厚生年金保険法、本試験論点一覧
論点の箇条書き一覧集です。本試験用にのみ特化した、極論的論点一覧。
総則
- 国または地方公共団体についても適用事業所となる
- 厚生年金保険は政府が管掌する(実施機関ではない)
- 市町村長の証明書や戸籍妙本は提出日前1カ月以内の作成であること
- 個人の法定17業種以外(第1次産業、接客娯楽、宗教業)は何人であっても、強制適用とはならず、任意適用である
- 保険料の納付は第4種を除いて全て、翌月末日まで
- 事業主は、被保険者らに求められたときは、速やかに、正確な証明
- 適用事業所に使用されなくなったとき、その者が適用除外に該当するに至ったことによる資格喪失については大臣の確認を要する。
被保険者と被保険者期間など
- 季節的に4カ月を超えて、又は臨時的事業に6カ月を超えて使用される者は初めから被保険者となる
- 日々は1カ月、2カ月以内の期間は所定の期間を超えたら被保険者
- 船舶所有者に使用される船員はいかなる使用期間であっても被保険者となる
- 船舶以外の2以上の適用事業所は大臣の承認を受けることで一の適用事業所とできる
- 旧船員法の被保険者期間に3分の4を乗じた期間を第1号厚生年金被保険者期間とみなす
- 4分の3未満労働者であっても4要件(20時間、88,000円、学生ではない、特定適用事業所(任意特定適用事業所でもよい))の全てを満たせば被保険者(4分の3以上労働者は4要件と関係なく被保険者)
- 4分の3未満労働者とは、1週間の所定労働時間、1カ月の所定労働日数について通常の労働者の4分の3である労働者。
- 特定適用事業所とは事業主が同一の1又は2以上の適用事業所に使用される特定労働者の総数が常時100人を超える適用事業所
- 同月得喪は1カ月となるが、国年1号被保険者としてその月が終わった場合は国年1号としての1ヵ月となるため、厚年1ヵ月とはならない
- 70歳以上の高齢任意加入被保険者は老齢又は退職に関する年金の受給権を有している者はなることができない
- 高齢任意加入被保険者はになるには、適用事業所であれば実施機関に申出、適用事業所以外であれば大臣の認可を要す
- 高齢任意加入被保険者の被保険者期間は喪失月の前月まで
- 任意単独被保険者の資格得喪(使用されなくなったことによる場合などに限る)、任意適用取消し認可による資格喪失では確認を要し、適用事業所外で任意単独被保険者となるには事業主の同意と大臣の認可を要する
- 滞納による資格喪失は納期限の前月末日までとは
6月 7月 8月 9月 喪失月 8月分を滞納 被保険者期間 資格喪失 - 第3種被保険者であった、昭和61年度から平成3年3月末までの期間は5分の6を乗じる
- 2以上の種別の期間
合算して判定するもの
合算して判定しないもの
厚生年金保険の加入期間の特例(20~24年)
60歳台前半の老齢厚生年金の要件(1年)
加給年金・振替加算の加算・停止要件(240ヵ月)
在職老齢年金の基本月額算定
障害厚生年金の年金額(初診日実施機関払い)
遺族厚生年金(短期)の年金額(死亡時実施機関が支給)
脱退一時金の支給要件(6ヵ月)
中高齢寡婦加算の要件(240ヵ月)
中高齢特例(15~19年)
老齢厚生年金の年金額(各々払い)
定額部分の上限(480ヵ月)
長期特例の要件(44年)
船員・坑内員特例の要件(15年)
経過的加算の月数計算(480ヵ月)
遺族厚生年金(長期)の年金額
480、25年以上で支給される年金
長期要件の遺族厚生年金についてはそれぞれの実施機関が行う
- 障害厚生年金は初診日の種別の実施機関が事務を行い、遺族厚生年金では死亡日の種別の実施機関から支給される
標準報酬月額等
- 原則は8月までであるが、6月~12月までに改定、決定されたものは、翌年の8月まで有効
- 随時改定は、3カ月いずれも17日以上であり、実施機関が必要あると認めるとき
- 随時改定17日の判定は、必ずしも現実の出勤日数である必要はなく、欠勤分が控除されていないといった場合は、カウントされる
- 随時改定は、昇給等が完全に反映された月から適用されるため、月の途中での昇給についてはその月は計算対象とはされない
- 随時改定は固定的賃金変動があった際に行われるが、額の算定には残業手当等の非固定的賃金も含まれる
- 在職定時改定は、65歳以後の基準日(9月1日)の属する月の翌月(10月)から、前月(8月)までの被保険者であった期間を計算の基礎としておこなう
- 退職時改定は、退職日(資格喪失日ではない)から1月を経過した日の属する月からおこなわれる(退職月の翌月改定)
- 8月20日に喪失し9月10日に被保険者資格を取得した場合、その期間が1カ月以内であるから在職時改定が行われ、9月21日であれば退職時改定が行われる
- 産前産後休業期間については、事業主の申出によって開始月から終了翌日が属する月の前月まで徴収されない
- 育児休業(出産時育児休業)については、申出により、開始日の属する月~終了翌日(復帰日のこと)の前月まで、免除される
- 育児休業について同一月のみであるときは、14日以上であれば1ヵ月免除され、2カ月で合計して14日に満たなくても1ヵ月分免除される(5/31開始~6月2日終了でも5月分が免除)
- 育児休業終了時改定(1級差でも行う)は、終了翌日から2カ月経過後の翌月から(復帰月から3カ月間の報酬に基づいて改定)
- 3歳未満の平均標準報酬月額みなしは、養育開始月~前月(被保険者の申し出が遅れた場合2年まで遡り)
- 3歳未満の平均標準報酬月額みなしは、養育開始前月に被保険者でない場合の1年以内の直近の標準報酬月額となる
- 標準報酬改定請求における情報提供請求は前回提供を受けた翌日から3カ月を経過していること
-
健康保険 厚生年金 58,000円~1,390,000円(50級) 88,000円~650,000円(32級) 3月31日に50級が1.5%を超えてると改定
0.5%を下回らないようにすること
3月31日に平均の2倍が32級を超えてると改定
いずれも9月1日から
- 賞与は厚生年金では月の上限150万、健康保険では年間の上限573万円であり、複数事業所の場合は合算して判断
- 船員の標準報酬月額の決定と改定は、船員保険法による
- 電子情報処理組織による届出は特定法人における、報酬月額と賞与に関する届出のみ
- 平均標準報酬額とは各月の標準報酬月額と標準賞与額に再評価率を乗じた総額を月数で除した額
- 再評価率は物価変動率(当該年度の初日の属する年度の前々年度と前年度の物価指数の比率)によって算出される
- 基準年度以後再評価率は物価変動率が原則であるが、物価変動率が名目手取り賃金変動率を上回るときは名目手取り賃金変動率を基準とする
届出
- 事業主は5日以内、船舶所有者は10日以内(船のほうが長い)、被保険者と受給権者は10日以内が原則
- 資格取得届(5日以内に届出(翌月10日は雇用保険))は署長所長経由で機構とできるが、喪失届は署長経由できず、所長経由のみ
- 原則として被保険者が届出をするのではなく、事業主が届出をおこなう。
- 大臣は給付等の処分をおこなったときは、速やかに通知
- 2以上の種別の被保険者期間を有する受給権者による支給停止申請は同一の支給事由であれば、同時に行うこと
老齢
- 報酬比例部分のみの60歳台前半老齢厚生年金において、坑内船員合算15年以上(昭和41年以前生まれで、被保険者でもよい)、44年以上(被保険者でない)であれば定額部分も支給される
- 60歳台前半の老齢厚生年金における障害者特例は被保険者ではない、障害1~3級該当者(遺族厚生年金の短期要件は1,2級のみ)が対象となる
- 加給年金の生計維持認定は前年収入が850万円、又は、所得が655万5000円未満であること。
- 加給年金額のほか、配偶者加給年金にも改定率は乗ずる(配偶者と子が1人であれば、(224700×2+165800)×改定率)
- 配偶者加給年金は、受給権者の生年月日に応じて加算され、昭和18年4月2日以降生まれの165,800円が最高額
- 配偶者加給年金は、配偶者が障害基礎年金の受給権を取得すると支給停止されるが、老齢基礎年金を繰り上げても支給停止とならない
- 老齢厚生年金を繰上げ受給(全額支給停止されても)をすると、配偶者に支給されていた配偶者加給年金は、支給停止される
- 男子であれば昭和36年4月2日以後生まれでなければ老齢厚生年金の繰上げ請求をすることはできない
- 老齢厚生年金の繰下げは老齢基礎年金と同時に行う必要はない
- 繰下げについての請求では、繰下げとせずに遡って受給をすることもできる(遡りは、配偶者への遺族基礎年金における1年所在不明による子の申請での遡り支給停止、労災の適用遅れによる遡り受給など、限定されている)
- 経過的加算=定額部分 - 厚生年金加入期間である20歳以上60歳未満の被保険者期間に対応する老齢基礎年金
- 報酬比例部分については20歳前の期間も計算の基礎となる
- 定額部分は、1628円×改定率×全被保険者期間
- 経過的加算と付加年金は繰上げと繰下げのいずれも対象であって額の増減もされるのに対し、加給年金と振替加算は増額されない
- 障害基礎年金の受給権者であっても繰下げすることができる
- 配偶者の老齢基礎年金の振替加算は老齢厚生年金の加給年金の代わりとなるものであり、老齢基礎年金を繰上げても65歳から加算される。そのため、繰上げをしても加給年金は65歳まで加算される。加給年金、振替加算はいずれも繰上げの影響を受けない。
- 求職の申し込み翌月から60歳台前半の老齢厚生年金は支給停止される
- 在職老齢は、総報酬月額相当額と基本月額(年金の月額(定額部分も含むが加給は含まれない))の合計額が支給停止調整額(48万円)をこえるとき、差額の2分の1に12を乗じた額(支給停止基準額)について支給停止する(月で計算をし、支給停止基準額は年換算する)
- 在職老齢は、資格取得月については適用されず、翌月から調整される
- 繰下げ加算分と経過的加算は在職老齢年金の支給停止の対象とはならない
- 老齢基礎年金、障害基礎年金を受給中であっても老齢厚生年金の繰下げることができる
- 高年齢雇用継続基本給付金との調整は、在老規定に加えて、最大で100分の6(61%未満となったとき)について支給停止されるが、厚生年金の被保険者ではないときは調整はされない。
- 雇用保険との調整による支給停止における停止解除計算では30日を1月として計算し、30日ごとに1か月分解除される
- 老齢厚生年金のみ国税滞納処分により差し押さえることができる
- 共済組合に加え、共済組合連合会も裁定する
障害
-
65歳に達する日の前日までに 65歳に達した日以後でもよい 事後重症の請求
基準障害の受給権発生(請求は65歳後も可)
その他障害の改定請求
障害基礎年金の受給権発生
基準障害の請求
併合認定
改定請求
- 障害厚生年金は300月(25年)分が最低保証される
- 支給要件を満たせば20歳前からでも障害厚生年金は支給される(認定日の翌月から)
- 障害認定日は初診日から1年6カ月を経過した日、又は、傷病が治った日のいずれか早い日をいうため、治っていなくても1年6カ月を経過した日は障害認定日である(それ以降の場合は事後重症)
- 権利を取得した時から常に3級であったものについては、2級の障害が生じても併合認定されない
- 障害基礎年金の受給権を持たない場合(3級や65歳以後の被保険者である間の負傷による受給権などの場合)の最低保証額は2級障害基礎年金の4分の3
- 老齢厚生年金と異なり、権利を取得した日以後の加給対象者分も加給される
- 基準障害による障害厚生年金とは、基準障害と他の障害とを併合して、初めて1級又は2級に該当するに至るものをいう。
- 加給は配偶者のみであり、子については障害基礎年金に加算される
- 加給対象者が養子になった場合は直系養子であっても加給の対象から外れるが、遺族厚生年金は直系養子となっても受給権は消滅しない(障害年金は本人のためであり、遺族年金は遺族のためであるからである)
- 障害手当金は初診日から5年を経過する日までに治らなければ支給されない
- 障害手当金は年金(国年含む)の受給権を有する場合は支給されない(障害非該当で3年経過した障害年金受給権者を除く)
- 最低保障額(障害基礎年金×4分の3)は障害3級、障害手当金はその2倍が保障される
遺族
- 短期要件の障害厚生年金は1級と2級、初診日から5年以内に死亡、長期要件は25年以上であること
- 被保険者、被保険者であった者が初診日から5年以内にその傷病で死亡については保険料納付要件が問われる
- 平均標準報酬額×1000分の5.481×300以上×4分の3が支給される
- 受給権者は生計維持で55歳以上の配偶者・子~祖父母であり、労災と異なり転給しない(配偶者と子は同順位のため受給権が移るが同順位であるから転給とは言わない)
- 労災と異なり、兄弟姉妹は遺族の範囲に含まれない
- 労災と異なり、障害があっても55歳以上でなければ支給されない(妻は年齢不問)
- 夫、父母、祖父母は60歳までは支給停止(労災と同じ)
- 55歳未満の夫に子がいるときは、子に遺族厚生年金が支給され、夫に遺族基礎年金が支給される(子がいない場合は何も支給されない)
- 配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する間(支給停止中も含む)も、子に対する遺族厚生年金の支給は停止されたまま
- 海外居住などで遺族基礎年金が出ない場合は、遺族厚生年金に遺族基礎年金分(加算も含む)が加算される
- 経過的寡婦加算は、中高齢寡婦加算と老齢基礎年金の差額分であり、昭和31年4月1日までに生まれた者が対象
- 経過的寡婦加算は、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給権を有するときは支給停止となる
- 老齢厚生年金が支給される場合は、その額の相当する分について支給停止される
その他給付
- 資格喪失日から2年以内に請求する脱退一時金の支給率は、前年10月(1~8月の場合は前々年10月)の保険料率に、2分の1と政令率を乗じた率
- 脱退一時金は被保険者の資格を喪失した日からではなく、日本国内に住所を有しなくなった日から2年以内に請求する
費用
- 共済組合連合会は保険給付費等を各共済組合に交付する
- 管理運用主体(年金積立金管理運用独立行政法人、共済組合連合会等)は、決算完結後遅滞なく、業務概況書を作成し、公表し、所管大臣に交付
- 管理運用主体は積立金の資産の構成の目標を定める
- 実施機関は、所管大臣経由で大臣に対し、毎月15日までに事業状況について報告
- 実施機関の拠出金は、拠出金算定対象額に標準報酬按分率、積立金按分率を乗じた合計額から基礎年金拠出金保険料相当分を控除した額
- 事業主の負担割合(2分の1)は、変更できない(健保法における健康保険組合は変更できる)
- 第4号厚生年金被保険者のみ、令和9年4月まで1000分の183ではない
- 保険料は、前月の保険料が控除されることとなる
- 過剰納付分については、告知又は納付翌日から6カ月以内の保険料を繰上げ納付したものとみなすができる
- 厚生労働大臣は、毎年度、拠出金予想額を算定する
その他
- 厚生年金と健康保険のみ、未支給給付は三親等内親族まで。
- 資格の得喪確認制度は第1号厚生年金被保険者のみ
- 按分割合についての裁判確定翌日から6カ月以内に合意分割の請求をすること
- 合意分割(標準報酬改定請求)における改定割合は按分割合を基礎とし、3号分割では2分の1
- 標準報酬改定請求については障害厚生年金の受給権者も対象となるが3号分割では計算の基礎となる期間は除外される
- 3号分割の3号とは国民年金3号被保険者の事であり、被扶養配偶者が3号被保険者以外の期間について3号分割は行われない
- 3号分割において、特定被保険者の配偶者は被扶養配偶者
- 3号分割は、離婚、婚姻取消し以外にも、3年の行方不明も対象となる
- 3号分割は離婚から2年以内にすることが求められるが、死亡した場合は死亡日から1カ月以内にしなければならず、死亡日の前日に請求があったものとみなす
- 3号分割の対象となる期間は平成20年4月以後の期間
- 離婚時みなし被保険者期間が、被保険者期間として用いられないもの
老齢厚生年金の加給年金の加算要件 240カ月 受給資格 10年 60歳代前半の老齢厚生年金の支給要件、定額部分、長期加入者特例 1年、定額部分、44年 脱退一時金の支給要件 6カ月 - 同一人別年金(実施機関が同じ)については内払とみなし、同一人同年金(等級上下含む)については内払とみなすことができる、別人遺族年金が充当できる
- 徴収と還付はできる時から2年、受ける権利は生じた日から5年(年金、一時金(国年の死亡一時金のみ2年)全て)
- 延滞金は社会保険では3か月間の軽減措置、徴収法では2カ月間の軽減措置となる
- 大臣が機構に対しておこなう認可に関する権限は地方厚生局長に委任
- 徴収職員は大臣が認可し、機構の理事長が任命する(大臣は保険料等の収納を機構に行わせることができる)
- 財務大臣は滞納処分(以下の全てをみたすこと)をおこなったときは、厚労大臣に報告する
国民年金 誠実な意思が認められない、13ヵ月以上、所得1000万円以上 厚生年金、健康保険 誠実な意思が認められない、24ヵ月以上、滞納が5000万以上、所得の隠ぺいのおそれ - 実施機関は、年金受給権者に対して、身分関係、障害状態、受給権の消滅、改定、支給停止に関する書類その他物件の提出を命じ、職員に質問させることができる
- 政府は毎年度、実施機関(厚生労働大臣を除く)ごとに厚生年金保険給付費等を交付する
- 保険給付について、資料の提供や報告を求めることはできない
被保険者の資格、標準報酬、保険料、保険給付
事業主に、文書等提出、立ち入り質問、検査できる
被保険者の資格、標準報酬、保険料
官公署に、被保険者、組合員等の資料提供を求めることができる
銀行、事業主等に、報告を求めることができる
- 年金法の脱退一時金は審査会前置で訴訟(官なし)
- 高齢任意加入被保険者の被保険者期間は喪失月の前月まで、滞納による資格喪失は納期限の前月末日