第13章 例題で解く第1問対策:貸付金と利息の受け取り
ここでは、他社に資金を貸し付けた場合の仕訳について学びます。 特に、貸付金の元本と利息を同時に受け取る場合を中心に、 年利(利率)から利息額を算出し、正しい仕訳を行う手順を解説します。
例題1:年利2%で4か月間貸し付けた場合
(問題)
A社に現金100,000円を年利2%で貸し付けていたが、4か月後に利息とともに返済を受けた。 利息の受け取りおよび元本の返済について仕訳を示しなさい。
(考え方)
貸付金は資産であり、返済を受けると減少します。 また、利息は「利息収入」として収益となります。 年利2%・貸付期間4か月であるため、利息額は次の式で求めます。
100,000 × 0.02 × (4 ÷ 12) = 667円(小数点以下切り捨て)
したがって、A社から返済を受けた金額は元本100,000円+利息667円=100,667円です。
(仕訳)
| 現金 | 100,667 | 貸付金 受取利息 |
100,000 667 |
ポイント: 利息は「受取利息」として収益に計上し、元本の返済分は「貸付金」の減少として処理します。 また、受け取る金額は現金の増加としてまとめて記録します。
現金は資産、受取利息は収益です。現金につられて受取利息を借方にしないように注意してください。
例題2:利息のみを受け取る場合
(問題)
B社に対する貸付金100,000円(年利2%)について、貸付期間4か月分の利息を現金で受け取った。 元本は引き続き貸付中である。仕訳を示しなさい。
(考え方)
貸付金自体は返済を受けていないため、元本は動きません。 利息分のみ「受取利息」として収益に計上します。
利息額は先ほどと同じく667円です。
(仕訳)
| 現金 | 667 | 受取利息 | 667 |
ポイント: 利息の受け取りだけの場合、貸付金勘定は動かしません。 貸付金が残っている状態で利息を受け取るケースは、試験でも頻出です。
利息計算の基本公式
利息額は、次の式で求めます。
利息 = 元本 × 年利率 × (月数 ÷ 12)
試験問題では、「○か月分の利息」という表現がよく出ます。 この場合、「12分の○」として計算するのが原則です。
また、利息に端数が出る場合は、円未満切り捨てで処理するのが一般的です(ただし、簿記3級試験では割り切れる可能性が高いです)。
例題3:決算時に未収利息がある場合
(問題)
C社に貸し付けている100,000円(年利2%)のうち、当期分の利息2か月分をまだ受け取っていない。 決算整理仕訳を示しなさい。
(考え方)
当期の発生分で未収の利息は、未収収益として資産に計上します。
利息額:100,000 × 0.02 × (2 ÷ 12) = 333円。
(仕訳)
| 未収収益 | 333 | 受取利息 | 333 |
ポイント: 決算整理では、現金の受け取りにかかわらず「発生主義」に基づき、 当期の利息を収益として認識する必要があります。
例題まとめ(第1問での出題パターン)
- ① 元本と利息を同時に受け取る場合
→ 現金/貸付金・受取利息。 - ② 利息のみを受け取る場合
→ 現金/受取利息。 - ③ 決算時に未収利息がある場合
→ 未収収益/受取利息。
注意点・試験でのポイント
- 利息は収益(受取利息)として処理する
→ 貸付金の元本とは別に考える。 - 利息の計算は月数に比例
→ 年利 × (貸付月数 ÷ 12)で算出。 - 決算整理では「未収収益」の有無に注意
→ 実際に受け取っていなくても、発生した分は計上。 - 返済時はまとめて仕訳してよい
→ 現金受け取り総額を借方に、貸付金・受取利息を貸方に記入。
このように、貸付金と利息の処理では、 元本と利息を分けて考えることが最も重要です。 試験では「利息計算」と「仕訳の方向」を同時に問うパターンが多く、 特に発生主義による未収利息の処理も合わせて押さえておきましょう。