第8章 決算整理とは何か – 法人税の支払いについて
法人が事業を行うと、その利益に対して法人税を支払う必要があります。簿記上では、法人税の支払いは「決算整理仕訳」として処理されます。これは、当期の税金を正しく費用に計上し、翌期以降の支払いに備えて負債として記録しておくための処理です。ここでは、法人税等の基本的な仕組みと、関連する勘定科目(法人税等・未払法人税等・仮払法人税等)について解説します。
法人税等の計上(決算整理時)
決算時には、当期の利益に対応する法人税を費用として計上します。このとき、まだ支払っていないため「未払法人税等」という負債科目を使います。
例:当期の法人税が200,000円と見積もられた場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 法人税等 | 200,000 | 未払法人税等 | 200,000 |
この仕訳により、当期の損益計算書に法人税等が費用として計上され、同時に貸借対照表に「未払法人税等」として負債が記録されます。
翌期の法人税の確定と納付
翌期に税額が確定し、納付を行った場合には、前期に計上した「未払法人税等」を消す仕訳を行います。
例:決算で見積もった税額200,000円を現金で納付した場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払法人税等 | 200,000 | 現金 | 200,000 |
これにより、未払だった法人税が支払済みとなり、負債が消滅します。
中間納付の仕訳
法人税は通常、年1回の確定申告のほかに、期中で「中間納付」を行います。このときは、先に税金を仮払いしているため、「仮払法人税等」という資産科目を使います。
例:期中に100,000円を中間納付した場合
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仮払法人税等 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
中間納付時はあくまで「仮払い」であり、当期の費用にはなりません。決算時に確定した法人税額と相殺して、最終的な負担額を計算します。
決算時の調整(仮払法人税等との相殺)
決算で当期の法人税額が200,000円、中間納付額が100,000円だった場合、差額100,000円を追加で負担することになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 | |
|---|---|---|---|---|
| 法人税等 | 200,000 | 仮払法人税等 | 100,000 | |
| 未払法人税等 | 100,000 |
この仕訳により、当期の法人税費用を正しく計上し、中間納付分を差し引いた残額を翌期に支払う負債として残します。
翌期の確定納付は以下のようになります。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 未払法人税等 | 100,000 | 現金 | 100,000 |
ポイントまとめ
- 「法人税等」は費用科目、「未払法人税等」は負債科目、「仮払法人税等」は資産科目です。
- 決算整理仕訳では、法人税を見積もって「法人税等/未払法人税等」とします。
- 翌期に納付したら「未払法人税等/現金」で処理します。
- 中間納付は「仮払法人税等」で処理し、決算で相殺します。
- 差額があれば翌期に支払い、または還付金があれば「未収法人税等」として処理します。
このように、法人税の仕訳は「費用・資産・負債」を明確に区分することが大切です。決算整理仕訳を通して、正確な利益計算と翌期への引継ぎを行います。