第6章 経費とその他の取引 – 借入金・貸付金の考え方
これまで学んだ経費の仕訳では、会社のお金が「出ていく」取引を扱いました。
一方、会社が他人からお金を借りたり、逆に他人にお金を貸したりする場合もあります。
このような「お金の貸し借り」は、経費ではなく資産や負債の増減として扱います。
借入金とは
「借入金」とは、他人(銀行や個人など)からお金を借りたときに発生する負債です。
お金を借りると現金や預金(資産)が増える一方、将来返済しなければならない義務(負債)も発生します。
したがって、借入時は「現金(資産)」が増え、「借入金(負債)」が増える仕訳になります。
例1:銀行からお金を借り入れたとき
銀行から100,000円を現金で借りた場合の仕訳です。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 銀行から100,000円を現金で借り入れた | 現金 | 100,000 | 借入金 | 100,000 |
お金を借りた瞬間は、資産が増え、同時に返済義務(負債)が発生します。
このため、借方に「現金」、貸方に「借入金」となります。
例2:借入金を返済したとき
次に、借りたお金を返した場合の仕訳です。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 借入金50,000円を現金で返済した | 借入金 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
借入金を返済すると負債が減るため、借方に「借入金」。
返済に使った現金は減るため、貸方に「現金」と記入します。
貸付金とは
「貸付金」とは、会社が他人(個人・他社など)にお金を貸したときに使う勘定科目です。
貸したお金は、後で返してもらう権利があるため、資産として扱われます。
つまり、貸したときに「貸付金(資産)」が増え、支払った現金(資産)が減ります。
例3:他社にお金を貸したとき
取引先に30,000円を現金で貸した場合の仕訳です。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 取引先に30,000円を現金で貸した | 貸付金 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
貸したお金は後で返ってくるため、費用ではなく資産の増加として扱います。
支払った現金は減るため、貸方に「現金」を記入します。
例4:貸したお金が返ってきたとき
貸していたお金が返ってきた場合の仕訳です。
| 取引内容 | 借方(左) | 貸方(右) | ||
|---|---|---|---|---|
| 勘定科目 | 金額 | 勘定科目 | 金額 | |
| 取引先から貸付金30,000円が現金で返済された | 現金 | 30,000 | 貸付金 | 30,000 |
返済を受けたときは、現金(資産)が増え、貸付金(資産)が減る形になります。
このため、借方に「現金」、貸方に「貸付金」を記入します。
まとめ
- 借入金は「借りたときに負債が増える」、貸付金は「貸したときに資産が増える」。
- 返済や返済を受けたときは、元の勘定を反対側に記入する。
- いずれも費用や収益ではなく、資産・負債の増減として仕訳する点が重要。
借入金と貸付金の取引は、現金の出入りがある点では経費と似ていますが、
「会社のお金を使った理由」が異なります。
この違いを理解しておくことで、より正確な仕訳ができるようになります。