すぐに支払い・受取に使用 | 振込・小切手などで使用 |
| 簿記上の勘定科目 | 現金 | 当座預金・普通預金など |
| 増減の記録方法 | 増えたら借方、減ったら貸方 | 増えたら借方、減ったら貸方 |
取引例で確認してみよう
例1:売上代金100,000円を現金で受け取った
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現金 | 100,000 | 売上 | 100,000 |
例2:売上代金200,000円が普通預金に振り込まれた
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 普通預金 | 200,000 | 売上 | 200,000 |
どちらも「お金が増える」取引ですが、手元の現金なのか、銀行口座の預金なのかで使う勘定科目が異なります。
簿記では、この区別を正確に行うことがとても重要です。
まとめ
現金と預金はどちらも資産ですが、保管場所と使い方が異なるため、別々に記録する必要があります。
試験でも、現金と預金の区別を問う問題がよく出ます。
「手元にあるか」「銀行にあるか」を意識しながら仕訳を作成できるようにしておきましょう。