寡婦年金
寡婦年金、脱退一時金は共に1号被保険者としての保険料納付済期間及び免除期間の月数に応じて支給される。免除期間は実際支払った部分について月数として数えられる。4分の1免除の月は4分の3払っているのであるから、4分の3カ月となる。つまり、全額免除月は0カ月となる。そうであるから、寡婦年金、脱退一時金における保険料免除期間に全額免除期間が含まれるとして扱ってもも問題はない。
対象 死亡前月までに1号被保険者として保険料納付済期間、及び保険料免除期間が10年以上である夫が死亡した場合の妻
子がいるのであれば遺族基礎年金を受給してもよく、例えば63歳で子がいなくなるのであれば、それから寡婦年金を受給してもよい
※特例任意加入被保険者としての被保険者期間は参入されない
妻の要件
- 婚姻関係10年以上
- 65歳未満の妻
- 夫によって生計を維持していたこと
夫(死亡した者)の要件
- 障害基礎年金の受給権者であったことがなく老齢基礎年金の支給を受けた者でないこと
※障害福祉年金の受給権者であっても支給される
寡婦は1号、死亡の前月10年以上で4分の3、付加年金は加算無し
寡婦年金は、死亡日の前日にいて死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての納付済み及び免除期間が10年以上である夫の死亡につき、老齢基礎年金の4分の3に相当する額。付加年金については納付していたとしても、寡婦年金に加算されない。厚生年金の中高齢寡婦加算は遺族基礎年金の4分の3である
特例任意は寡婦対象外、死亡と脱退対象内
特例任意加入被保険者(65-70歳)は、寡婦年金の規定について、第一号被保険者とみなされない。つまり、10年カウントに入らない。死亡一時金、脱退一時金は対象となる
支給期間 妻が60歳に達した日の属する月の翌月から65歳まで(受給権はそれ以前から)
※受給権は65歳未満であれば発生する(60歳に達した翌月から支給)
夫 | 死亡 | 65歳 | ||
妻 | 60歳 | 65歳 | ||
受給権は発生済み | 寡婦年金 | 老齢基礎 |
夫の死亡時における妻の年齢要件
寡婦年金 |
夫の死亡時に妻が60歳未満であっても60歳に達した日の翌月から支給される |
中高齢寡婦加算 |
夫の死亡時に妻が40歳から65歳までの間であるか、遺族基礎年金が失権した場合 |
支給
支給額 1号被保険者としての期間のみで計算された老齢基礎年金の規定の例による額 × 3 4
支給停止 労働基準法による遺族補償が行われるときは、死亡日から6年間その支給を停止する
失権 65歳到達、死亡、婚姻、直系以外の養子、繰上げによる老齢基礎年金の受給権を取得
労災 |
遺族 |
直系以外の養子となると失権 |
厚年 |
遺族 |
直系以外の養子となると失権 |
受給権者となるのは配偶者又は子、父母、孫、祖父母(直系のみ) |
||
国年 |
遺族 |
直系以外の養子となると失権 |
全ての子が直系を含め、養子となると配偶者は失権 |
||
寡婦 |
直系以外の養子となると失権 |
選択 寡婦年金はどの年金とも併給とならず、いずれかひとつの年金を選択する
- 寡婦年金と遺族基礎年金のいずれかを選択し、一方は支給停止
- 寡婦年金と死亡一時金のいずれか選択し、一方が消滅
※60歳未満の場合、寡婦年金と遺族基礎年金では遺族基礎年金となる
※寡婦年金の受給権自体は発生しており、併給調整扱いで選択受給となる
選択についての整理
遺族基礎年金 |
>基礎優先> |
寡婦年金 |
←選択→ |
遺族厚生年金 |
|
↑選択↓ |
|
||
同時成立しない |
死亡一時金 |
=同時可= |